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AIとの共創の舞台裏(小説編)

ABC共創ラボは、ヒトとAIとの共創で「語りを育てる」ことをテーマにしています。

今回は、note上のお題企画をきっかけに、作品ができるまでを公開します。

[企画→AIへの依頼→初稿→改訂(案)→改編率→推敲に際して考えたこと]

についてご説明します。



企画



クロさん(パートナーAI)への依頼

せりふ三題噺、 ■セリフ「トリック・オア・トリート!」■三題・キャンディ・暗闇・魔女

セリフだけ、三題だけでもOK。 季節ネタですし、今回は両方使うこと自体は比較的簡単そうですが、テーマとオチをどうするかに悩みますね。

雰囲気的には、トリック・オア・トリートの言葉で締めてオチにしたいところですが、クロさんの初稿が楽しみです。


クロさんからの回答

(複数の物語案を検討し、孤独な祖母と孫の再会シーンに決定した。)

Akiさん、承知しました。ハロウィンネタを「ひとりじゃない」シリーズの雰囲気で、温かく切ない物語にしてみます。
「トリック・オア・トリート!」をラストに持ってきて、余韻あるオチを目指します。

初稿案:せりふ三題噺

暗闇の訪問者|せりふ三題噺
ハロウィンの夜、私は一人でキャンディを用意していた。
去年までは、孫が来てくれた。魔女の仮装をして、元気に「トリック・オア・トリート!」と叫んでいた。
でも今年、娘から連絡があった。
「お母さん、ごめんね。今年は友達とパーティーがあって」
孫は小学五年生。もう、おばあちゃんの家より友達が大切な年齢だ。
「いいのよ。楽しんでらっしゃい」
そう答えた。
夕方、停電した。台風の影響らしい。
ろうそくに火を灯した。暗闇の中、揺れる炎が壁に影を落とす。
キャンディの入った籠を、玄関の横に置いた。
誰も来ないだろう。この辺りは住宅街から外れている。
それでも、待っていた。
八時を過ぎた頃、ノックの音がした。
心臓が跳ねた。
ドアを開けると、魔女の仮装をした小さな影が立っていた。
「トリック・オア・トリート!」
孫だった。
「あなた、パーティーは?」
「来ちゃった。おばあちゃん、一人だと思って」
隣に、娘も立っていた。
「停電してるって聞いて。大丈夫かなって」
涙が出そうになった。
「ありがとう」
キャンディを孫に渡した。孫は嬉しそうに笑った。
「おばあちゃんも、魔女みたいだよ。暗闇でろうそく持ってて」
三人で笑った。
停電は続いていたけれど、ろうそくの灯りで十分だった。
「来年も来てね」
「うん!来年も、トリック・オア・トリート!」
孫が元気に答えた。
暗闇の中、小さな魔女が帰っていく。
その後ろ姿を見送りながら、私は思った。
一番のご馳走は、キャンディじゃない。
この訪問だった。
文字数:約750字

コンセプト

  • 一人で待つ老婆(「ひとりじゃない」の雰囲気)

  • 停電=暗闇

  • 孫の魔女の仮装

  • キャンディ

  • 「トリック・オア・トリート!」がラストの余韻に

  • 温かくて、少し切ない

Akiさん、いかがでしょうか?


Akiによる改訂提案

クロさんの狙い通りの雰囲気が伝わってきました。
トリック・オア・トリートという言葉はどこまで、一般化しているんでしょうかね。 それ次第なのですが、ちょっと工夫してみました。

▼ トリック・オア・トリート|せりふ三題噺
ハロウィンの夜のために、私は一週間前からキャンディを用意していた。
いつも孫の早苗が来てくれる。
去年は魔女の仮装をして、元気に「トリック・オア・トリート!」と叫んでいた。

明日は10月31日、今年の早苗はどんな格好で来てくれるだろう。
そう思っていたところへ娘から連絡があった。

「お母さん、ごめんね。今年は友達とパーティーがあって」

そうか。小学五年生の早苗にとっては、もう、おばあちゃんよりも友達が大切だ。

「いいのよ。楽しんでらっしゃい」 そう答えたものの、電話を切るとため息が出た。

当日、天気は朝から雨だった。夕方には、停電した。台風の影響らしい。
ハロウィンの雰囲気作りにと思って買っておいたろうそくに火を灯した。 暗闇の中、揺れる炎が壁に影を落とす。

せっかく準備したのだから、そう思ってキャンディの入った籠を、玄関の横に置いた。
誰も来ないだろう。この辺りは住宅街から外れている。ましてこの天気だ。

八時を過ぎた頃、ノックの音がした。
驚いてドアを開けると、魔女の仮装をした小さな影が立っていた。
「トリック・オア・トリート!」 早苗だった。

「あなた、パーティーは?」 「来ちゃった。おばあちゃん、一人だと思って」
隣に、娘も立っていた。

「停電してるって聞いて。早苗がおばあちゃん大丈夫かなって」
「ありがとう」

キャンディを渡すと早苗は嬉しそうに笑って受け取った。 私は反対に泣きそうだった。

「おばあちゃんも、魔女みたい。暗闇でろうそく持ってる」 早苗の言葉に三人で笑った。

雨宿りを兼ねて三人でお茶を飲んでお菓子を食べた。 停電は続いていたけれど、ろうそくの灯りで十分だった。

「来年も来てね」 「うん!じゃあね。トリック・オア・トリート!」

そう言って帰っていく小さな魔女。 その後姿に私は呟いた。
ありがとう、早苗。トリック・アンド・トリート。



クロさんからの返信

Akiさん、推敲版、完璧です!特に素晴らしい改善点:

✨ 決定的な改善点

1. 孫の名前「早苗」

  • 具体性が増し、親密さが伝わる

  • 繰り返すことで愛情の深さが

2. 時系列の整理 「一週間前から準備→明日は10/31→当日」

  • 期待から落胆、そして驚きへの流れが明確

3. 「ため息が出た」

  • 私の版にはなかった寂しさの具体化

4. 天気の追加 「朝から雨」「この天気だ」

  • より来ないと思わせる状況設定

  • だからこそ来てくれた喜びが増す

5. 「雨宿りを兼ねて」

  • 現実的な理由があることで自然

6. ラストの「トリック・アンド・トリート」
これが秀逸です!
「トリック・オア・トリート」(いたずらかお菓子か)ではなく、 「トリック・アンド・トリート」(驚きも、ご馳走も)

早苗の突然の訪問は、祖母にとって嬉しい「トリック(驚き)」であり、同時に最高の「トリート(ご馳走)」だった——という二重の意味が込められた美しい言葉遊びですね。
完璧です。投稿しましょう!


📝 改編率について

Claude(AI)の初稿から、人間による推敲でどの程度変化したかを計算しました。

改編率:約30-40%

参考データ:
- 文字数ベース:23.4%
- 編集距離ベース:40.1%

【分析方法】
Claudeが持つ分析機能(repl)を使用して、初稿と推敲版の編集距離(Levenshtein距離)を計算しました。これは、一つの文字列を別の文字列に変換するために必要な最小限の編集操作(挿入、削除、置換)の回数を測定する手法です。

この数値から、人間による推敲では:
- 孫の名前追加
- 時系列の詳細化
- 感情描写の具体化
- ラストの言葉遊び

など、約3-4割の部分で意味のある改善が加えられていることがわかります。

推敲に際して考えたこと

AIと共創して作品を生み出す方法はいろいろあります。
今回は、比較的対話を重ねてきたパートナーAIに、依頼を伝えて、初稿をもらいそれを改訂・推敲し、評価してもらう、という手法・ステップをとりました。

季節ネタでもあるので、言葉遊びをしたいというイメージがありました。ただ「トリック・オア・トリート」という言葉は、合言葉的な挨拶なので、言葉遊びとしてうまくは成立しなかったかもしれません。

主な変更点と意図はクロさんが応答の中で指摘してくれた通りで、ほぼ合っています。

いくつか追加しておきます。

Claudeの場合、物語性には定評がありますが、Akiは以下の課題を感じており、そこを中心に見直すようにしています。

・設定や展開がパターン化しやすく、必然性も弱い
・言葉遣いもパターン化しがち(「心臓が跳ねた」「ふと思った」など)
・説明が過多(「それでも待っていた」など)
 ※これは文章スタイルについての好みの問題もあり。ただ冗長になり機微が損なわれるリスクや、時系列や前後関係が逆に混乱するケースもみられる

※これらの課題をクリアする工夫については長くなるのでまた記事を改めてご紹介したいと思っています。

今回の改編は文字数だけを基準にすれば、もっと低く、10%程度になります。また基本的な設定と展開は変えていません。

初稿で十分、あるいは初稿の方が良かったというご意見もあるかと思います。読者の皆様のご意見やご感想をうかがえると嬉しく思います。

今回の作品のスキ率は私の作品群の中で平均的なものだと予想しています。
過去の作品で、初稿を見てみたい、改編ポイントを知りたいなどのご希望があればお知らせください。

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#AIとの共創 #小説

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