『ブルー・ベルベット』この世は不思議なところだ。こんなにも美しく、こんなにも醜い。
父親の入院を期にジェフリー・ボーモントは大学を休学し、生まれ故郷である田舎町ランバートンに帰郷した。ある日、父親を見舞った帰りに野原を通りかかったジェフリーは、そこで切断された人間の片耳を発見する。
問題の片耳を父親の友人であるジョン・ウィリアムズ刑事の元に届けたジェフリーは、それが縁でウィリアムズ刑事の娘サンディと知り合う。ウィリアムズ刑事の話を盗み聞きしたサンディによると、今回の事件には、ドロシー・ヴァレンズなるクラブ歌手が関係しているらしい。
好奇心を覚えたジェフリーは事件解決の手がかりを得るため、サンディの協力で、ドロシーが暮らすディープ・リヴァー・アパートの710号室に無断で侵入する。クローゼットに身を潜めたジェフリーがそこで垣間見たのは、ドロシーが謎の人物フランク・ブースと共に繰り広げる倒錯的な性行為の一部始終であった。
デヴィッド・リンチは代表作である今作でも、狂った危険な世界を描いているが、一人の青年の想いと過ちを描いた青春映画でもある。美しい世界を垣間見たかと思えば、ドキッとするような危険な世界がスクリーンに映し出される。
またリンチは、奇跡のように美しいショットと、生々しいエロスや悪意のこもった映像を、巧みにコントロールしている。
カイル・マクラクランは本作しか知らないが、男が言うのもなんだが、センシティブで美しい。イザベラ・ロッセリーニのメソッド演技も凄いし、とても綺麗だった。ローラ・ダーンは美人ではないが、素晴らしいヒロインだった。









素晴らしいラストを持つ映画だが、ここでネタバレをするのは避けたい。個人的なことだが、早出勤務前にこの映画を観終えれてよかった。この美しくも醜い不思議な世界で、僕の小さな冒険は今日も始まる。映画はいつも僕と共にある。今日も過ちを犯すだろう。聖人であるのはたやすくない。でも、今日を懸命に生きよう。さぁ始発電車に乗って。
