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荒巻悠選手(アデレード/巨人)インタビュー

より鍛えられた“ハングリー精神”で、和真さんの穴を埋める!


2025年入団のルーキーでただ一人、春季一軍キャンプに抜擢され“完走”した。開幕こそ二軍で迎えたが、ほどなく一軍に昇格するとプロ初安打も記録。しかし、定着はならなかった。26年、同じ内野の主砲・岡本和真選手がMLB移籍し、ポッカリ空く穴を埋める選手として期待される荒巻選手。ABL派遣は、その表れだ。(※取材はオーストラリア滞在中)

(ⒸBaseball Australia)

来季に向けてのチャンスをいただいた

――NPB入団1年目のシーズンを振り返っての収穫、課題はなんでしたか?

一軍の試合にも(31試合)出場させてもらって、プロの球を1年目から見られたことが、まず収穫です。打席には代打で立つ機会が多かったのですが、その中で3割近い打率(.296)を残せたことが、とても自信になりました。ただ守備では、アマチュアとプロの打球の質の違いを痛感しました。レギュラーを取るためには、もう一度守備を鍛えなければならないと強く感じています。

――このABLへの派遣について、球団からはなぜ荒巻選手を派遣したいかなど、どんなふうにお話をいただいたんですか?

シーズンの終盤に、「こういう機会があるけれどもどうだ」と話をいただいいた形です。そこで自分の中で「来季に向けて、チャンスをいただいたのかな」と勝手に解釈して、「ぜひお願いします」と答えました。

――そこで荒巻選手自身はオーストラリアでのこの1カ月超、どんなことを目標にしてプレーしようと考えましたか?

みんなよりもシーズンを長く、しかも暖かい環境で野球ができるわけですし、NPBでのシーズンとは違って、自分の数字にそこまでこだわらずに試合の中でいろいろ試すことができる。そういう場だと思って、試合に臨んでいます。

――例えばどんなことを試してみていますか?

バッティングの中でのタイミングの取り方や、スイングの仕方ですね。日本にいたら、シーズン中の試合では試せない、オフシーズンでしか試せなかったようなことを、今試合で試すことができているのは、とてもプラスになっていると思います。

――何か大きく変えたいというより、今の荒巻選手をよりよくするための試みですか?

そうですね。日本にいたときにいろんな方からアドバイスしていただいたことを、実践しています。それが自分に合うか合わないか、結果に照らし合わせながら考えています。そして結果が出たときに、それをいかに自分のものにするか、また練習や試合で取り組んでいます。

――オーストラリア野球の印象はいかがですか?

オーストラリアだけでなくいろんな国の選手がいる中で、野球観というか、野球に対する考え方は、おそらく国によってバラバラだと思うんです。だけどチームとしては、そこを一つにして試合に臨まないと勝つことができない。そういうリーグで、みんながコミュニケーションを取りながら試合に臨んでいるので、僕らにとってもプレーしやすい場所ですね。

――荒巻選手も、自らみんなの中に入っていっている感じがしますよね。意識していますか?

いや、僕は元々そういう性格というか、その場所に応じた適応力を発揮することは苦にしていないので。

――なんとかしようと頑張っているというよりは、自然な感じ?

はい、僕は英語を話せないから、逆にそっちが日本語を覚えてっていう感じで(笑)。

――強いですね(笑)。

慌てて英語を覚えなくても、自分が自然に入っていって日本語をしゃべっていたら、相手のほうが、僕が何を言っているか聞きたいと思うはずなので。そういう感じで、コミュニケーションを取っています。

――それはある意味、ピッチャーとバッターの駆け引きにも似ていますね。相手を自分のペースに引き込むという。

特にピッチャーがそうですよね。自分、性格的にはたぶんピッチャーなので。

――俺が投げて、始まる。

そうです。悪く言えば“自己中”っていうところもあるんですが、気の強いところは野球に向いている性格なのかなと自分では思っています。

独自のコミュニケーション方法で、チームに溶け込んでいた荒巻選手。
練習時のミーティングで監督にいじられて(?)いたことも
(ⒸBaseball Australia)

日本の環境に改めて感謝

――ここまでオーストラリアで学んだこと、あるいは来てよかったと思えていることはなんですか?

まずこの時期に、試合ができていること。それから日本に比べて野球をする環境という点では優れていないので、日本の、自分の場合はジャイアンツの素晴らしい環境の中で野球ができるのはありがたいなと思いました。日本にずっといたら、あの環境が当たり前と思っていたかもしれませんが、この、(ふだん日本で野球をしている人間からすれば)非日常的な場所で野球をすることで、野球のできるありがたみや、その環境を作ってくださる方々への感謝の気持ちを感じています。

――ここでの経験を日本に戻ってから、どう生かしたいですか?

自分はもともとハングリー精神が強いほうだと思うんですが、この(オーストラリアの)環境で野球をして、さらにそれが身に付き、養われたように感じます。26年は(岡本)和真さんがメジャー挑戦で抜ける、その穴をなんとしてでも自分が埋めたいと思っています。25年にケガをして故障班に入ったとき、和真さんと一緒にトレーニングをして、交流の機会を持たせてもらいました。そこでよき先輩として、いろいろ話をしてくださいましたし、その背中を見て学ぶところが多かった。だから余計、和真さんの穴は自分が埋めたいんです。

――岡本選手もそうですが、プロでコンスタントに成績を残す選手は、何を持っていると思いますか?

自分が25年のルーキーで1人だけ一軍キャンプに行かせてもらったとき、坂本(勇人)さんの練習を見たんですが、やはり地道な基礎トレーニングをずっと続けていました。和真さんも故障班でトレーニングしているとき、やはり基礎を徹底的に繰り返していました。そうした“続ける力”を、プロの世界で活躍している方は全員持っているなと感じています。

――荒巻選手も、そこは自信がありますか?

一度決めたらやり抜く力は、自分の中ではあるほうだと思っています。

Profile
あらまき・ゆう◎2002年12月23日生まれ。福岡県出身。
184㌢93㌔。右投左打。内野手。
祐誠高から上武大を経てドラフト3位で25年、巨人に入団。
25年は31試合に出場し、打率.296、打点1、本塁打1。
巨人がイースタン・リーグ優勝を決めた試合で3ランを放つなど、左の大砲として期待される。ABLアデレードでは主に三塁手として21試合に出場し、打率.227、打点11、本塁打3。


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