無限の尾|毎週ショートショートnote
深夜のラボで、私は震える手で報告書を書いていた。
地球外生命体のDNA解析中、異常な遺伝子断片「無限尾遺伝子」を発見。実験動物の尾が制御不能に成長し、プロジェクトは緊急停止された。
だが、もう遅かった。
三日前、背中に違和感を覚えた。鏡に映る赤い突起。
二日前、それは十センチに伸び、脈打ち始めた。
昨日、尾は私の脊髄に根を張り、異質な思考が脳に流れ込んだ。
この異変を誰かに伝えねばと焦るが、指一本動かせない。
今夜、尾は私の意志を無視して蠢き、宇宙へ向けて未知の信号を発している。
「助けて……」
声を発したのは私か、それとも尾か。
意識が薄れる中、尾が囁く。
「同化は完了した。次の宿主を選定中」
研究所の同僚たちの顔が浮かんだ。
彼らの背中にも、きっと…… 私の体は既に私のものではない。
無限の尾が宇宙と地球を繋ぎ、侵略の鎖は静かに広がっていく。
明日、同僚たちが出勤してくる。 尾は待っている。(402文字)
今回参加させていただいたのは、いつも感謝。
こちらの裏企画になります。
https://note.com/tarahakani/n/n085096ae6bd1
#毎週ショートショートnote
#無限の尾
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