グランデサイズで|せりふ三題噺
図書館で本を返却した。
一年間返しそびれていた本。
彼と二人で読んだ本だった。
帰りに行きつけのカフェに寄った。
「ショート……いや、グランデサイズで」
顔なじみの店員が少し驚いた顔をした。
無理もない。
週に三日は来るこの店で、一年間、私はショートしか頼んだことがない。
彼と来ていた頃は、お気に入りのペンネとグランデをいつも二人で分けていた。
運ばれてきたグランデを口に含んだとき 唐突に思いだした。
最後に彼とオンデマンドで観た映画、「草原の輝き」。
ラストシーンで引用されていたワーズワースの詩。
かつてのように、
あの草原の輝きが戻らなくとも、
花々の栄光が再び輝かなくとも、
決して嘆くまい
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■セリフ
「ショート……いや、グランデサイズで」
■三題
・草原
・返却
・ペンネ
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