隕石の伯父さん|毎週ショートショートnote
夏の夜、町はずれの庭に黒い隕石が落ちた。
焼け跡から現れたのは、数年前に行方不明になった伯父に似た男だった。
「やあ、久しぶりだな。大きくなったな。これは小遣いだ」
伯父は妻も子もない独り者だった。家族は戸惑いながらも、どこか安堵して席を用意した。
父は「本物の伯父さんだ」と言ったが、母は少し距離を置いていた。
帰ってきた伯父は勤勉で商才にあふれ、生活は一変した。
だが、夜の食卓での昔語りに、どこか違和感を覚えることもあった。
久しぶりだから、こんなものかと自分に言い聞かせた。
町では同じような話が広がり、行方不明者に似た親戚たちが隕石とともに戻って繁栄を築いた。
ある夜、遅くまで起きていた少年は、庭で耳にした。
伯父が夜空に向かって低い声でつぶやく。
「地球の侵略は順調だ。人間たちは家族には敏感だが、親戚くらいの距離感なら、ちょうどよく信用される」
少年は声を殺して震えた。
翌朝、伯父はいつも通り、優しい笑顔で新聞を広げていた。
僕は警察に届けようかと思ったが、どうせ信じてもらえないし、小遣いもなくなるのでやめた。
(451文字)
今回参加させていただいたのは、いつも感謝。
たらはかにさんの企画になります。
https://note.com/tarahakani/n/na01284bd421c
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