【画像生成AI】 視線を誘導! Detailerで顔をきれいに描き直す方法
2025.12.14 追記
2025年11月19日に SAM3 モデルが公開され、Detailer の処理は SAM3 モデル単体でで完結できるようになりました。
今後 Detailer を使う際は、今回の記事で紹介している Florence-2 ではなく、 SAM3 モデル単体での利用をお勧めします。
はじめに
こんにちは、きまま / Easygoing です。
今日は、画像生成を行うときの必須の拡張機能、Detailer の使い方をご紹介します。
Detailer は部分的な高解像化
前回は、イラストを高解像度化する AI アップスケラー と Hires.fix について紹介しました。
Hires.fix は、イラスト全体を高解像度化して再描画する機能でしたが、今回紹介する Detailer は イラストの一部 を描き直す機能になります。

どこに視線を惹きつける?
あなたが次のイラストを見たとき、視線はどこに向かうでしょうか?

多くの人は、まずキャラクターを見ると思います。
次に、顔と目を見て存在感を感じるはずです。
私たちは、イラストの 全てを捉えようとするのではなく、要点を絞って 理解しています。
AI は完璧すぎる傾向がある
AI は、とても描き込みの多いイラストを出力することができます。
一方で、完璧すぎるイラストは 情報量が多く、どこに注目したら良いのか分かりにくくなってしまいます。
今回は、イラストの中の 大切な部分 に絞って、高解像度化で描き直す方法を見ていきます。
ワークフロー
今回は利用するワークフローはこちらです。


ノード解説
Florence-2:画像を認識する AI
SAM2(Segment Anything Model 2):領域を検出する AI
Image Matte:輪郭を調整するノード
Detailer (SEGS):再描画を行うノード
使用モデル
ベースモデル:noob_v_pencil-XL-v3.0.0
AI upscaler:IllustrationJaNai_V1_ESRGAN_135k
Florence-2:Florence-2-large-PromptGen v2.0(自動ダウンロード)
SAM2:sam2.1-hiera-large(自動ダウンロード)
まずは AI アップスケラー
まずは、オリジナルのイラストを AI アップスケラーを使って高解像度化します。


AI アップスケラーを通すことで、解像度の高いクリアーなイラストになりましたが、その反面 顔のパーツ と 瞳 が潰れてしまいました。
今回は、これに対して Detailer を使って修正を行っていきます。
Florence-2 で対象を認識する!
まずは、Florence-2 という AI モデルで、イラストの中の対象物を認識します。
Florence-2 モデルは、Microsoft が公開している画像とテキストの両方を理解できる AI モデル です。
ここでは、Florence-2 に human face を指示して顔を認識させてみます。


拡大してみると、キャラクターの顔が赤い四角で囲まれて正しく認識することができました。
Florence-2 は四角で認識する
Florence-2 は、四角形の画像で学習を行っているので、対象を 四角形で認識 します。
一方で、検出対象のキャラクターは、複雑な曲線 で領域が決まっています。
そこで、次は領域を検出するために別の AI モデルを利用します。
SAM2 は領域を検出する
領域を検出するのに使うのは、SAM2 (Segment Anything Model 2)という AI モデル です。
SAM2 は Meta社 が開発したモデルで、誰でも使えるオープンウェイトで公開されています。
SAM2 モデルの使い方

まず、先ほど Florence-2 で検出した位置情報を、data で出力します。
Florence2 Cordinate ノードは入力された情報から、検出した領域を bboxes、中央の座標を center_coordinates に出力します。
中央の座標には、通常は検出する対象が含まれているので、これを Sam2Segmentation ノードの coordinates_positive に接続すると、対象を認識してその領域を取ることができます。
SAM2 の領域はハッキリしている
SAM2 モデルで検出した領域は大まかな特徴は捉えているものの、境界がハッキリとした塗りつぶしになっています。

一方で、キャラクターの髪の部分などは、実際は濃淡が入り混じった複雑な境界になります。
Image Matting で境界を調節する
そこで、より正確に境界を検出するために、ComfyUI-Image-Filers の Image Matting ノードを利用します。
Image Matting ノードは、選択された領域ともとの画像を比較して境界を正確にトレースします。

Image Matting ノードの入力
images:元画像
trimap:SAM2 で検出した領域

Image Matting ノードを使うことで、境界を先ほどより正確に捉えることができました。
Detailer で描き直す
それでは、検出した領域を実際に Detailer を使って描き直します。

Mask to SEGS ノード
まず先ほど検出した領域を、Mask to Segs ノードに通して再描画する範囲を決めます。
Mask to Segs ノードには、次の設定値があります。
combined(通常 Flase)
すべての領域を 1 つに統合する
crop_factor
切り取り領域を広げて周囲に余裕を持たせる
例:crop_factor = 3.0 の場合、領域の縦横3倍の範囲を描き直す
drop_size
長辺が drop_size 以下の領域を描き直しの対象から除外
次に、この情報を Detailer (SEGS) ノードに渡します。

Detailer (SEGS) ノード
Detailer (SEGS) ノードには、次の設定があります。
guide_size
領域をこのサイズに拡大して描画
max_size
領域がこのサイズより大きい場合、縮小して処理
cycle
再描画の繰り返し回数
noise_mask_feather(0~100)
再描画の境界のぼかし量
境界を滑らかにし、再描画の違和感を軽減する
guide_size を モデルの推奨解像度 に設定することで、小さな対象も正確に描き直すことができます。
参考までに、筆者の設定値は次のとおりです。
combined: False
crop_factor: 1.2
drop_size: 100
guide_size: 1024
max_size: 1024
cycle: 1
noise_mask_feather: 20
実際のイラスト!
それでは、Detailer を使って実際に描き直したイラストがこちらです。


Detailer の処理によって、人物が浮き出して見えるようになり、顔と瞳がきれいに仕上がりました。
Hires.fix との比較
それでは、今回生成したイラストを、Tile を利用した Hires.fix と比較してみます。


Detailer は背景を手を抜き、その代わり キャラクターが浮き出て 見えるイラストになっています。

Detailer は描き直す対象を中央に捉えた構図のため、AI に迷いが少なくクリアーなイラスト に仕上がります。
一方で、全体の描き込みと調和 は Hires.fix が勝っています。
いずれも一長一短がありますが、どちらを使うかイラストの目的に応じて決めるのが良いでしょう。
ADetailer で一部の機能が使える
Stable Diffusion webUI(Forge, reForge, A1111)には、After Detailer という名前で今回紹介した機能の一部が実装されています。


After Detailer は、使用できるモデルが前世代の YOLO モデル に限られていて、検出する部位ごとに個別のモデルを準備する必要があります。
また、ComfyUI のように輪郭の調整も行うこともできないので、詳しく観察すると境界部分に質感の違いを感じることがあります。
詳細な画像処理を行う場合、ComfyUI の方が自由度が高いと言えるでしょう。
使用したカスタムノード
今回使用したカスタムノードと、ComfyUI Manager の検索画面は次の通りです。
ComfyUI-Impact-Pack

ComfyUI-Florence2

ComfyUI-segment-anything-2

ComfyUI-Image-Filers

まとめ:Detailer を使ってみよう!
Florence-2 で物体検知
SAM2 で領域を抽出
Image Matting で正確にトレース
AI イラストは、高解像度化するとキレイになりますが、AI 特有の完璧さが出てくるのが悩みでした。
今回紹介した Detailer を使うことで、イラストの 重要な部分を描き込んで、その他の部分を手を抜く 処理ができるようになりました。

AI イラストのクオリティーを上げ、自然な表現を追求する試みはこれからも続きます。
最後までお読みいただきありがとうございます!
モデル紹介
noob_v_pencil-XL-v2.0.1(2025.4.7 リリース)
今回利用したモデルは、2025.4.7 にリリースされた noob_v_pencil-XL-v2.0.1 モデルです。
noob_v_pencil-XL-v2.0.1 モデルは、鮮やかな色彩の NoobAI-XL v-pred をマージしながら、クオリティプロンプト・ネガティブプロンプトを無しに自然言語入力 で利用できるのが大きな特徴です。
簡単に使えるようになった v-pred モデルを是非一度お試しください!
参考:noob_v_pencil-XL-v2.0.1 の sampler の比較
v-pred モデルは sampler の選択がシビアですが、noob_v_pencil-XL-v2.0.1 の sampler を比較してみました。
検証によると、eueler, heun, heunpp2 が比較的色の変化が少なく使いやすい結果でした。
更新履歴
2026.4.25
Segmentation の日本語訳を 輪郭 から 領域 に変更しました。
2025.7.26
ComfyUI-Image-Filters の更新に伴い、ワークフローを更新しました
2025.5.1
ComfyUI のアップデートに伴いワークフローを更新しました
2025.4.21
ワークフローを更新しました
