遅刻問題を真面目に考えていたら、会社に住ませることになった
遅刻する人がいる。
何度も続く。
でも上司は、強く注意するのが苦手らしい。
私は思った。
じゃあ、人間関係で解決しようとしないで、仕組みで解決すればいいんじゃない?
注意するから角が立つ。
嫌われる。
言った言わないになる。
だったら最初からルールにしてしまえばいい。
私はかなり真面目に考えていた。
遅刻したら、ペナルティをつければいい
私「遅刻3回で欠勤1回にすれば?」
Gemini「労働法違反になる可能性が高いです」
たとえば、
遅刻3回で欠勤1回扱い。
給料にも影響する。
そうすれば、
「上司が怒る」
ではなく、
「ルールだから仕方ない」
になる。
誰も悪者にならない。
いいじゃん。
私はそう思った。
ところがGeminiに聞いてみると、
どうやらそんなに簡単な話ではないらしい。
労働法上、
好き勝手に罰則を作って給料を減らせるわけではない。
……そうなの?
私はただ、
遅刻したら困るよ、ということを仕組みにしたかっただけなのに。
法律が止めてきた。
じゃあ、フレックスにすればいい
私「じゃあフレックス!」
Gemini「運用を誤ると制度崩壊を加速させます」
だったら逆だ。
遅刻という概念そのものを弱くすればいい。
始業時間を固定するから遅刻になる。
なら、
フレックスタイムにすればいいのでは?
朝が苦手な人は遅く来る。
朝が得意な人は早く来る。
みんな好きな時間に働く。
平和。
自由。
解決。
と思った。
でも、これも話を聞いていくと、
そんなに単純ではなかった。
そもそも今回の問題は、
「時間に自由がないこと」
だけではない。
管理する側が注意できない。
ルールを守らなくても強く言われない。
その状態で自由度だけ上げても、
きちんと働いている人との負担差が広がる可能性がある。
あれ?
自由にしたら解決するんじゃないの?
しないらしい。
じゃあ、通勤をなくせばいい
私「もう会社に住めば?」
Gemini「構造的ディストピアになります」
私は遅刻をなくしたかっただけである。
ここで私は少し考えた。
そもそも、
なぜ遅刻するのだろう。
家を出るのが遅い。
移動に時間がかかる。
渋滞する。
寝坊する。
つまり、
会社に来るまでの工程が長すぎるのでは?
だったら、その工程をなくせばいい。
ここで私は、
かなり良い案を思いついた。
会社に住めばいい。
会社に住んでいれば、
通勤時間はゼロ。
渋滞もない。
電車の遅延もない。
家を出る時間を逆算する必要もない。
起きたら会社。
完璧では?
私は本気でそう思った。
しかし、またGeminiが壊しにきた。
仕事と生活の境界がなくなる。
心理的な逃げ場もなくなる。
職場の人間関係から離れる時間もなくなる。
労務管理も面倒になる。
いろいろ問題があるらしい。
……
気づいたら人間の生活まで壊しかけていた。
どうしてこうなった
ここまで来て、
ようやく変なことに気づいた。
私は最初からずっと、
上司が本人に注意しなくても済む方法
を探していた。
ルールなら言わなくていい。
制度なら言わなくていい。
環境を変えれば言わなくていい。
その結果、
罰則を作り、
勤務時間を変え、
最後には会社に住ませようとしていた。
全部、
「本人とちゃんと話す」
を避けるためだった。
いや。
私は避けていたつもりはない。
本当に仕組みで解決できると思っていた。
そのほうが合理的だと思った。
でも、
人間の問題には、
仕組みだけでは消せない部分があるらしい。
もちろん、仕組みがいらないわけではない。
ルールで処理できるものは、ルールにしたほうがいい。
柔軟にできる勤務制度があるなら、それを使えばいい。
ただ、それでも残る。
「なぜ遅刻しているのか」
「何に困っているのか」
「どこまでは守ってほしいのか」
そこだけは、制度が代わりに聞いてくれない。
結局、一番面倒な方法が残った
遅刻が続く。
周囲に負担が出る。
本人には事情があるかもしれない。
それでも仕事として守ってほしい線はある。
なら、
何が起きているのかを確認して、
必要なことを伝えて、
どうするか一緒に決める。
つまり、
話す。
普通。
ものすごく普通。
私はここまで、
法律を調べ、
制度を変え、
会社に住ませるところまで考えたのに、
最後に残った答えが、
「ちゃんと話してください」
だった。
そんな。
もっとこう、
文明っぽい解決策はないのか。
AIとか。
システムとか。
ものすごく賢いルールとか。
ないらしい。
人間関係の面倒くさいところだけは、
最後まで人間がやるしかない。
そして私は思った。
会社に住ませる前に、話せばよかった。
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