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布亜須途奇襲(ファースト奇襲)|毎週ショートショートnote

平安末期、陰陽師・鴨川幻斎かもかわげんさいが編み出したとされる秘術「布亜須途奇襲ふあすときしゅう」は、敵の呼吸と心を読むことから始まる。名の「布亜須途」は、戦略を広く布き(布)、次の一手を読み(亜)、必ず勝利への道を切り開く(須途)という意味を込めたものとされる。
戦国の世、この術を極めたとされるのが兵法家・紙谷文蔵かみたにぶんぞうである。彼は一瞥で敵の動きを読み切り、初撃で戦を終わらせたと伝わる。ある合戦では、敵将が刀に手をかけるより早く、紙谷の一歩が勝敗を決したという。
江戸期、霞流の剣客はこの術を「奇襲の美学」と称し、門弟にこう教えた。
「速さは刃にあらず、心に宿る」

やがて、この思想は戦場を離れ、人と人との駆け引きにも応用されるようになる。
明治期、民俗学者・隣野轟郎となりのとどろうは恋愛文化との関連を指摘。「異性の心を先読みし、一瞬早く踏み込む行為」を「布亜須途接吻ファーストキス」と記録した。

現代の「ファーストキス」という言葉の起源が、この秘術にあったとする説は、今なお一部の文化史研究家の間で語られている。
民明書房刊『決定版・武道奇習大百科』より抜粋

民明書房刊『武道奇習大全』より


(421文字)


今回参加させていただいたのは、いつも感謝。
こちらの企画になります。

https://note.com/tarahakani/n/n7d11f3055380

※ご注意:本記事の内容は創作であり、実在の書籍や史実とは関係ありません。
民明書房は、漫画『魁!!男塾』などで登場する架空の出版社で、当時のパロディ文化を象徴する存在です。
本記事をきっかけに、そのユーモアと背景を知っていただければ幸いです。

#毎週ショートショートnote
#ファースト奇襲
#民明書房



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