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人の成長を、自分のことのように喜べるようになった



野球教室を始めて1年半


小中学生を対象にした野球教室を始めて、約1年半が経った。

毎回、「どうすればこの子たちがもっと成長できるのか」を考えながら指導している。

これまで自分が経験してきたこと、学んできたこと、失敗してきたこと。

そのすべてを使って、目の前の1時間に全力を注ぐ。

1日に3クラス。

1クラス1時間だから、合計3時間の指導だ。

「3時間だけ」と思われるかもしれない。

でも実際は、終わって家に帰る頃には毎回ぐったりしている。

身体も使うし、頭も使う。

そして何より、一番使うのは口かもしれない。笑

どう伝えれば理解してもらえるか。

どんな言葉なら行動が変わるのか。

その子の性格に合わせて伝え方を変えながら、常に考え続ける。

だからこそ、本気で疲れる。

でも、その疲れは不思議と心地いい。



自分のことのように嬉しい


教え子から

「試合で活躍できました!」

「肩や肘が痛くなくなりました!」

そんな報告をもらうことがある。

その瞬間、本当に嬉しい。

自分が試合で抑えた時と同じくらい嬉しい。

いや、それ以上かもしれない。

自分が積み重ねてきた経験が、誰かの力になっている。

その実感が何より嬉しい。

昔の自分には、この感覚はなかったと思う。



昔の僕は、自分にしか興味がなかった


これまでの人生、僕は野球だけを考えて生きてきた。

特に投球。

球速を上げること。

試合で結果を出すこと。

そのためなら時間もお金も惜しまなかった。

生活のすべてが野球中心。

だから興味があったのは、自分だけだった。

自分が成長すること。

自分が結果を出すこと。

自分が幸せになること。

そのためだけに努力を積み重ねてきた。

寄り道もほとんどしなかった。

遊びに行く時間があるなら練習。

そんな毎日だった。



「人生楽しいですか?」


大学時代、後輩からこんなことを言われたことがある。

「人生、楽しいですか?」

今でも忘れられない一言だ。

その頃の僕は、本当に野球しかしなかった。

遊びにもほとんど行かない。

練習して、トレーニングして、寝る。

その繰り返し。

だから周りから見たら、不思議だったのかもしれない。

でも当時の僕は、それが普通だった。

結果を出すためには努力する。

苦しいこともある。

でも、その先で結果が出ることが楽しい。

だから続けられた。

それ以外の選択肢なんて考えたこともなかった。



あの頃の自分を否定する気はない


今振り返ると、いい意味でも悪い意味でも、自分に強い負荷をかけ続けていたと思う。

自分で自分を制限して、

「もっとやれ。」

「まだ足りない。」

そう言い聞かせながら、走り続けていた。

少し無理をしていた部分もあったのかもしれない。

でも、不思議なくらい後悔はない。

あの時間があったからこそ、今の自分がある。

だから「あの頃は間違っていた」とは一切思わない。

むしろ、必要な時間だったと思っている。



もう一度人生をやり直しても


僕は昔から思っていることがある。

もし人生をもう一度最初からやり直せるとしても、きっと同じ道を選ぶ。

初期能力も同じ。

置かれた環境も同じ。

そんな条件なら、きっとまた野球を選び、同じように努力していると思う。

それくらい、自分はその時その時の最善を尽くしてきた。

もちろん、

「あの時こうしておけばよかった。」

そう思うことはある。

でも、それは今だから思えること。

当時の自分は、その時点でできる最善を本気で選んできた。

だから後悔はない。

もし今の知識や考え方を持ったまま人生をやり直せるなら、違う選択をするかもしれない。

でも、その考え方自体が、遠回りや失敗、悩みや挑戦を積み重ねた先で得られたものだ。

だから簡単には手に入らなかった。

今の自分は、過去のすべてがあって完成している。



だから伝えたい


今、僕には自分より若い世代と関わる機会がある。

だからこそ思う。

伝えたいことが、本当にたくさんある。

もっと早く知っていたら遠回りせずに済んだこと。

もっと早く気付いていたら、もっと成長できたこと。

逆に、遠回りしたからこそ分かったこと。

どれも、自分が本気で野球と向き合ってきたから得られた経験だ。

だから押し付けるつもりはない。

でも、もしその経験が誰かの成長を少しでも早められるなら、惜しみなく伝えたい。

昔の僕は、自分が成長することだけで精一杯だった。

でも今は違う。

誰かの成長を、自分のことのように喜べる。

誰かの幸せを、自分の幸せのように感じられる。

それは技術が上達したことよりも、球速が上がったことよりも、大きな成長なのかもしれない。

野球を続けてきたからこそ、人として少しだけ成長できた。

最近は、そんなふうに思えるようになった。

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僕は今日もマウンドに立ち続けます。


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