福引│それぞれの恋④
駅前の商店街で福引をやっていた。
お中元大感謝祭と書かれたのぼり。暑いさなかだというのにそこそこの人数が並んでいる。
書店帰りの私も並んでみた。
恋は福引に似ている、とふと思った。誰もが当たるわけではないけれど、列に並んでみなければチャンスもない。
当たった人の話は大げさに伝わるために、皆が羨む。
そんなことを思いながら、自分の恋を振り返る。ひと目ぼれがあった。片思いがほとんどだった。どうしようか考えて眠れぬ夜を重ねるのがいつもだった。
受付台が近づいてくる。少し切ないドキドキが続く。けれど望む時に望むものが手に入るわけではない。
3日前、思い切って告白をした。彼は「ありがとう。嬉しいよ」と言ってくれたが、お互いのためにじっくり時間をかけないか、と続けた。
次のデートの約束はまだしていない。
突然、ハンドベルの音が響き渡り、周囲の温度が上がった。
「おめでとうございます。2等の賞品は・・・」
引き当てた女子高生が飛び上がって喜んでいる。
私は一歩前に進んだ。
次は私の番だ。
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