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誰が相続人になるのか、まず調べた

相続って、「そもそも、誰が相続人になるの?」という、とても基本的なことから考えてみます。
配偶者、子どもはもちろん、親はどうなるのか。兄弟姉妹は関係あるのか。
なんとなく知っているつもりでも、自分の家のこととして考えた瞬間に、急にあやふやになります。
今回は、相続の入口として、まず「相続人になる人」の基本を整理してみました。



相続の話を始める前に、誰が関係者なのかを知る

「家族みんなで分ける」のではないらしい

相続のイメージというと、「家族みんなで話し合って分ける」というものでした。
でもそれは、厳密には正確ではないようです。
法律上、相続できる人には「法定相続人」という決まりがあります。
家族であっても、この範囲に入っていない人は、法律上の相続人にはなれません。
たとえば、長年一緒に暮らしていた内縁の配偶者は、法定相続人にはなりません。
離婚した元配偶者も同様です。
配偶者の連れ子も、養子縁組をしていなければ相続人にはなれない。
「家族のような存在」と「法律上の相続人」は、必ずしも一致しないのです。

立場によって「相続人になる人」と「ならない人」がいる

法律上の相続人は、亡くなった人(被相続人)との続柄によって決まります。
そして、誰が相続人になるかは、順位によって変わってきます。
・同じ「家族」でも、子どもがいれば親は相続人にならない
・子どもも親もいなければ、兄弟姉妹に権利が移る
・家族構成によって、相続の関係者はがらりと変わる

自分の家にあてはめると見え方が変わる

制度として読んでいるうちは「そういうものか」と思うだけですが、自分の家に当てはめたとたん、急に現実感が出てきます。
私の場合は、後期高齢者の両親と姉妹3人という家族構成です。
父が亡くなったとき、誰が相続人になるのか、5人の家族が対象と考えていいのでしょうか。



相続人になる人には順番がある

相続人は「配偶者」と「それ以外」に大きく分かれ、「それ以外」には順位があります。

配偶者はいつも相続人になる

まず、亡くなった人の配偶者は、常に相続人になります(民法890条)。
他に誰がいても関係なく、配偶者は必ず相続人です。
ただし、ここでいう配偶者は法律婚の配偶者に限られます。内縁関係や事実婚のパートナーは、どれだけ長く一緒にいても、法定相続人にはなれません。

子どもがいる場合はどうなるのか

配偶者以外では、まず子どもが「第1順位」の相続人になります(民法887条)。
子どもが複数いれば、全員が相続人です。実子だけでなく、養子縁組をした養子も同じく相続人になります。
また、婚姻関係のない男女の間に生まれた子でも、父親が認知していれば相続人になります。
一方、配偶者の連れ子は、養子縁組をしていない限り相続人にはなりません。
第1順位の子どもがいる場合、第2順位以降の親や兄弟姉妹は、たとえ存命でも相続人にはなりません。

子どもがいないときは、親や兄弟姉妹が関係してくる

子どもがいない場合、次に相続人になるのは「第2順位」の直系尊属、つまり父母や祖父母です(民法889条)。
父母が両方いれば2人とも相続人になります。父母がすでに亡くなっていれば、祖父母に権利が移ります。
第2順位の直系尊属もいない場合、はじめて「第3順位」の兄弟姉妹が相続人になります。
私の家族の場合、父の相続人になるのは母と私たち姉妹。父に兄弟はいますが、相続人にはなりません。



ここで押さえておきたいのが「代襲(だいしゅう)相続」という考え方です。
たとえば、第1順位の子どもが親より先に亡くなっていた場合、その子ども、つまり孫が代わりに相続人になります。
第1順位の代襲相続は孫、ひ孫と何代でも続きます。
兄弟姉妹の場合は、甥・姪まで1代限りです。

我が家を例にあげると、私は子どもがいません。
もし私が父より先に亡くなった場合、私には子どもがいないため、代わりに相続人になる人もいません。
父の相続人は、母・妹2人の 計3人になります。

一方、妹には子どもが2人います。もし妹が父より先に亡くなった場合は、妹の子ども2人が代わりに相続人となります。これが代襲相続です。
同じ「子どもが先に亡くなっているケース」でも、その子どもに子どもがいるかどうかで、相続人の顔ぶれはまったく変わってくるのです。



「うちは誰が相続人か」を考えるだけでも、整理が進む

家族構成によって話はかなり変わる

私の家の場合、父が亡くなったときの相続人を整理すると、

  • 配偶者である母(常に相続人)

  • 子どもである私たち姉妹3人(第1順位)

この4人が法定相続人になります。父の親はすでに他界しているので第2順位は関係ありません。

これを書き出してみるだけで、「相続の話し合いをするべき人は4人」ということが見えてきました。漠然と「家族」とまとめていても、相続の話になると、対象者は各家庭でだいぶ異なってくるのではないでしょうか。
ただし、実際に法定相続人を確定するためには、戸籍の確認が必要になります。
思わぬ関係者が存在する場合もあるため、手続きを進める際には被相続人の出生から死亡までの戸籍をたどることが求められます。

早めに知っておくと、あとで慌てにくい

親の認知症の進行によって判断能力が失われる前に、こうした基本を把握しておくことが大切です。
相続の話を始めようとしたとき、誰が当事者なのかが分かっていないと、話し合いのスタートラインにも立てません。
「誰と話すべきか」を知るためにも、まず相続人の範囲を理解しておくことが、最初の一歩になるかと思います。

相続は感情の話でもあるからこそ、基本を知っておきたい

法律の話は、感情とは切り離されたものに見えます。でも実際には、「誰が相続人か」という問いは、家族関係のあり方にも直結しています。
誰が正式に相続人であるかを知ることは、感情的な対話を始める前に知っておきたい最低限の共通認識です。
特に、親が自分の相続について話そうとしない場合、子どもの側が制度を理解しておくことが、いざというときの準備になります。



まずは制度を知ることが、不安を小さくする一歩

全部分からなくても、入口が見えると少し落ち着く

「誰が相続人か」という基本を整理しただけでも、頭の中がだいぶすっきりしました。
全部を一度に分かる必要はない。
まず「誰と話すべきか」が見えれば、次に考えるべきことが自然と見えてきます。
不安の多くは「何が分からないか分からない」状態から来るので、入口だけでも見えると、少し気持ちが楽になります。

どのくらいの割合で分けるのか「法定相続分」

相続人が誰かは分かりました。
次は「じゃあ、それぞれがどのくらいの割合で受け取ることになるのか」です。
同じ「子ども」でも、人数が変われば一人あたりの取り分は変わります。配偶者と子どもが一緒に相続する場合と、子どもだけの場合でも、割合は変わります。
法律はそれを「法定相続分」という形で定めています。


相続は難しそうに見えますが、最初の一歩は「誰が相続人になるのか」を知ることです。
ここが見えるだけでも、頭の中が少し整理されます。
次回は、「法定相続分を調べて、家族の関係は意外と複雑だと思った」というテーマで、相続の割合について書いてみます。

■ 参考リンク
・法定相続人の範囲と法定相続分(国税庁)

・法定相続情報証明制度(法務局)


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