生成AIは創作者の未来を壊すのか。|エンターテインメント
最近では聞かない日はない、生成AI。
日常的に使っている人も多くなってきて、
生活の中心にあるといっても過言ではなくなってきましたね。
生成AIはとても便利なので、
アイディアをもらったりする時や資料をまとめたりする時などに使っています。
そんな便利なAIを巡って、多くの議論が巻き起こっているのも事実。
子供たちが宿題を全部AIでやっちゃうとか、
簡単な業務がAIに奪われるとか、
AIのせいで精神的に追い込まれるとか。
考えればいろいろあるんでしょうけど、今回は僕の専門分野であるエンターテインメントにおいての生成AIの未来を考えていきましょう。
かく言う僕も、
生成AIの登場にはいろいろと思うことがあるんですよねぇ、創作者として。
小説とか漫画、アニメ、映画までもがAIで作れるようになっちゃいましたからね。
脅威としても考えることができるわけです。
ですが結論として、生成AIに人類のエンタメが壊されることも、創作者の未来が潰されることもないと思います。
あの感動が向かう先
ちょっと指示するだけで、
何千文字もの文章を生成してくれるAI。
イラストも描けるし、映像も作れる。もう、最強じゃん。
万能のエンターテイナー。
生成AIっていうのは、本当にズルい存在です。
でも、ちょっと待って。
本当に生成AIは「エンターテイナー」なんですかね。
エンターテイナーって、人間を楽しませる人間のことだと僕は思っています。同じ人間によるエンタメだからこそ、観客はエンタメを楽しむことができるという理論です。
これは前に書いた記事で言ったような気がしますが、
人は作品に感動した時、それを作った「人」に注目します。
『スター・ウォーズ』という映画を観て感動する。その理由はいろいろあるかもしれませんが、「この素晴らしい作品を自分と同じ”人間”が作ってるんだ」という畏怖の感情もまた、感動する理由のひとつです。
監督のジョージ・ルーカス。
マーク・ハミルやハリソン・フォードといった俳優陣。
映像編集者、美術スタッフ、音響スタッフなどなど。
いろいろな人間が関わって作り出すのが映画ですよね。
映画っていうのは、それに関わった全ての人間の集大成なんです。
だから僕たちは、壮大な世界観や個性的なキャラクターに感動することができた。そう考えることもできます。
じゃあ仮に、
あの『スター・ウォーズ』は全てAIが作った、と言われたらどうでしょう。
観たことない人はすみません。
それだったら自分の好きな映画でもアニメでも小説でもいいので、それがAIで作られたものだと考えてみてください。
するとあら不思議。
感動の行き先がわかりません。
この感動はどこに向かえばいいのか。
誰を称賛すればいいのか。
AIを作った人たちなのか、プロンプトを打ち込んだ人なのか。
あの俳優たちは、全て存在しない架空の人物……考えるだけで頭がおかしくなりそうですね。
アニメだったとしても同じです。
確かにアニメキャラは現実に存在しないものですが、
デザインはクリエーターがするし、声は声優が演じます。
その時点で、人間によって命が吹き込まれているわけです。
人は人生を通して物語を生み出す
小説で考えてみますか。
僕はAIで小説を執筆したことはありませんが、
実際にAI小説を読んだことはあります。
違和感はないし、面白くないわけでもありません。
ただ、なんだろうな。
「人間味」が欠けている。そう思っちゃったんですよね。
その人間味って一体何なのかというと、
やっぱり作家が経験してきた人生が反映されているかいないかだと思うんです。
作家それぞれで、違う人生を歩んでいます。
だからそれぞれに違うし、それぞれに個性がある。
文章表現であったり、構成の組み方、キャラの魅力の出し方など。あらゆる面に個性はいくらでもにじみ出るものです。
特にキャラクターとかそうですね。
深みのあるキャラクターっていうのは、作家の経験や葛藤、闇などを反映させたものが多いので、余計に色濃く人生が現れます。
そこに読者は面白みを感じるのであって、
面白そうな要素だけを掛け合わせたキャラをAIが生み出したところで、なんか深みがないなっていう感想で終わってしまうんです。
今後はむしろ人間の価値が高まる
エンタメ業界においては、
今後むしろ人間の価値が高まっていくと僕は考えます。
結局のところ、
人間は人間が好きです。
――君の代わりはAIにやってもらえばいい。だからもう君はクビだ。
そんなことが、エンタメの世界で起こるのか。
んー、僕は起こらないと思いますけどねぇ。
人間が生み出すエンターテインメントに価値が生じ、観客を魅了するわけですから。
小説投稿サイトの間でもAIの使用は制限されたりしてきていますし、動画などでもAI生成作品であることがわかるようにしなければならないことになっています(多分)。
このままAIのエンタメ業界での規制が続けば、
生成AIの文化や流行が廃れていくことも十分に考えられますからね。
日常ツールとしての使用や簡単な業務の代行は凄く便利なので、
生成AIそのものが消えると言っているわけじゃありません。
少なくともエンタメ業界は、
AIの登場で未来が脅かされたりすることはないでしょう。
僕の結論はこれです。
それは違うだろ、なんて思うこともあったかもしれませんが、今回の僕の意見は、ひとりのエンターテイナーの独り言として参考にする程度で受け取ってください。
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【ひとこと】
「くっ……私は孤高の”エンターテイナー”! 生成AIに、私は決して屈しない!」
↑ 僕の大好きなアニメ『姫様”拷問”の時間です』の姫様のセリフのオマージュです。
