「英語耳」は何歳までに作るべき?臨界期の最新研究
「英語は早く始めたほうがいい」と聞いたことがある方は多いと思います。
ただ、実際に「何歳までに始めるのが理想なのか」と聞かれると、はっきり答えるのは難しいかもしれません。
言語学には「臨界期仮説」と呼ばれる有名な考え方があります。これは、人間の脳には言語を自然に習得しやすい時期があり、その時期を過ぎると習得の仕方が変わってくる、という理論です。
2018年にMassachusetts Institute of Technologyが発表した大規模研究では、文法を母語話者に近いレベルで身につけやすい時期はおよそ10歳まで、さらにリスニングや発音に関しては6〜7歳頃が大きなポイントになることが示されました。
ここで注目したいのが、「英語耳」と呼ばれる力です。
英語耳とは、英語特有の音を正確に聞き分け、そのまま再現できる力のことです。
この力は、小学校低学年くらいまでにたくさん英語の音に触れておくことで育ちやすいとされています。
たとえば、日本語には「R」と「L」の明確な区別がありません。そのため、大人になってから「rice」と「lice」を聞き分けるのが難しいと感じる人が多くいます。
実は、生後6か月ごろまでの赤ちゃんは世界中の言語の音を聞き分ける力を持っています。しかし、1歳前後になると、日常的に使わない音への反応は少しずつ弱まっていきます。
つまり、聞き取れない音は、その後の発音にも影響しやすいということです。
逆にいえば、幼いうちに英語の音をたくさん聞いていれば、その音の型が自然に脳に蓄積されていきます。
ここで「もう遅いのでは」と感じる方もいるかもしれません。
でも、心配する必要はありません。
臨界期は「過ぎたら終わり」という壁ではなく、「吸収しやすい時期がある」という考え方です。始める時期が早いほど自然に入りやすいというだけで、その後でも十分に伸ばすことはできます。
実際、3歳から始めた子どもは発音面で非常に自然な伸び方をすることが多いですが、8歳から始めた場合でも、継続的に英語に触れていけばきれいな発音はしっかり育ちます。
違いが出るのは「できる・できない」ではなく、「身につくまでのスピード」です。
大切なのは、早く始めること以上に、始めたあとに継続することです。
毎日少しずつでも英語を聞く、話す、反応する。
この積み重ねが、耳を育てていきます。
そしてもう一つ、幼い時期ならではの大きな強みがあります。
小さな子どもは、「英語を勉強している」という意識をほとんど持っていません。先生と遊びながら、自然に言葉を受け取っています。
大人のように「間違えたらどうしよう」「発音が変だったら恥ずかしい」と考えないため、音をそのまま真似する力がとても高いのです。
この「ためらわずに口に出せること」は、実は非常に大きな学習力です。
「うちの子はもう7歳だけど間に合いますか?」と聞かれることがあります。
答えは、もちろん間に合います。
ただ、明日より今日のほうが、その子にとって自然に吸収しやすい時間が少し多く残っています。
英語は、始めたその日から少しずつ積み上がっていくものです。
年齢を気にしすぎるより、まずは日常の中で英語に触れる時間を作ることが大切です。
実際のレッスンでも、年齢ごとにどのような変化が出るのかはかなり違います。学び方や進み方について詳しく知りたい方は、教室で大切にしている考え方もぜひご覧ください
