見出し画像

【画像生成】 AI 最強の自動色補正! ComfyUI-SuperBeasts を使ってみよう

はじめに

こんにちは、きまま / Easygoing です。

今回は 画像生成 AI で生成したイラストの色補正について考えます。

金髪の女性キャラクターのアニメ風イラスト。明るい肌色と鮮やかな金髪が特徴で、AIによる自動色補正が施されている。
金髪のお姉さんシリーズ

sRGB と LAB 色空間

色補正を考える前に、まずは色空間について見てみます。

sRGB(standard RGB)色空間

パソコンやスマホのモニターは、色は Red(赤)、Green(緑)、Blue(青)の3つの原色を組み合わせて色を表現しています。

RGB色空間の3つのチャンネルを実際の色で表した図
  • Red(赤):0 ~ 255

  • Green(緑):0 ~ 255

  • Blue(青):0 ~ 255

0 ~ 255 は2進法で表すと 8bit になり、RGB の合計 24bit の色表現は、standard RGB もしくは True Color と呼ばれています。

sRGB はスマホやパソコンでの モニターの表示 を本位にした色の表現です。

LAB 色空間

これに対して、LAB 色空間は 1976年に国際照明委員会(CIE)によって 人間の知覚 を基準に定義されました。

LAB色空間は、以下の3つの成分で構成されています。

RGB色空間の3つのチャンネルを実際の色で表した図
  • L(明度):色の明るさ、0(黒)〜 100(白)

  • a(赤-緑軸):赤み(正の値)~ 緑み(負の値)、通常は -128 ~ +127

  • b(黄-青軸):黄み(正の値)~ 青み(負の値)、通常は -128 ~ +127

LAB 色空間は人の知覚を基準にしているため、同じ LAB 値であれば どのデバイスでも同じ色 を指しています。

画像生成AI で扱う PNG は sRGB 形式 ですが、これを LAB 形式に変換して調整を行い、完了後に再び sRGB に戻す ことで、人の知覚に沿った自然な色の調整を行うことができます。

PNG について

3種類の色調整を比較!

それでは、ここから3種類の色調整を比較してみます。

  • RGB 補正

  • LAB 補正

  • AI による自動補正

オリジナルのイラスト

今回補正するのは、SDXL のアニメモデルで生成した次のイラストです。

SDXLで生成した金髪の女性のアニメ風イラスト。全体的に青みがかった色調で、コントラストが低め。

このイラストは全体的に綺麗な色使いですが、全体がやや青みがかかっているのと、SDXL の従来型の e-prediction モデルなので コントラストが低めで白っぽく 感じます。

それでは、このイラストの色を補正してみます。

1.RGB 補正

SDXLの金髪女性イラストにRGB補正を施した画像。コントラストが向上し、服の黒が強調されているが、肌色がやや暗い。
ComfyUIのLayerColor: AutoAdjust V2ノードの設定画面。自動色調整のパラメータが表示されている。

まずは、ComfyUI-LayerStyle の LayerColor: AutoAdjust V2 ノード で RGB 補正を行ってみます。

RGB 補正を行うことでコントラストが上がり、服の黒が強調されて全体が締まった感じになりましたが、一方で 肌色のバランス が変わり、顔が元より暗くなってしまいました。

LAB 補正

SDXLの金髪女性イラストにLAB補正を施した画像。自然な肌色のバランスが保たれ、鮮やかな色調に調整されている。
ComfyUIのHDR Effectsノードの設定画面。LAB空間での色補正パラメータが表示されている。

次は、ComfyUI-SuperBeasts の HDR Effects ノード を使って LAB 空間で色補正を行ってみます。

先ほどの RGB 補正より強力な補正を行っていますが、LAB 色空間 のメリットで肌色のバランスが保たれていることが分かります。

AI による自動補正

SDXLの金髪女性イラストにAI自動色補正を施した画像。くすんだ青みが取り除かれ、血色の良い肌色に調整されている。
ComfyUIのSuper Pop Color Adjustmentノードの設定画面。AIによる自動色補正のパラメータが表示されている。

3つ目は、同じく ComfyUI-SuperBeasts の Super Pop Color Adjustment ノード で AI による自動補正を行ってみます。

AI は肌色の調整を最優先に行い、全体のくすんだ青みを取り除き キャラクターの血色の良いイラスト になりました。

AI の自動補正は便利!

スタンダードな RGB 補正 の場合、1枚ごとに手動で調整を行えば最適な調整ができますが、ComfyUI のワークフローに組み込んで自動調整を行うと バランスが大きく変わってしまう イラストもあり、あまり強く補正をすることができません。

一方で、AI による自動色補正は イラストに応じて最適な調整 をしてくれるので、ワークフロー内でも全自動で任せることができます。

金髪の女性がお洒落なバーで振り返るアニメ風イラスト。AI自動補正とLAB補正により、鮮やかで自然な色調に仕上げられている。

さらに、AI による補正で 全体を整えた後に LAB 補正 を行うと、自分の思い通りの色に表現に寄せることができます。

AI による自動補正 → LAB 補正のワークフロー

それでは、AI による自動補正 → LAB 補正のワークフローをご紹介します。

ComfyUIのワークフロー図。SDXLで生成したイラストをSuper POPでAI補正、HDR EffectsでLAB補正、HiDreamで再描画する処理フローを示す。
  1. SDXL のアニメモデルで原画を生成

  2. AI 自動補正 で肌色を調整

  3. LAB 補正でコントラストを上げる

  4. HiDream で再描画

実際のイラスト!

ここから、実際のイラストを確認してみます。

SDXL(オリジナル)

SDXLで生成した金髪女性のアニメ風イラスト。全体的にくすんだ青色調で、コントラストが低め。

まずは、SDXL のアニメモデルで生成したオリジナルのイラストです。

全体がややくすんだ青色の感じになっています。

Super POP による AI 自動補正

SDXLの金髪女性イラストにSuper POPでAI自動補正を施した画像。くすんだ青みが取り除かれ、肌の血色が向上。

AI による自動補正を行うとくすんだ青色が修正され、特に肌の血色が良くなりました。

HDR Effects による LAB 補正

SDXLの金髪女性イラストにHDR EffectsでLAB補正を施した画像。コントラストが向上し、暗い色が強調された締まった表現。

続いて、LAB 空間での色補正 を行います。

SDXL モデルは、コントラストの高い表現が苦手ですが、暗い色のレベルを落とす ことにより全体を締まった表現にしてみます。

また、全体の白っぽさを抑えることにより、画像生成 AI の拡散モデル特有のノイズ感も軽減することができます。

HiDream モデルで描き直し

SDXLの金髪女性イラストをHiDreamモデルで再描画した完成画像。高画質で自然な色調に仕上げられている。

最後に、高画質の HiDream-I1-Dev モデルで描き直しを行い、イラストを完成させます。

HiDream モデルは、クオリティの高いイラストを生成できる一方で、肌色の表現があまり良いとは言えないのですが、SDXL ベースの色調整したイラスト を使うことにより、HiDream モデルでも好みの色が表現できるようになりました。

そのほかの作例!

同じワークフローで生成したそのほかのイラストです。

ゴージャスな家

SDXLで生成した豪華な内装の部屋に立つ金髪女性のアニメ風イラスト。やや青みがかったオリジナル画像。
SDXL(オリジナル)
豪華な内装の部屋に立つ金髪女性のアニメ風イラスト。SuperBeastsで色補正し、HiDreamで再描画した鮮やかな完成画像。
SuperBeasts による補正 → HiDream 再描画

お洒落なバー

SDXLで生成したお洒落なバーに立つ金髪女性のアニメ風イラスト。青みがかったオリジナル画像。
お洒落なバーに立つ金髪女性のアニメ風イラスト。HiDreamで再描画し、腕の形状も修正された鮮やかな完成画像。
HiDream は色指定のプロンプト(この場合は 赤紫:burgandy)の効きが良い

夜のテーマパーク

SDXLで生成した夜の遊園地ではしゃぐ金髪女性のアニメ風イラスト。青みがかったオリジナル画像。
夜の遊園地ではしゃぐ金髪女性のアニメ風イラスト。SuperBeastsで色補正し、HiDreamで再描画した鮮やかな完成画像。
暗い背景も映える

ワークフロー

まず、今回利用した色調整部分ののワークフローはこちらです。

1.色の調整部分のワークフロー

ComfyUIの色調整ワークフロー図。Super POPでAI自動補正、HDR EffectsでLAB補正を行う処理フローを示す。

ワークフローのうち、GPU が利用できる環境では、SB Load Model の device を GPU に設定すると高速に処理を行うことができます。

2.SDXL → 色調整 → HiDream のワークフロー

さらに、SDXLの原画と HiDream の仕上げを追加して、今回のイラストの生成に使用したワークフローです。

ComfyUIのフルワークフロー図。SDXLで生成したイラストをSuper POPとHDR Effectsで色調整し、HiDreamで再描画する処理フローを示す。

使用モデル

HiDream モデルについて

AI アップスケールモデルについて

ワークフローで利用している 、AI アップスケールモデルの  IllustrationJaNai_V1_DAT2_190k は 商用利用不可 のモデルなので、商用イラストを生成するときは他のモデルを利用して下さい。

カスタムノード

今回利用したカスタムノードをご紹介します。

ComfyUI-LayerStyle

ComfyUIマネージャーの検索画面。『layerstyle』を検索し、インストール可能なカスタムノードが表示されている

ComfyUI-SuperBeasts

ComfyUIマネージャーの検索画面。『SuperBeasts』を検索し、インストール可能なカスタムノードが表示されている

まとめ:AI 自動色補正は便利!

  • AI の自動色補正は便利

  • LAB 補正は自然な仕上がり

  • HiDream は色のプロンプトの効きが良い

AI イラストは、色の表現が重要な要素を占めています。

色の調整は専門用語が多く難しいですが、ComfyUI-SuperBeasts に AI 自動色補正ノード が追加されたことで、初心者でも手軽に色の調整をできるようになりました。

お洒落なバーで厳しい表情でこちらを見つめる金髪女性のアニメ風イラスト。AI自動補正とLAB補正で鮮やかな色調に仕上げられている。

ComfyUI は拡張性が高く、素晴らしいカスタムノードが次々と公開されていくのでとても勉強になります。

これからも ComfyUI を通じて、オリジナルの表現の追求していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます!


記事紹介

2025.8.11 追記

つみき さんが、ComfyUI-Superbeasts の LAB補正 と AI 自動補正について、詳しく比較をされています。

暗いイラストと明るいイラストの両方で比較されていて、とても参考になります。


更新履歴

2025.9.13

内容を一部修正しました

2025.8.26

ワークフローの CLIP-SAE-ViT-L-14-FP32.safetensors のスペルミスを修正し再アップロードしました


English Article



いいなと思ったら応援しよう!