狐火バーベキュー|毎週ショートショートnote
火星移住から百年。
地球の核分裂発電は各国にエネルギーの豊かさをもたらしたが、技術競争に出遅れた日本は、N氏が首相となってから独自の道を歩んだ。
古来の「妖怪」との共存技術の開発だ。
初めは奇異の目で見られた。
しかし、その実用性は驚くべきものだった。
交通に一反木綿、家庭では座敷童子が手伝い、週末の「狐火バーベキュー」はブームに。
妖怪の不思議な力が人々の生活に溶け込み、日本は独自の進化を遂げた。
だが、国際会議で非難が噴出する。
「妖怪利用は非科学的で危険だ」
「妖権の問題もあるのではないか」
各国の代表が騒然とする中、日本の首相、ぬらりひょんはぬるりと壇上へ。
ぬらりひょんは、静かに、しかし有無を言わせぬ威圧感で一言告げた。
「我が国には、牛鬼や大蛇、大百足がおりますが──何か?」
会議場に重い沈黙が降りた。
やがて、雷神による発電システムの輸出規制は解除され、日本の妖怪活用技術は、国際社会の新たな「標準」となっていった。
(406文字)
今回参加させていただいたのは、いつも感謝。
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