出会うべき人だった|5つの恋のエピローグ①
「出会うべき人に出会う場所」そんな広告が目を引いた。
帰りの通勤電車の車内。どうやらマッチングサービスらしい。
一期一会というけれど、確かに人生における出会いには不思議な縁を感じることがある。その一方で、人生の意味は、自分が出来事をどう解釈するかだという話にもうなづいている自分がいる。単なるポジティブシンキングではなくて、出来事自体には善も悪も運も不運もない。
恋愛も同じかもしれない。私自身がそうだった。自分が勝手にラベルを付けて、恋だ愛だと言っているが、はたから見れば滑稽なことも多いのだろう。
でも、そう割り切って笑ってしまえるほどには、まだ年を取れていない。
別れた彼を思い出す。高校時代からの付き合い。くっついたり離れたりという表現がふさわしいような関係だった。夢を語る彼の瞳をずっと見ていたいと思ったものだが、社会人になっても変わらない彼をいつしか信じられなくなった。そして二人は離れてしまった。悪いのは、多分、私。
いつだったか、彼が近々結婚するという噂を聞いた。私とは分かち合えなかった夢の続きをみるのだろう。チクリと胸が痛んだが、その話は努力して忘れた。出会ったことに後悔があるわけではない。
帰宅すると同窓会の案内が封書で届いていた。
同窓会はどうも苦手だ。もちろん良い思い出もたくさんある友人たちだが、自分の過去を突き付けられるような怖さがある。
差出人の幹事の名前をみて、ドキリとした。彼の名前。
久しぶりにみんなで会いましょう、と書き添えてある。
懐かしい手紙の文字。彼はどういう想いでこれを書いたのだろう。単なる事務連絡か。私への当てつけか。何かが違えば、二人して同窓会の企画をしている今があったのだろうか。
返信用ハガキが同封してある。
出席・欠席、どちらに丸をつけるべきか。
私はいつまでも決めかねていた。
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