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2025年、デジタル社会の「光と影」:AIと情報氾濫時代に求められる情報検証力


2025年は、日本のラジオ放送開始から100周年、通信自由化から40周年という節目の年であり、デジタル技術が「社会基盤」としての役割をますます拡大させている転換期です。しかし、このデジタル化の恩恵が広がる一方で、情報の健全性を脅かす深刻なリスクもまた拡大しています。

総務省の『情報通信白書2025』と、特定非営利活動法人ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)などが公表した『ファクトチェック白書2024』の内容を参照し、現代の情報環境の「光と影」を読み解き、私たちが身につけるべき「情報検証力」について考察します。

第1章:デジタル化の急速な深化とAIがもたらす新たな脅威

現代の社会経済活動において、デジタル技術は不可欠な基盤となり、その影響力は正負の両面で大きく拡大しています。

1.1. 浸透するデジタルライフ

日本のインターネット利用率(個人)は2024年時点で85.6%に達しており、「スマートフォン」を利用する割合(74.4%)は「パソコン」(46.8%)を大きく上回っています。特に10代から50代の世代では、平日・休日ともに「インターネット利用」の平均利用時間が「テレビ(リアルタイム)視聴」を超過しています。デジタル技術がこれほど生活に浸透する一方で、インターネット利用時に何らかの不安を感じている人は約7割に上り、中でも「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」を懸念する声が最も高くなっています(90.2%)。

1.2. AIと「Withフェイク2.0時代」の到来

デジタル社会の進展を象徴するのが、生成AIの急速な普及です。2023年度調査で9.1%だった日本の生成AI利用経験がある人の割合は、2024年度調査では26.7%へと大幅に拡大しました。

AI技術の進化は社会課題の解決に貢献する一方で、生成AIが悪用されることによる偽・誤情報の流通・拡散というリスクを増大させています。これは、AIによって誰もが安価かつ容易に偽情報を作成できるようになった「Withフェイク2.0時代」の到来を警告しています。総務省は、この問題に対応するため、生成AIに起因する偽・誤情報への技術的対策、特に画像・映像を対象とした判別技術の開発・実証を推進しています。

第2章:現代の「インフォデミック」とファクトチェックの役割

情報の氾濫は、デジタル技術の進化以前から人類の課題でした。『ファクトチェック白書2024』は、300年以上前の作家ジョナサン・スウィフトの警句「嘘は空を飛び、真実はかなり遅れて嘘を追いかける」を引用し、この問題の根深さを指摘しています。

2.1. インフォデミックという名の情報危機

インターネットとソーシャルメディアの普及により、真偽不明の情報が瞬時に世界中に拡散するようになりました。特に新型コロナウイルスのパンデミックは、ソーシャルメディアが人々と繋がった現代社会において初めて直面した世界規模の危機であり、誤情報や陰謀論が拡散する「インフォデミック」を引き起こしました。

このインフォデミックは現実世界に深刻な影響を及ぼし、例えばアメリカでは、感染症治療をめぐる偽情報(消毒剤の飲用推奨など)によって、約5800人が病院に搬送され、800人以上が死亡した事例が確認されています。また、日本国内でも、特定の地域や店舗に関する偽情報や、マスク不足の中で発生した「トイレットペーパー・ティッシュペーパー売り切れ騒動」などの風評被害が発生しました。

2.2. ファクトチェックの定義と活動

偽・誤情報問題に対処するための重要な手段の一つがファクトチェックです。ファクトチェックとは、すでに公表されて社会に広がっている情報や言説の真偽を、発信者とは無関係の外部の第三者が検証し、その結果を人々に周知する活動を指します。この活動は、偽・誤情報の拡散を防ぎ、民主主義社会における人々の健全な判断を支えることが期待されています。

日本では、FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所(INGJM)が共同で『ファクトチェック白書2024』を作成・公表しており、主要な選挙(2017年衆院選、2022年参院選など)や新型コロナのパンデミックに際して、ファクトチェックプロジェクトが実施されてきました。また、2022年10月には、日本ファクトチェックセンター(JFC)などの非営利組織も設立されています。

第3章:情報を信じる前に—個人のリテラシー強化が不可欠

政府や専門機関による偽・誤情報対策(例:プロバイダ責任制限法改正など)が進められる一方で、最も重要な防御策は、私たち一人ひとりの情報リテラシーの向上です。

3.1. 低い情報源確認意識

総務省が実施した国際調査(2024年度調査)によると、オンラインで流れる情報について、情報の発信源(組織や人物)を「ほぼ全てのニュースについて行う」または「よく行う」と回答した日本の割合は、わずか19.1%と、他国(米国、ドイツ、中国)と比べて低い結果となっています。

一方で、ファクトチェックという活動自体の認知度も、フェイクニュースの認知度と比較して低さが目立っています(2022年3月時点で「知っている」が46.5%)。情報の真偽を確かめる習慣が社会全体で十分に根付いているとは言い難い状況です。

3.2. デジタル時代の課題と「知的な防衛」

ファクトチェック活動自体は、個々の記事を検証する作業に労力がかかるという課題を抱えています。偽・誤情報に対抗し、社会の健全性を保つためには、公的機関による対策や専門家による検証だけでなく、市民側が「知的な防衛」を意識し、情報を健全に疑う習慣を身につけることが不可欠です。

情報の洪水の中で確かな判断を下すためには、情報の発信源を意識的に確認し、単なる感情的な否定ではなく、具体的かつ明確な根拠を示して虚偽を打ち消す姿勢が求められます。


結びに

デジタル技術の発展は、社会の生産性や利便性を飛躍的に高める「光」です。しかし、その陰で巧妙化する偽情報やAIの悪用といった「影」に対処できなければ、民主主義社会の合意形成は麻痺し、社会的な分断と混乱が進行するでしょう。

私たちが情報環境を健全に保つためには、行政によるデジタル基盤の整備と偽・誤情報対策、そして市民一人ひとりが「情報のリテラシーという名の羅針盤」を手に取り、事実に基づいた世界観を再構築する努力 が、これからのデジタル社会を生き抜くための最重要課題となります。


(本記事は、総務省『情報通信白書2025』および『ファクトチェック白書2024』に基づきNoteBookLMを利用して作成しました。)


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