経済学論文シリーズ1|職業選択の仕組み⁉|賃金の分布とは|ROYモデル|パート1|SOME THOUGHTS ON THE DISTRIBUTION OF EARNINGS
こんにちは!
経済学とWEBアプリ開発を学ぶEITOです!
今回は職業選択の理論から賃金の分布について考える有名な論文
”SOME THOUGHTS ON THE DISTRIBUTION OF EARNINGS”
いわゆるROYモデルについてセクションごとに説明していきます!
Part I の概要
Roy はまず「個人の生産量(output)」が多数のランダムな影響(健康・体力・技術など)から決まると仮定しています。これらの影響はお互いに独立して作用すると近似でき、さらにその影響は 絶対的な効果ではなく割合的な効果 を持つと考えるのが妥当だと述べています。
(例:月収100万円の人と月収50万円の人が健康を10単位失ったら、一律10万円の月収減ではなく、それぞれ月収90万円、月収45万円となる、つまり10%の収入減と考えるほうが自然ということ)
対数正規分布の導入
この仮定を受け入れると、個人の生産量の対数は正規分布に従う(=生産量は対数正規分布になる)と結論づけられます。
ただしこれは、同一財を手作業で生産する場合や、ある特定の職業に均等な機会で従事する場合を想定した理論的な結果です。
実際との乖離と問題設定
現実には労働者は均等に職業に配置されるわけではなく、特定の職業に「選抜」される形で分布します。したがって、観察される所得や生産量の分布は単純な対数正規にはならない可能性があります。
Roy がこの論文で追求するのは次の点です:
職業選択の仕組み(どのように人が各職業へ分かれていくか)
それが 所得分布や生産性にどのような影響を与えるか
所得分布に関する主張
当時広く信じられていた「所得分布は歴史的偶然の産物で恣意的なものだ」という考え方に対し、Roy は異議を唱えます。
彼は「所得分布は人々の主観的評価や経営者の好みではなく、人間の能力と生産技術という客観的要因によって基礎的なパターンが決まる」と主張します。
したがって、報酬体系を恣意的に変えても基本パターンは変わらず、長期的には特定の職業の消滅などにつながる可能性があると警告しています。
✅ まとめると:
個人の生産量は多くのランダム要因により決まり、その結果対数正規分布に近い。
職業への選抜があるため、実際の分布は単純な対数正規にはならない。
所得分布は恣意的ではなく、能力と技術という客観的要因に規定される。
報酬の操作は表面的な歪みを生むに過ぎず、根本的な分布は変えられない。
次回はPART2について説明しようと思います!
時間のある時に続きも読んでみてください!
