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なぜ『公式な発信』の方が影響力を持つのか、考えてみました

「まさか、そんな仕組みがあったなんて」と、ニュースを見て驚いた経験はありませんか。私は普段、人の心の動きに向き合う仕事をしていますが、先日目にしたある調査報告には、専門的な視点からも見過ごせないものを感じました。中国の国営メディアや外交当局が、日本に対してどのような情報発信を行っているかを詳しく分析した報告書です。今日は、その内容をできるだけわかりやすくご紹介したいと思います。国際情勢と聞くと少し縁遠く感じるかもしれませんが、実は私たちの情報との付き合い方そのものに関わるテーマだと感じています。


見過ごせない変化、水面下から公然へ


株式会社Japan Nexus Intelligenceとオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が共同で行った調査によると、2025年、中国の国営メディアや外交当局のアカウントは、インド太平洋における日本の立場を弱めるような発信を強めていたことがわかりました。以前は、実態を隠した非公式なネットワークを通じたやり取りが中心だったのに対し、最近は大使館や国営メディアといった、国と関係の深い公式な窓口を使う場面が増えているそうです。

これは単なる手法の変化ではありません。公式な発信のほうが、より多くの人に届きやすく、正当なものとして受け取られやすいという特徴があります。加えて、非公式なネットワークは調査や削除対応によって信頼性が落ちてきているため、公然とした発信のほうが今の状況に合っているという事情もあるようです。

インド太平洋における中国の情報工作 ――日本を標的とした影響活動

具体的に何が起きていたのか


報告書には、いくつもの具体例が挙げられています。たとえば、高市早苗首相が台湾有事と日本の対応について発言した後、その信頼性を弱めることを狙ったとみられる動きがありました。11月19日には、中国の駐オーストラリア大使館が、日本と高市首相を批判する動画をX上に投稿しています。

また、2025年は第二次世界大戦終結80周年にあたる年で、これが発信の大きな軸になっていました。関連するキーワードへの言及は、1月から10月の間でおよそ78万件にのぼり、前年の同時期と比べて大きく増えていたそうです。ピークは9月の記念行事の前後でした。フィジーやフィリピンの中国大使館も、それぞれの国のメディアの記事を拡散しながら、日本の過去の歴史に触れつつ、現在の防衛協力を否定的に描く発信を行っていたといいます。

このほかにも、日本が参加した多国間の軍事演習や、他国との防衛協力について、国営メディアが「地域を不安定にしている」といった論調で報じた例も紹介されていました。

なぜ「公式な発信」は影響力を持ちやすいのか


ここからは、心理職としての視点を少しだけ添えさせてください。人は情報を受け取るとき、その発信元が「公式」であるか「権威があるか」を、内容の正しさを判断する一つの手がかりにする傾向があります。大使館や国営メディアという肩書きがつくだけで、内容を疑う手間を省いてしまいやすいのです。

さらに、歴史や国の誇りといった感情に触れるテーマは、冷静な検証よりも先に、感情的な反応を引き出しやすいという性質もあります。報告書が指摘するように、公式チャンネルを使った発信は、この「権威性」と「感情への訴えかけ」を同時に満たしやすいからこそ、広がりやすいのだと感じます。

私たちにできること


こうした話を聞くと、不安になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。ですが、大切なのは過度に恐れることではなく、「発信元」と「内容」を分けて見るという、シンプルな習慣を持つことだと思います。

強い言葉や感情を揺さぶる見出しに出会ったとき、一度立ち止まって「これは誰が、どんな目的で発信しているのだろう」と考えてみる。それだけでも、情報との距離の取り方は変わってきます。日々の診療や相談の場面でも、感情が強く動いているときほど、事実と解釈を分けて整理することが助けになる、という実感があります。

まとめ

  • 中国の対日発信は、非公式なネットワークから、大使館や国営メディアといった公式チャンネル中心へと変化してきている

  • 2025年は歴史的な節目と重なり、関連する発信量が大きく増加した

  • 公式な肩書きと感情に訴える内容が組み合わさることで、発信は広がりやすくなる

  • 大切なのは、発信元と内容を分けて、一呼吸置いて受け取る習慣を持つこと

世界のニュースは、時に難しく、遠いことのように感じられます。ですが、少し視点を変えるだけで、自分の日常にもつながる学びが見つかることがあります。今日の内容が、そんなきっかけの一つになれば嬉しいです。

以上が、今回お伝えしたかった内容です。どこか一つでも「なるほど」と思える点があれば幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。

#中国 #情報リテラシー #国際情勢 #心理師の視点 #ニュースの読み方

本記事は、株式会社Japan Nexus IntelligenceとASPI(オーストラリア戦略政策研究所)による調査報告書「インド太平洋における中国の情報工作――日本を標的とした影響活動」の内容をもとに構成しました。


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