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「共性する私たち」 あとがき。

5月のある日、夢を見た。

見たこともないゴリラのような体型の男性を好きになるんだけど、その方の心は女性で、私の思いは迷惑で、それでも私は好きを貫こうとしてしまい、ますます迷惑がられて、行き場のない想いに苦しむという内容だった。
(夢の中までウザキャラな自分がかわいそうだった。笑)

その夢を、「そうだ!創作大賞の恋愛小説部門の題材にしちゃってみるか!?」と小説など書いたこともないくせに思い立ち、
「思い付くことだけは簡単、それを形にするのが超苦手」という、これまでの人生の課題にも同時に立ち向かうこととなった。

また、長いこと、心の中に渦巻いていながら、なかなか言葉にできないテーマがあった。

なんとか文字にしてみるも、
「この内容をあなたが発信する意味は?」というセルフツッコミが入り、さらにその答えも持ち合わせてなくて、少々肩身狭い思いとともに発信した記事や、ちょっと婉曲的に表現してみた記事が、例えば以下の2つだったりした。

世の中のマイノリティと呼ばれるものに対して、
「何の隔たりがあるっていうんだろう」「本当にそれが少数派なのか」という提起を、“ノンフィクションの創作”でなら、好きなように表現したっていいのでは、と砂鉄が磁石に吸い寄せられ、何かのスイッチが入ったかのように、小説を書き始めたのが6月初旬だった。

その後、突発的な仕事や、子の入院など、急な予定変更もさることながら、何より、浮かぶアイディアが物語として繋がらず、描きたい世界は見えているのに、途中の展開をどうすれば良いのかわからず焦り始めた。

7月の3連休になってやっと、図書館で借りた関連本を読み込み、加えて多くの方のブログを読み漁り、想いを馳せているうちに、やっと、自分の中で、登場人物や物語の設定が組み上げられていった。(とはいえ、最後まで行き当たりばったりの展開であった)

本当にお世話になりました。昨日、図書館に返しに行ったが、手放したくなかった。

タイムリミットが刻一刻と迫る中、発狂しそうになりつつも、
「これが物書きの定めなんだ…」と小説家になった妄想を厚かましく炸裂させながら、「早く寝る準備!」といつも以上に子たちにイライラ喚き散らし、毎晩、夜中1時頃にパソコン前で寝落ちするまで、登場人物たちが幸せになってくれなきゃ…という一心で書き続けた。

こんな状況では、今までの私なら「もういいや、やれるところまでやったし、もうやめてもいいんじゃない」となってもおかしくなかったのだが、自分の中で許されない理由が1つあった。

かぜの帽子さんの存在だ。
(以下、帽子さん)

昨年12月に帽子さんが募集されていた「Kindle出版サポート」に応募し、年明けから月に数回のセッションをしていただき、5月、やっと書きたいテーマが決まったところだった。

帽子さんは、Kindle書籍を5冊出されている上に、ライター養成や出版サポートのご実績、またシナリオライターとしての経歴をお持ちでもある。鋭い観察眼に加えて、繊細で柔和な雰囲気を持つ方で、全幅の信頼を寄せている。

しかし私の体調不良で進まない中、今回Kindleよりも先に創作大賞に挑戦してみたい、という思いが生まれ、その添削をお願いすることとなった。

第1章だけは、6月中旬に共有できていたのだが、
結局、第2章を共有したのは7月10日頃で、また1週間ほど開き、締め切りまでの約1週間、
「〇章、できました。ご確認お願いいたします…!!」というメールを帽子さんに毎日送り、文字通り、ゴールまで伴走していただいた。

時間の余裕があれば、違ったアドバイスをくださっていたかもしれないが、帽子さんは毎回主に、「この箇所のこういうところがいいですね、面白いですね」という温かいフィードバックと「続きを楽しみにしています」というエネルギーになる言葉をくださった。
あの、時間や心に全く余裕のない中で、私にとっての最善を考えてくださってのことだろう。
返す返すも感謝の念が湧いてくる。

ここまでしてくださる方がいるのだから、もう後戻りはできない、と退路を断つという意味でも、なくてはならない役割を担ってくださった。

創作大賞締め切りの前日、7月22日月曜日、小説に関する最後のセッションをしていただいた。
この日には、もう出来上がっているイメージでいたのに、第6章と第7章(最終章)がこれから…という状態だった。

池袋のサンシャイン水族館のフロアマップをにらみながら、幹夫のお母さんの病気に関するリサーチで途方に暮れていた。

また、最終章では、幹夫のお母さんが亡くなる設定で迷い、私は「幹夫の人生にこれ以上かわいそうなことしたくない」と言って、亡くならずにせめて寝たきりの状態にできないかと言って泣いた(←)。
帽子さんは、「物語の展開上、大きな変化をつけたほうがその後を描きやすくなる部分もある」とやんわりと、しかしきっぱりとアドバイスをくださった。

そして、
「チコリンさん、そこまで感情移入できるってことが才能です」と言ってくださるのを聞いて、最後のエンジンがかかった。

7月23日の朝10時前に6章が書き終わり、帽子さんにお目通し頂く間に7章を書き進め、最終的に7章を帽子さんに送ったのは21時を過ぎていた。
しかし、物語の展開さえ決まれば、あとは締め切りギリギリまで細かい表現を直すのみで、この時点で、非常に安堵したのを覚えている。

帽子さんから、最後のアツいゴーサインをいただけたときの安堵と焦燥と達成感のまじりあったあの感情は、なんだかやみつきになりそうだ。

描く予定のなかった設定が最終日に急に出てきたりもしたが、もう私は完全に千弥子に乗り移り、幹夫をただひたすら愛して、取りつかれるままにパソコンのキーボードを打っていた。そのおかげなのか、こんなに行き当たりばったりであるにもかかわらず、つじつまが合わない、ということが意外と出てこなくて、そのことにも安堵していた。

文章は稚拙だし、もっと深い人物設定、練られたストーリーが必要だったと思う。
それでも、私は今自分の持っているもの以上のものを出し切ったと感じ、創作大賞締め切りの翌朝に、ふと
「私、自分の期待に応えたな」という達成感でいっぱいだった。

こちらの新聞をマウスパッドのようにパソコンの前に置いて執筆した。本やブログで多くの方の体験を少し知っただけでも、この見出しに泣きそうになり、幹夫への感情移入が加速した。

初めて、ノンフィクションの物語を書く、ということをやってみたが、自分が伝えたいことを、架空の人物たちに代弁してもらうというのは意外とやりやすく、とても面白い、貴重な体験となった。

最後まで伴走してくださった帽子さんはもちろん、読んでくださり、スキ、そしてコメントまでくださって応援してくださった方々にも、改めてこちらでお礼を述べたい。

本当にありがとうございました。
(来年は、ミステリーに挑戦してみたいと思っています…!)



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