「売らない」のではなく、「安心して届けられる時期を待つ」という選択。
毎年この時期になると、
「夏は販売しないんですか?」
「発送はいつ再開しますか?」
というご質問をいただきます。
結論から言うと、「35℃を超えるような真夏や、5℃を下回るような真冬を目安に」、原則として輸送を伴う一点物のAnthuriumの発送を控えています。
これは販売する機会を減らしたいからではありません。
植物を万全な状態でお届けするための判断です。
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◎販売した瞬間が、ゴールではありません。
僕が考える販売は、植物を発送した時点で終わりではありません。
その株がお客様のもとへ届き、新しい環境に順応し、元気に育ち始める。
そこまで責任を持つことが販売だと思っています。
だからこそ、Anthuriumにとって大きなリスクが予測できる時期に、「送れるから送る」という判断はしたくありません。
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◎一番怖いのは、輸送中のコントロールできない環境です
近年の夏は35℃を超える日が珍しくなくなりました。
冬も地域によっては氷点下まで冷え込みます。
発送中、荷物は常に空調の効いた環境にあるわけではありません。
配達中、エンジンを切った車内で荷物がしばらく置かれることもあります。
都心部のマンション群では配達件数が多く、郊外では一軒ごとの移動距離が長い。
どれくらい高温や低温にさらされるかは、その日の配送ルートや配達状況によって大きく変わります。
これは販売者である僕にも、購入者にもコントロールできません。
僕が止めているのは、「販売」ではありません。
自分ではコントロールできない輸送リスクです。
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◎本当に怖いのは、見えないダメージ
高温や低温による影響は、到着したその日に現れるとは限りません。
輸送中の熱や寒さによって植物の免疫が低下し、
・蒸れ
・根の傷み
・環境変化への耐性低下
といった目に見えないダメージが蓄積することがあります。
その場では元気に見えても、
「輸送時のストレスが一因となり、数日後から根腐れや芋腐れにつながるケースも経験しています。」
厄介なのは、このダメージが到着した時には見えないことです。

一見すると問題はありません。

Anthuriumは「難しい植物」というイメージを持たれることがあります。
その一因として、輸送時の環境落差によるストレスも少なくないと考えています。(これは国内発送だけでなく、海外輸入苗を扱ってきた経験からも強く感じています。)
もちろん、十分な根量があり勢いのある株ほど、その影響を受けにくくすることはできます。
しかし、昨今の夏の暑さや冬の寒さは、以前とは比べものになりません。
だからこそ、「大丈夫だろう」という判断はしたくないのです。
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◎リスクは、お客様ではなくacu'sが引き受けたい
「自己責任で発送してください。」
そういう選択肢もあるでしょう。
ですが、僕はそう考えていません。
養生のリスクや、不安なこと。
そうした判断は、購入者ではなく販売者である僕が引き受けるべきものだと思っています。
だから私は、「発送できるか」ではなく、
「安心して育て始められる状態で届けられるか」
を基準に発送を判断しています。
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◎例外もあります
すべての発送を止めるわけではありません。
Grower Choiceのように、万が一の場合でも代替が可能な株については、状況を見ながら発送することがあります。
一方で、写真を提示した一点物やselect株のように代えのきかない株については、原則として発送を行いません。
失われた一株は、同じものを用意することができないからです。
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◎万全な状態で、Anthuriumを育ててほしい
僕は、「Anthuriumは難しい植物」というイメージを少しでも減らしたいと思っています。
本来、しっかりと根が張り、健康な状態で育ち始めた株は、必要以上に恐れる植物ではありません。
だからこそ、最初のスタートで余計なハンデを背負わせたくない。
発送を少し待つことで、その後何年も元気に育ってくれる可能性が高くなるのであれば、その選択をしたいと思っています。
発送をお待ちいただくことはあるかもしれません。
それでも僕は、
「無事に届いた」ではなく、「元気に育っています」と言っていただけること。
その方が、ずっと嬉しいのです。
そして、その一株が長く育ち、
「Anthuriumって思っていたより育てやすい。」
そう感じてもらえることが、この植物の未来につながると信じています。
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※この記事は、輸送を伴う販売についての考え方です。イベントなどで直接お渡しできる場合は、この限りではありません。
acupom
