星屑製本所
今週もスタートしましたね。
月曜日をがんばった大人と子供たちへ🌙✨
小さな絵本『星屑製本所』をお届けします。
諦めそうになった夢や大切な気持ちを、夜空の星屑で優しく本に仕立て直すお話です。
がんばった一日の終わりに、ほっと一息つきながら読んでみてくださいね。
街の片隅にある「星屑製本所」。
そこは、誰かが諦めてしまった未完成の夢や、言葉にならなかった想いを本へと仕立て直す特別な場所です。

店主の老人は、夜空から降る微かな星屑をインクに変え、傷ついたページの余白をやさしく撫でて補修していきます。
今夜訪れた客は、自分の物語を見失った青年でした。
白紙ばかりの開かれた冊子を差し出し、俯きます。

老人は黙ってそれを受け取ると、青年の瞳の奥に残る小さな記憶の欠片を星屑のインクですくい取り、淡い光を放つ文字として一字ずつ丁寧に綴り始めました。

ページが埋まるにつれ、あたたかな光が部屋を満たします。
忘れていた挫折の理由も、誰かへ届かなかった感謝も、すべては美しい物語の途中に過ぎなかったのだと青年は気づいたのです。
完成した本を抱きしめると、胸の奥の重荷は静かに消えていました。

青年が去ったあと、老人は静かに店じまいをします。
星屑製本所の本棚には、今夜も新たな一冊が誇らしげに並びました。

もしあなたも自分だけの物語を見失いそうになったなら、夜空を見上げてみてください。
蒼い街灯の灯る路地裏で、老人が待っています。

