ネームドはいつ付けるべきか──「珍しい」だけでは名前を付けない理由
◎導入
最近、交配から少し面白い個体が出てきました。

いわゆるラメとも違う、面で滲むような出方です。
見た瞬間の印象としては、
名前を付けてもいいのではないかと思える個体でした。
ただ今回は、あえて
名前を付けないという選択をしています。
◎acu’s forestの前提
acu’s forestでは、植物を見た目だけで評価しません。
その表現が
* どのような構造で現れているのか
* 次世代にどう繋がるのか
* 再現できるのか
ここまで含めて、はじめて価値として捉えています。
◎「珍しい」だけで名前は付くのか
市場では、
* 珍しい個体
* 見た目が強い個体
に対して、比較的早い段階で名前が付けられることがあります。(特に商業的側面)
それ自体を否定するつもりはありません。
ただ、その判断の中に
「その表現は残るのか」
という視点がどこまで含まれているかは、気になる部分でもあります。
◎ネームドには2種類ある
ここで前提として整理しておきたいことがあります。
僕の中では、ネームドには二つの意味があります。
① 表現としてのネームド
* その特徴が再現される
* 複数個体で同じ方向性が出る
* 系統として成立している
いわゆる「園芸品種として完成された名前」です。
② 起点としてのネームド
もう一つは、今後の育種の軸になる個体に対して付ける名前です。
この場合は、
* 再現性はまだ確定していない
* ただし明確なポテンシャルがある
* 今後の交配の中心になる
という意味で名前を付けています。
つまり、名前は、
結果に付けるものと、意志に付けるものがある
という整理になります。
◎今回の個体の位置
では今回の個体はどうかというと
* 面白い表現はある
* 新しい方向性も感じる
ただ現時点では、
* 出現率は数%
* 発現は不安定
* 遺伝も未確定
* 起点として使う確信もまだない
この状態は、
現象としては面白いが、意味が定義されていない段階
だと考えています。
◎判断
そのため今回は、
* 表現としてのネームドでもない
* 起点としてのネームドでもない
* どちらにも当てはまらないため、名前を付けていません。
◎今やっていること
現在は、
* 個体として残す
* 系統として追跡する
* 次世代で再現を確認する
という段階にあります。
◎まとめ
名前は、ただのラベルではありません。
その裏には、
* 再現性(結果)
* 意志(方向性)
* 時間
が乗っているべきものだと考えています。
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見た瞬間の「良い」は重要です。
ただ、その先にある
「その感覚は、繰り返し現れるものか」
ここまで考えることが、育種の面白さだと感じています。
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ここから先は有料部分です
ここまでが、ネームドを付けるかどうかの考え方です。
ただ実際には、
* 出現率がどの程度なら意味があるのか
* どの交配で検定すればいいのか
* 再現と偶然をどう切り分けるのか
この判断ができなければ、結局は感覚の話で終わってしまいます。
ここから先では、実際に使っている判断基準と進め方をまとめます。
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