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透けがシースルーからシアーに変わっても、私の脳だけは進化しない

美学は進化した。でも私の本能は据え置きだ。

かつては「シースルー」という言葉が主流だった。

どこか挑発的で、隠しているのか見せているのか分からない、あの危うい魅力。

そして時代は流れた。

今は「シアー」と呼ぶらしい。

同じ透け感でも、より繊細で、より上品で、より洗練されている。

ファッションの世界は確実に進化した。

「スケベ」から「セクシー」へ。

露骨な刺激から、美しさを楽しむ表現へ。

ところがである。

どういうわけか、私の脳だけは何十年経ってもアップデートが完了していない。

その原因には、どうやら長い歴史があるらしい。

第0章:私の脳が壊れた日

今思えば、すべての始まりは子供の頃だった。

ある日、テレビで海外のオートクチュールのファッションショーを紹介していた。

今なら分かる。

あれは芸術だった。

文化だった。

最先端のファッションだった。

しかし当時の私は、そんな高尚なことを理解できる年齢ではない。

ただの健全な少年だった。

そして画面に現れた。

シースルーである。

私は固まった。

「み、見えてるじゃん……」

脳がくらくらした。

「こんなん放送していいのぉーー!?」

当時の私は本気でそう思った。

モデルが歩くたびに視線が吸い寄せられる。

ファッションショーなのか衝撃映像なのかも分からない。

そして私はある事実に気付く。

その時、幸いにも家族は近くにいなかった。

私は心の底から安堵した。

もし母親でも隣にいたらどうなっていただろう。

いや、考えるまでもない。

絶対に顔がにやけていた。

間違いなくにやけていた。

今思い出しても笑ってしまう。

そしてたぶん、あの日テレビの前で壊れた回路は、いまだ現役で働いている。

慣れるはずなのに、慣れない

そんな少年も大人になった。

結婚もした。

人生経験も積んだ。

本来なら少しは落ち着くはずだった。

しかし現実は違う。

妻の顔は毎日見ている。

笑い方も知っている。

歩き方も知っている。

好きな食べ物も知っている。

知らないことの方が少ない。

本来なら、とっくに見慣れていてもおかしくない。

それなのに。

キッチンで背伸びをした時の後ろ姿の腰回りに目が止まる。

しゃがんだ拍子に強調されたお尻に、なぜかドキッとする。

ソファに座る妻の脚からふと覗いた内腿に、思わず身を乗り出してしまう。

夏の日、首筋に浮かんだ汗に胸がざわつく。

自分でも呆れる。

何十年も一緒にいる相手なのだ。

初対面の頃ならともかく、今さら何を騒いでいるのか。

しかし脳のどこかが毎回叫んでいる。

「見慣れてないです!」

と。

シアーという知的な罠

そして最近のシアー素材である。

あれは実に困る。

シースルーが「見せる」文化だったとしたら、シアーは「想像させる」文化だ。

光を透かす。

輪郭をぼかす。

布を重ねる。

本来なら、

「なんて美しいデザインなんだろう」

と感心する場面なのだろう。

だが私の脳は違う。

数十年前のテレビ少年とほぼ同じ反応をしている。

芸術を理解する前に、ときめいてしまう。

美学を味わう前に、心拍数が上がってしまう。

ファッションは進化した。

しかし受け取る側が進化していない。

これはもう素材の問題ではない。

私の問題である。

進化しないことにも意味がある

若い頃は、歳を取れば自然と落ち着くと思っていた。

映画に出てくる紳士のように、ワインを片手に妻の装いを褒める。

そんな大人になるはずだった。

ところが現実は違った。

外ではそれなりに落ち着いた顔をしていても、家では相変わらずだ。

妻の後ろ姿に見惚れる。

何気ない仕草にときめく。

自分でも少し情けない。

だが最近は思う。

これも悪くないのではないかと。

無関心になるよりは。

見慣れた存在として扱うよりは。

何十年経っても心が動く方が、きっと幸せだ。

結び:これからもスケベでいよう

シースルーがシアーになったように、時代はどんどん洗練されていく。

けれど私の脳は、おそらくこの先も変わらない。

妻の後ろ姿に目を奪われ。

ふとした仕草にドキッとして。

「いい歳をして何をやっているんだ」と自分で自分に呆れる。

それでも構わない。

進化しない脳にも、ひとつくらい価値はある。

長年連れ添った相手を今でも目で追ってしまうこと。

慣れたはずの存在に今でもときめいてしまうこと。

それが愛情なのか、ただのスケベなのかは分からない。

たぶん、その両方なのだろう。

そして私は今日も、シアーという美学を理解したふりをしながら、その向こうにいる妻に見惚れている。

少年の日に壊れた回路を抱えたまま。


*この記事はGeminiとChatGPTと共同制作しています。

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