障害者を利用して儲ける人々
障害者就労継続支援事業所(A型とB型がある)は障害者のために開設されるものである。
A型は、開設者(経営者)が障害者を雇い入れ、その見返りに国から給付金をもらう。
経営者は障害者に1日4時間働かせ、最低賃金の時給を払う。
と同時に、雇い入れた障害者に支援をしなければならない。
B型は、障害者と雇用関係を結ばず、一日に数百円の工賃を払うだけでいい。
一日に数百円である。
それでいて給付金額はA型とあまり変わらない。
この障害者就労継続支援事業所は当初、障害者を雇えるだけ雇い、給付金を取れるだけ取っていた。
給付金目的の障害者就労継続支援事業所が雨後の筍(たけのこ)のように乱立した。
中には折り紙やどうでもいい作業を障害者にやらせて運営する障害者就労継続支援事業所があった。
そこまでひどくなくても、障害者が働くことで得られる収入はみな微々たるもので、給付金なしでは成り立たない障害者就労継続支援事業所ばかりだった。
行政はそうしたいい加減な障害者就労継続支援事業所を取り潰した。
しかし、である。
障害者就労継続支援事業所では障害者に1日4時間しか働かせない。
いくらまともな仕事を障害者に与えても、ひとり1日4時間では収益を上げることはほぼ不可能である。
そのことをわかっていながら行政は多くの障害者就労継続支援事業所を残した。
今もほぼすべての障害者就労継続支援事業所は給付金なしでは障害者に給料を払うことさえできないでいる。
いったいになぜ行政は1日4時間などという非現実的な縛りを設けたのか?
障害者だからそれ以上の勤務は難しいと考えたのか?
そういう障害者もいるだろうが、1日8時間だって働ける障害者もいる。
一律1日4時間というのは納得しかねる。
障害者にどれだけ働かせるかは、障害者個々の都合に合わせて決めればいい。
そういうシステムにしなかったのは、支給する給付金の額を統一したかったからだろう。
障害者個々で給付金の額が違ってきたら支払いがややこしくなるからだ。
障害者の給料は行政が払うという制度にすればよいと思う。
給付金はそれとは別に支払うというシステムにすればいいのではないか。
そうすれば障害者の働きだけで障害者就労継続支援事業所を成り立たせるところが出てくるに違いない。
だから今の障害者就労継続支援事業所システムには大きな問題があると思う。
給付金頼みの障害者就労継続支援事業所が乱立して批判が出るようなことも避けられただろう。
あまりにもひどい障害者就労継続支援事業所を粛清しなくともよかったかもしれない。
私がこれまで障害者就労継続支援事業所で働いた経験から考えると、障害者の働きだけで障害者就労継続支援事業所を成り立たせるのはほぼ不可能だと思う(特にA型)。
まして1日4時間勤務では絶対に不可能だ。
その縛りを解くべきだ。
そして、給付金の額が多すぎる。
札幌市の場合、障害者をひとり雇うと毎月20万円近くの給付金がその障害者就労継続支援事業所に支払われる(A型)。
障害者就労継続支援事業所(A型)ではそこから障害者に給料9万円あまりを払う。
残りの11万円は懐(ふところ)にできる。
本当はその11万円で障害者支援をしなければならないのだが、そんなことをしている障害者就労継続支援事業所はほぼない。
私が働いた障害者就労継続支援事業所3箇所でもそんなことはしていなかった。
支援どころかパワハラや攻撃をされたこともある。
オーバーワークになるほどメチャクチャ働かされたこともある。
仕事をさせていることが支援なんだと開き直る障害者就労継続支援事業所があるかもしれないが、仕事をし仕事を覚えていくのはどんな会社に入っても同じだから支援とは言えない。
11万円は経営者ならびに経営陣の懐に入るだけだ。
ほとんどの障害者就労継続支援事業所は、ひとりでも多くの障害者を雇いたがる。
それだけ給付金の額が増えるからだ。
だから障害者就労継続支援事業所は障害者を狩るように募集して雇い入れる。
そしてわずかな最低賃金だけ払い、支援をしないで残った給付金で儲ける(A型)。
この実態は何とかしなくてはならないと思う。
支援をしないのであれば給付金詐欺と言えよう。
そんな詐欺会社で働かせられる障害者が可哀想だ。
B型は、障害者に働かさせなくてもいい。
それで1ヵ月にわずか1万5千円から2万円しか払わなくていい。
障害者就労継続支援B型事業所はボロ儲けである。
障害者の多くにとって障害者就労継続支援事業所は最後の砦(とりで)みたいな存在だ。
普通の企業ではほとんど雇ってもらえないからだ。
それが1日4時間というのはつらいし、おまけに経営陣が給付金目的だとなれば働く気も失せる。
職員の中には、通所する障害者の送迎を露骨に嫌がる人さえいる。
札幌のような公共交通機関の発達している街は別として、千歳などの辺鄙な街では、通所する障害者の自宅までクルマで迎えにいき、帰りは自宅までクルマで送り届ける。
これを露骨に嫌がる職員がいた。
こんなことが起きるのは、行政が障害者就労継続支援事業を民間に丸投げしているからだ。
そういう行政の責任もあるが、障害者を利用して金儲けをする民間人が多数いる現実に驚いている。
福祉で金儲けするというその神経が私には理解できない。
事業所の職員は「障害者支援をしているんです」というが、障害者に苦情を言ったり嫌味を言ったりハラスメントしたりすることのどこが支援なのだろうか?
それで莫大な給付金をもらえるのだから、こんなにおいしい仕事はない。
そんな事業所に給付金を払う必要なんてない。
払ってはならない。
障害者就労継続支援事業所は全国に何千とある。
ひとつの事業所に20人の障害者が通っているとすると、月にひとり20万円近くの給付金が出て、事業所全体では400万円にもなる。
国は、400万円を数千ヵ所の事業所に毎月払っているのだ。
合計すれば、いったい何億、いや何十億円になるだろうか。
しかも職員には適性のない人もいる。
それで私のように被害を受けるケースもある。
民間に丸投げしているからこんなことになる。
国は無責任である。
障害者就労継続支援事業所のあり方が問われていると思う。
行政の英断を求める。
