「兎の穴」に堕ちて「空飛ぶ魚」に出逢い「風船まみれ」になる -ラビットホール 岡山
岡山で、「兎の穴」に堕ちてきた。

やっと辿り着いた「兎の穴」
この「穴」というのが、なかなか開かない。なにしろ、月曜、火曜、水曜はお休みなのだ。
やっと機会を得て、訪ねることができた。


エントランスのゴージャスなサインは、劇場などの入口の庇(映画とかで、よく見かける)に着想を得たという、フィリップ・バレーノの作品。

この兎はシンボルであり、ライアン・ガンダーの作品でもある。

いざ、THE RABBIT HOLEへ。
THE RABBIT HOLE / ラビットホール 岡山
瀬戸内のゲートウェイ(玄関口)に位置する岡山県で、アート、地域創生を重点に置いた活動を行なっています。
岡山城からほど近い現代美術館「ラビットホール」は2012年から収集した約400点の現代美術からキュレーションした作品を展示し、
建築家青木淳氏にリノベーションして頂きました。この美術館は本館となります。
エントランス
ショップ併設のファサード。四角い窓で、入館料を払う。宣伝をしているわけでもないコンセプチュアルアート専門のギャラリー、敷居が高いイメージがあるけれど、スタッフの方はとてもフレンドリー。

立派な冊子(図録も兼ねているようだ)をいただく。(※本記事を作成するうえでの、参考資料にもさせていただいた)



ロッカーもアート作品のよう。

さて。
エントランスでは、小さくアカペラの昭和歌謡が聴こえていた。しかし発音などから、唄っているのは日本語話者ではないようだ。
「わけのわからないものをどうやってひきうけるか?」日本語を解さない海外の人に、いきなり日本の歌を唄ってもらう、島袋道浩作品。

日常の風景、ありふれたものを見直す試み。
飛び込む前のウォーミングアップ?

展示室 1階
ヤン・ヴォ―の作品が多く展示されている。



リアム・ギリック。


ミカ・タジマ。

その、小さなふしぎな池?水槽?には、

静かな水面に、

あたかも生き物(蛇?)が潜んでいるかのように、水面がゆらめく。

その正体は、NASA開発の磁性流体。アルゴリズムに従って動き続けているという。

展示室 2階
上階へと続く階段は、煌びやか。

ドロシア・ドネリーの作品に迎えられ、


「しぼんだ彫刻」ほか



ジョナサン・モンクの作品。

ジョン・ジョルノの作品は、


受話器をとれば、詩の朗読を聴くことができる。


この壮大な漫画?は、イアン・チェンによるもの。


一見かわいらしくて、

近寄るとちょっと怖い(内臓が飛び出している)、ポール・マッカーシーの作品。

こちらは、ダグラス・ヒューブラー。


このほかにも多くのアーティストの作品が展示された、広々とした展示空間だ。



展示室 3階 宙を舞う魚たち
3階へ。


そう、

彼らに出逢いたかった。

それは、

空を舞う魚。こちらも、フィリップ・バレーノの作品。
ヘリウム風船の魚たちが、

時折起きる風のあおりをうけて、ゆらゆらと、

中には、天井にはりついたままで、

思い思いに、身を任せる。

いままで写真を観てきて、御察しのとおり、
このときの鑑賞者は、ほかのフロア含めて、ほぼわたしひとりで、

心ゆくまで、魚たちがゆらめくのを、観ることができた。

なんという幸せ。

再び展示室 1階 風船にまみれる
フィリップ・バレーノの魚たちと過ごせたことで、ミッションはクリア、な気分だったのだけど、
ふと、思い出した。「体験できる作品が2作品あります」という、エントランスで聞いた説明。
ひとつは、さきほどの、詩を吟じてくれる電話。

残りの1作品は?
1階にあって、眺めて素通りしてきた、これしかない、が。

近寄ると、監視員の女性が、にこやかに「体験されますか?」と誘ってくださる。
体験とは? 外から見るとかような風船の空間に、入る。


「頭、気を付けてくださいね」という注意とともに、小さな扉をあけて、その狭い空間に入った。わたしが入ると同時に、風船がいくつか扉から転がり出してきたが、それは気にしなくていいらしい。

風船を、上にはじくと、進みやすいことがわかってきた。

空も見える。外も見える。

ということは、通行人がいたならば、わたしのぶざまな姿が鑑賞できるということになるが、気にしないこととした。
ちなみに本作は、マーティン・グリードによるもので、風船には空間の半分の空気が詰めてある。空気という見えない存在を可視化して、彫刻と建築の境界を探究するものでという。ふむ。

わたしが出たあと、このような散々な状態になっていたけれど、「あ、気にしないでください~」と。

友人たちに顛末を話したところ「風船まみれにはなりたくないが、体験中の姿を外から観ることはぜひ、したい」とのことだった。たしかに。


この「兎の穴」には、別館のギャラリーがある。
その話は、次回に。
