一緒にいると、なんか似てきたね、の理由〜腸の「社会的健康規定要因」〜
最近、Natureに出たおもしろい論文
人の腸内細菌って、
「何を食べたか」で変わると思われているけど、
その論文では、
誰と一緒に生きているかで、
お腹の中の菌の“中身”まで似てくる。
nature 2024
しかも、
同じ種類じゃなくて、
同じDNAを持つ“株”ごと、だった。
なんだか少し、怖いし、きれいだと思った。
腸内細菌は、社会構造を写している
研究対象は、ホンジュラスのほぼ閉じた村社会。
家族、夫婦、友だち、
よく顔を合わせる人たちのあいだで、
腸内細菌が、ゆっくり混ざっていく。
人と人の距離に比例して、
お腹の中も、少しずつ似ていく。
一番おもしろかったのは、
村の真ん中にいる人ほど、
村全体と似た腸内細菌を持っていた。
日本人の腸内細菌は、まだ「個人」
日本人の腸内細菌は、
たくさん調べられてきた。
ビフィズス菌が多いとか、
和食がどうとか。
でも、
「誰と生きているか」で菌がどうなるかは、
ほとんど見られていない。
たぶん、これから見えてくるもの
今、日本の企業も、
腸内細菌と、個人の背景を集めて、
膨大なビッグデータ解析を始めている。
これまで腸内細菌は、
ずっと「個人のデータ」だった。
でもこれからは、
人と人のあいだにあるものとして、
読み解かれていくのかもしれない。
腸内細菌は、“社会”
腸内細菌は、人格をつくるものじゃない。
でも、
人がどんな社会に身を置き、
どんな距離で、どんな頻度で、
他人と触れてきたか。
その積み重ねが、
日々の気分の土台になっている気がする。
一緒にいると、なんか似てきたね、は
これが原因かもしれないし、
たとえば、
多くの人と握手し、会食し、
同じ空間で長い時間を過ごす人。
そういう人の腸内細菌は、意図せずして、
「平均的な社会」に近づいていく可能性がある。
