実は古代から存在した!フェイクニュースの驚くべき黒歴史
SNSで流れてくるニュース、本当に信じていいんでしょうか?
実は、フェイクニュースって最近始まったものじゃないんです。古代ローマでは政敵を陥れるために偽の遺言書が使われ、19世紀の新聞は「月に生命体がいた!」なんて嘘で部数を伸ばしていました。さらに恐ろしいのは、一本の新聞記事が戦争のきっかけになったり、国家が嘘をついて国民を動かしたこともあったという事実です。
この記事では、古代ローマからイラク戦争、そして日本の誤報事件まで、歴史に刻まれたフェイクニュースの「手口」を徹底解剖します。過去を知れば、今日のネットで飛び交う情報の真偽も見抜けるようになる――そんな「情報リテラシー」を一緒に身につけていきましょう。
嘘の原点は、政治と金だった
フェイクニュースが生まれる理由って、実はシンプルなんです。政治的な権力闘争か、お金儲け。この2つが、大昔から変わらない動機なんですよね。
古代ローマ:遺言書で政敵を葬る
紀元前1世紀、ローマ帝国の覇権をめぐる戦いが繰り広げられていました。カエサルの後継者争いで、オクタウィアヌス(後の初代皇帝アウグストゥス)は、ライバルのマルクス・アントニウスを失脚させるために、彼の「遺言書」を公開したんです。〔1〕
その内容がまた巧妙で。「アントニウスはローマではなくエジプトに葬られることを望んでいる」「クレオパトラとその子どもたちへの配慮ばかり」といった、ローマ人の誇りを傷つけるような話が盛り込まれていました。〔1〕
この遺言書が本物だったのか、それとも改ざんされたのかは今も議論がありますが、重要なのは「物語」として機能したこと。〔1-2〕当時のメディアである硬貨、パンフレット、詩、演説を通じて、「アントニウスはローマを裏切った」というストーリーが広まり、彼は支持を失って破滅していきました。
これ、現代の炎上とか、ネット上の印象操作とそっくりじゃないですか?
19世紀:「月に生命体がいた」で新聞バカ売れ
1835年、アメリカの新聞『ニューヨーク・サン』が、とんでもないニュースを連載しました。「最新式の望遠鏡で月面を観測したところ、ユニコーンや翼の生えた人間のような生命体が発見された!」〔3-4〕
もちろん完全な嘘。でもこれ、大評判になったんです。話題性抜群で、新聞の注目度も売れ行きも跳ね上がったと言われています(ただし、どこまで部数が伸びたかを断定するのは難しいんですが)。〔3-4〕
この「月の巨大生物捏造事件(The Great Moon Hoax)」は、メディアが経済的な利益のために意図的に嘘をつくという、悪しき前例を作っちゃったわけです。
イエロージャーナリズム:戦争を煽った新聞
19世紀末、アメリカでは新聞王たちが壮絶なバトルを繰り広げていました。ピューリッツァーの『ニューヨーク・ワールド』と、ハーストの『ニューヨーク・ジャーナル』。この2つの新聞が、とにかく売れるために何でもありの報道合戦をやったんです。これが「イエロージャーナリズム」と呼ばれるスタイル。〔5〕
彼らの手口がえげつない
衝撃的な見出し:「戦争だ!」「陰謀だ!」って、読者の感情を直撃する言葉を使いまくる
偽の専門家:実在しない専門家のコメントや、捏造インタビューを平気で載せる
大げさなイラスト:当時は写真技術がまだ発展途上だったので、想像で描いた恐怖を煽るイラストを多用
愛国心の悪用:「国のために」って大義名分を掲げて、冷静な判断を失わせる
これ、今のネットメディアやSNSでも見かけませんか?
米西戦争:メディアが世論を加速させた
1898年、キューバのハバナ港でアメリカの戦艦メイン号が爆発・沈没する事件が起きました。原因は当時不明だったのに、新聞は「スペインの仕業だ!」と怒りを煽りまくり。〔6〕
ただ、ここで誤解しちゃいけないのは、新聞だけで戦争が起きたわけじゃないってこと。外交問題や国内の政治的な思惑もあって、複合的な要因が重なっていたんです。でも、イエロージャーナリズムが開戦ムードを一気に加速させた「増幅装置」になったのは間違いありません。〔5-6〕
ちなみに、メイン号の爆発原因については、後年の再検証で「外部攻撃じゃなくて内部要因の可能性が高い」とする見方も出ています。〔7-8〕
この時代を象徴する逸話があります。ハーストが、イラストレーターに送ったとされる電報。
「君が絵を用意しろ、戦争は私が用意する」
これ、真偽不明の伝承として有名なんですが〔9〕、メディアの力がどれだけ強大だったかを物語るエピソードですよね。
国家が嘘をつくとき:もっと恐ろしい
民間の新聞社が嘘をつくのもヤバいですが、もっと怖いのは国家そのものが国民を騙すとき。20世紀に入ると、メディアは政府発表を無批判に垂れ流す「アクセスジャーナリズム」の罠にハマっていきます。
ベトナム戦争:トンキン湾事件の真相
1964年8月、アメリカのジョンソン政権は「北ベトナム軍がトンキン湾でアメリカ艦船を攻撃した」と発表しました。議会はこれを受けて、大統領に広範な軍事行動の権限を与えます(トンキン湾決議)。〔10〕
でも実は、ここには2つの別々の出来事が混ざってるんです。
8月2日:実際に艦船同士の衝突があった
8月4日:悪天候の中での誤認で、実際には攻撃がなかった可能性が高い〔11-12〕
でも当時、政府の説明は強い説得力を持っていて、メディアもそれを大きく報じました。結果、ベトナムへの軍事介入拡大に向けた「空気」が作られていったんです。〔10-12〕
イラク戦争:「大量破壊兵器」という幻
2003年のイラク戦争。アメリカ政府は「イラクが大量破壊兵器(WMD)を保有している」と主張して、侵攻を正当化しました。でも戦後の調査で、大規模なWMD備蓄は見つからなかったと整理されています。〔13-14〕
『ニューヨーク・タイムズ』紙などの報道姿勢も後に検証対象となり、同紙が報道上の問題を認めたことは象徴的に語られます。〔15〕
ここで注目したいのが、政府とメディアが作り出す「情報循環(エコーチェンバー)」の怖さ。

実際に、政府高官がテレビで大手紙の報道を引き合いに出して主張を補強した記録も残っています。〔16〕「事実」じゃなくて「事実らしく見える物語」が、こうやって強化されていくんですね。
日本の黒歴史:32年間放置された大誤報
こうしたメディアの問題は、海外だけの話じゃありません。日本にも、歴史を揺るがす大きな誤報事件がありました。
吉田証言:誤報が「事実」として定着するまで
朝日新聞による慰安婦問題に関する「吉田証言」報道。この事件は、一度報じられた誤情報が、どれだけ長期間にわたって影響を与え続けるかを示す教訓です。〔17-18〕

何が問題だったのか?
この事件が深刻なのは、単なる誤報じゃないからです。
国際的な影響:権威あるメディアが発した情報は、国内外で参照されやすく、後から訂正しても簡単には広まりません。国連報告書での言及もあり、国際的議論の文脈に組み込まれていったんです(ただし報告書は賛否両論に触れていて、「これだけで国際認識が固定化した」とは言い切れませんが)。〔19〕
メディア不信:疑義が出てから訂正まで長い時間がかかったことで、日本の大手メディア全体への信頼が揺らぎました。〔17-18〕
現代はもっと速い:偽情報が6倍速で拡散する時代
歴史を振り返ると、フェイクニュースには共通パターンがあります。
政治的・経済的な意図:権力闘争や金儲けが、嘘を生み出す
権威への依存:政府や専門家の発表を鵜呑みにして、検証を怠る
扇情主義:正確さより、人々の感情(怒り、恐怖)に訴える
そして現代。インターネットの世界では「アテンション・エコノミー(注目経済)」によって、この問題がさらに加速しています。クリック数や再生回数がメディアの収益に直結するから、過激で扇情的な情報が優先されやすいんです。
MITの研究(Twitterデータの分析)では、偽情報は真実のニュースより速く広く拡散しやすく、特定の到達指標では真実より約6倍速いという結果も出ています。〔20-21〕なぜなら、偽情報の方が人々の感情を強く刺激しやすいから。
歴史から学ぶ:情報リテラシーの第一歩
じゃあ、どうすればいいのか?
答えは、歴史に学ぶことです。古代ローマのプロパガンダ、イエロージャーナリズムの扇動、国家による情報操作。これらの手口は、形を変えて今も存在しています。
情報をただ受け取るだけじゃなく、一度立ち止まって考えてみる。
「誰が、何のために、この情報を流しているのか?」
この批判的な視点を持つこと。それが、情報リテラシーの第一歩であり、フェイクニュースに惑わされないための最強の武器なんです。
歴史上の偽情報の手口を知ることは、現代の偽情報に対する「ワクチン」のようなもの。過去を学べば、今日のネットで飛び交う情報の真偽も、少しずつ見抜けるようになっていくはずです。
参考文献・出典
プルタルコス『対比列伝 アントニウス伝』
https://penelope.uchicago.edu/Thayer/E/Roman/Texts/Plutarch/Lives/Antony*.htmlBritannica: Mark Antony
https://www.britannica.com/biography/Mark-Antony-Roman-triumvir/Alliance-with-CleopatraLibrary of Congress: The Great Moon Hoax
https://blogs.loc.gov/folklife/2014/08/the-great-moon-hoax/Library of Congress: Related Materials
https://www.loc.gov/pictures/item/2003665049/U.S. Department of State: Yellow Journalism
https://history.state.gov/milestones/1866-1898/yellow-journalismU.S. Department of State: Spanish-American War
https://history.state.gov/milestones/1866-1898/spanish-american-warU.S. Naval Institute: What Really Sank the Maine
https://www.usni.org/magazines/naval-history-magazine/1998/april/special-report-what-really-sank-maineU.S. Navy: Why Did the USS Maine Explode
https://usnhistory.navylive.dodlive.mil/Recent/Article-View/Article/3290776/why-did-the-uss-maine-explode/Quote Investigator: Furnish Pictures Quote
https://quoteinvestigator.com/2013/09/17/furnish-pictures/U.S. National Archives: Tonkin Gulf Resolution
https://www.archives.gov/milestone-documents/tonkin-gulf-resolutionNSA: Gulf of Tonkin Documents
https://www.nsa.gov/portals/75/documents/news-features/declassified-documents/gulf-of-tonkin/articles/release-1/rel1_skunks_bogies.pdfU.S. Navy: Tonkin Gulf Crisis
https://www.history.navy.mil/research/library/online-reading-room/title-list-alphabetically/t/tonkin-gulf-crisis/gulf-tonkin-1964-incidents.htmlDuelfer Report: Key Findings (National Security Archive)
https://nsarchive2.gwu.edu/NSAEBB/NSAEBB418/docs/11%20-%20Duelfer%20report%20-%20excerpted%20key%20findings%209-30-04.pdfDuelfer Report (Government Publishing Office)
https://www.govinfo.gov/content/pkg/GPO-DUELFERREPORT/pdf/GPO-DUELFERREPORT-1.pdfPBS: The New York Times WMD Coverage
https://www.pbs.org/newshour/show/the-new-york-times-wmd-coverageMeet the Press Transcript (September 8, 2002)
https://www.leadingtowar.com/PDFsources_claims_aluminum/2002_09_08_NBC.pdfJapan Times: Asahi Shimbun Admits Errors
https://www.japantimes.co.jp/news/2014/08/05/national/politics-diplomacy/asahi-shimbun-admits-errors-in-past-comfort-women-stories/Reuters: Japanese Daily Promises Reform
https://www.reuters.com/article/world/japanese-daily-promises-reform-after-comfort-women-coverage-rebuked-idUSKBN0K01OW/クマラスワミ報告書 (PDF)
https://www.awf.or.jp/pdf/h0004.pdfMIT News: False News Spreads Faster
https://news.mit.edu/2018/study-twitter-false-news-travels-faster-true-stories-0308MIT Sloan: Study on False News
https://mitsloan.mit.edu/ideas-made-to-matter/study-false-news-spreads-faster-truth
(NotebookLM, Chat-GPT 5.2 thinking, Claude sonnet 4.5にて作成しました)
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