狭き門をこじ開けろ!丨アマノ文筆クラブ
祖父の口癖だった。
進路相談のたびに、受験のたびに、就職活動のたびに、祖父は同じことを言った。
「狭き門をこじ開けろ!」
威勢は良いが、具体的なアドバイスは一度ももらったことがない。
その祖父が、施設に入ることになった。
荷物の整理を手伝っていると、引き出しの奥から古びたノートが出てきた。
○初めて告白した女性、撃沈。二度と口をきいてもらえなかった。所詮高嶺の花だったのだ。
○志望校、不合格。記念受験のつもりだったので悔しくない。
○就職面接、不採用。試験官の顔が気に食わなかった。
○数えきれない見合いの果てに結婚。
(今から思えば過ぎだ女房だった、との追記あり)
子や孫の私のことも含めて、失敗の記録がびっしり並んでいる。
負け惜しみかもしれないが、その失敗にめげないところが祖父の偉いところだ。
一番最近のページに一行だけあった。
「家族と施設の門は、こじ開けなくても済んだ人生だった。」
私はノートをそっと引き出しに戻した。
甘野充さんの、アマノ文筆クラブに参加します。
アイキャッチの画像は「彦根城井戸曲輪の石垣仕切り」です。
Google検索によりますと、日本の城の門が狭くなっているのは意図的な理由からです。
日本の城の門が狭く作られているのは、意図的な防御上の工夫です。主な理由は以下の通りです。
・敵の侵入を阻む: 門が狭いことで、一度に多くの敵が侵入できないようにしています。
・敵を足止めして攻撃する: 門の周辺に「枡形(ますがた)」と呼ばれる空間を設け、狭い門へ誘導することで敵を渋滞させ、横からの攻撃や狙い撃ちをしやすくしています。
・埋門(うずみもん)の存在: 石垣を切り抜いた狭い通路に門を設けることで、防御力を高めています。
大手門(正面の門)は警備が厳重で格式高いですが、一方、搦手門(からめてもん・裏手)は小さく隠すように造られており、有事の際に城主が逃げるための役割も持っていました。
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