ヨルシカの『二人称』を聴いてみた(4000字ごめん長い編)
はじめに
ヨルシカが三年ぶりにアルバム作品出したね
せっかくなので今日のうちにしっかり聴こうと選んだ
『夏草が邪魔をする』が2017年で中学生の時か
なんだかんだたまーに聴くくらいで最近はしっかり聴けてなかったな
今作は人気タイアップ曲も多く入ってるしその辺が上手くなじむかとかも楽しみに聴いていく。
早朝、郵便受け
ギターを取り出し、サウンドチェック
他の楽器たちも混ざってくる
雲になる
唐突に始まる7拍子!!
7拍子はシンコペーションの波がずれないというのが魅力。
8拍子だと小節ごとに終わりが来ちゃう感じする
パーカスもいい味出してる。
花も騒めく
ゆったりとした曲だけどサビでギター2本とトランペットがそれぞれリフ弾くから情報量は多いな。その分メロディーの動きは歌謡チックに滑らかだから聴きやすい。トランペットは寺久保さんかな?
ちなみに「白妙の」は和歌の枕詞で袖などの衣類や、雲、雪、波などの白いものの美しさを語るときに使われる。
ギターソロ浮雲さんみたいにカントリーチックフレーズ有り。
おもろいとこで終わる。予想ではフェードかギターソロ16小節かと思ったら盛り上がってきたとこでため息。
魔性
前曲がBPM80くらいで揺られる感じだったのに120くらいになってファンキーだから急に持ってった感じする。寺久保さん大活躍だ。。
ベースラインがお洒落でメロディアス、
歌詞で気になったところを考察タイム
まず、
唐紅に水くくれ
この私をお前のようにくくれ
前半は百人一首からの本歌取りである。
17番在原業平朝臣の句
「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」
くくる、とは括るの字を書いて独り占めするという意味
紅葉が川を覆い、赤く染めるという事
夏が去ったと冒頭である通り、季節は秋なのでぴったりな引用だ。
次にこの歌詞、
鬼才と、奇を衒うだけのお前を見間違える
魔性と、澄み渡った夕暮れはやけに似てる
オマージュと、文脈のない引用を見間違える
向日葵と、振り向いているあなたを見間違える
ただ暮れないあなたであれ
鬼才>奇を衒うお前
オマージュ>文脈ない引用
一般的にこの不等号で評価される
そこでこの歌詞を見よう
ゴミ溜めもロータリーも染めろ(二番)
その自愛も不埒も全部染めろ (三番)
赤色、魔性のように
ゴミ溜めと不埒がマイナス表現
ロータリーと慈愛がプラス表現だ
*ロータリーは道路の種類でもあるが、良い社会を作るための世界的集団ロータリークラブを指すこともある。(ロータリーについて | Rotary International)

このようにマイナスもプラスも赤く染めてくれる
魔性(夕焼け)をこの曲では歌っているのだろう
そして夕日(太陽)の光の方向が歌詞が進むにつれ変わっていく
バックライト→ピンスポット→アッパーライト
これは太陽が昇って沈んでいくことを表す。
そう、太陽は夜になると赤く染めることを辞め、日は暮れてしまうのだ。
だが、「ただ暮れない(紅)あなたであれ」とこの曲は歌う。
ここからは僕の妄想補完が入るが、”魔性”は暮れない、太陽の上位互換のようなものだ。しっかり人間を惑わし、世界を赤く染め続けてくれる。
”私”は世界全てを惑わせ、良いものと悪いものを見間違えるほどの光を求めている。でも、それに対する抵抗心もある。
”魔性”はすべてを平等にならしてしまうが、それは公平ではない。
現在プラスとされるものからすれば損である。
これが現時点で僕が考えたことだ、
プレイシック
ローファイでゆったりとしたビートで散歩しているかのような楽曲。
メロディがめっちゃ好き。
この歌詞では”間”という言葉が重視されている
晴れの合間、人と人の隙間、日々と日々の隙間
歌い出しでは悩んでた主人公が歌い終わりでは仮病とまで言っている。
ちょっとした”間”をくぐり抜けて生きていこうというメッセージだ。
タイトルのプレイシックは”病気をやってみよう"というニュアンス。
うん、それくらいの気持ちの持ちようなら嫌な現状が変わらなくたってやってける気がするよね
ポスト春
プレイシックと主題は近い気がする。
歌詞は強い言葉が多く使われているが、曲調は穏やかで優しい。
ボーカルに関しては欠伸までしてる笑
どこか諦めがあることで世間に嫌気が差しつつも生きていけるのだろう。
太陽
この曲には二人称が一度も登場しない。
描かれるのは美しい風景ばかり、
汚い醜い部分を知らない
これは”太陽”だからだろう
晴る
フリーレンのタイアップだったよね
ここでの二人称は貴方。
この曲は太陽の良い面が歌われる。
これまでの曲の考察を踏まえると深みが違うよね
びびる、タイアップを挟んで世界観が壊れない
すげーな
忘れてください
この曲はこの曲でしっかり完成されてると思います。
まあタイアップだしね。
この曲について書きだしちゃうとアルバム全体に対してノイズになると思ったので外します。ちょっと過剰気味かなとも思ったけどいい記事あったんで貼っときます。
修羅
この曲ベースが好きすぎね
隙間のあるスラップが良い
シングル曲なので歌詞にはあまり言及しませんが
世界を受け入れる姿勢はアルバム他曲とも通ずるところがある。
火星人
この曲のMV可愛いよね
シングル曲なので内容を端的に言えば
孤独を感じる人が毒を吐きつつも、認めてくれる人を求める
という内容。
ルバート
火星人とリズムが似ていておもしろい。
この曲のトランペットソロすき
言っている内容も近いところがある
創作表現をする上で求める自由。
火葬
こんな曲もできんねや、(フットボール後藤)
ラテン的なリズムとギターリフ。
一番好きかも。
創作していくうえで周りとの価値観の合わなさを歌う点は火星人、ルバートと共通している。ただ主導権がかなり「私」寄り、今までは周りの人や世間に対する承認の欲しさが出ていたけどこの曲は達観してそれが見られない。
アポリア
あー、流れが上手っすねー
さっきの歌詞の
「私の創造にある 私の信仰の無さ」
を受けて『チ。』で使われたアポリアか。
へび
引き続き『チ。』シリーズ。
うめき
ピアノがおもろい、3音の繰り返しが印象的。
歌詞はさっきの『火葬』と対になる点が多い
言葉で私を話しても、私ではないから
私が空っぽになってしまったのですか
(省略)
私は幽霊になってしまったのですか
まず前半の歌詞は『火葬』の言い換えである。
しかし、この曲では進展がある。
言葉で桜を描いても桜ではないのに
私の心は動いてしまったのですか
あなたは私を描いてしまったのですか
”あなた”という存在による言葉が私の心を動かした。
”あなた”が私を言葉で話したとしても、それは勿論私ではない。
それでも動くものがあった。
悪い言い方をすれば妥協、でも私は希望が持てました。
啄木鳥
唐突なギターバラッドだー
歌詞にこのアルバムの今までの曲の要素がすべて入っていて総括のように見えました。今までの曲すべては作詞者であるn-bunaの自己表現に対して感じていることを少しずつ切り取って詞にしている。この曲では彼が書いている様子が浮かんだ。
この部分がこの曲のこことかいうのは野暮なので無しで
あとめんどい
ヒッチコック(Re-Recording)
へー録り直したんだー
ギターの音色結構変えたね
歌もちょっと雰囲気ちゃう
月光浴
やっぱりそんな気がしてた。
ヒッチコックを挟んである程度関連性が切れたね
ごめんマジで抽象的でわかんなかった
千鳥
ファンキーやん
二拍目にあたる言葉を引っ張って歌ってるからハネのリズムが強調されてる。サビの「ん」で引っ掛ける感じね
言いたいことはプレイシックと同様
千鳥足の私 不確かに
今日も回り道
多分私は生きている
(省略)
ただ私は酔いに酔った振り
ほらこんな感じ~
櫂
歌詞の方向性をジャンル分けするとしたら
「火葬」と「うめき」の中間くらいの感情
『火葬』は私への理解を諦観している。
『うめき』は理解されずとも希望を見出す。
『櫂』は理解されることを求めてる最中。
あまりファンがやらないだろうメタをしとくと
私の怒り→錨→じゃあ櫂を対にしたらお洒落じゃねみたいな思いつき順だと思う笑
後半の「海を呑み干す千の鳥となれ」
この歌詞上手いね
『太陽』で「海原を千も飲み干していく」という歌詞があった。
ここでこのアルバムにおける『太陽』の立ち位置を考えよう。
二人称が登場しなく、太陽の良い面だけを描く楽観の象徴だ。
この楽観を分かりやすく薦めるような曲が二曲。
『プレイシック』『千鳥』だ。
「千の鳥になれ」ともかかってくる。
歌詞がある曲はここで終わり。
海へ
この曲たちが海へ放たれる
誰かののポストに届きますように
このポストも届きますように(黙れよ
まとめ
つまり、すんごーーく簡単にまとめてしまえば
このアルバム『二人称』の主題っていうのは
他人に理解されようとする苦悩とか世間の評価に対する葛藤とかあるけれども、全部受け入れて生きていこうよ
という諦観も混じった希望という風に僕は捉えました。
おわりに
うーわだいぶ書いたな
これでも後半サボりだしたのに、、
ヨルシカは音楽の表現方法の幅はあれどもどれも結局一つの思想の派生というか、真ん中にどしんとした芯が通ってるからタイアップを多く混ぜてもアルバムとしても一貫性があると思った。かっこいいね
ちょっと今日洋楽編無理だこりゃ
ぽやしみ
