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エクレア食べたい|アマノ文筆クラブ

「エクレア食べたい」
夫にそう言った。夜の11時。

「今から?」
夫がそう訊く。私は頷いた。
「うん」

ワガママ言っているのは分かっている。
でもどうしても食べたい。今、食べたい。

「コンビニ、行ってくる」
真面目な顔でそう言うと夫はコートを着て出かけて行った。

コンビニまで歩いて5分。
近いと言えば近い。

申し訳ない、と思う一方で、今食べたいのだからどうしようもない、と自分で言い訳する。
寒さでこわばった顔で夫が帰ってきた。

「ただいま、はい、これっ」
「ありがとう」

エクレアを受け取る。

一口食べた。
「美味しい」

生きていてよかったとさえ思える。

「あなたも食べる?」
一応訊いてみる。

「いいよ。君が食べな」

実はほっとしながら、夫に答える。
「ありがとう」

夫は続けた。
「また食べたくなったら、言ってね」

妊娠8ヶ月。
最近、食べたいものが急に変わる。

こうして私たちはママとパパになっていくのかもしれない。





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