【49歳未経験から海技士への挑戦】造船所と機関室で体感した「本物の現場」

4月24日、金曜日
【49歳未経験から海技士へ】
私の挑戦は、今日、教室を飛び出し「現場」へと舞台を移しました。
学校での座学も大切ですが、やはり百聞は一見にしかず。
今日は課外授業として、熊本新港から島原市へと向かいます。
目的は造船所の視察、そしてフェリーの心臓部である「機関室」の見学です。
一体、どんな景色が待っているのか。
期待と少しの緊張を胸に、港へ向かいました。
熊本新港から島原へ。高速フェリーで向かう「動く教室」
朝、下宿先からフェリー乗り場までは、車を所有している仲間の助手席に乗せてもらい辿り着きました。
40代後半にして、こうして誰かの車に乗り合わせて「学校の行事」に向かう。
その状況自体が、数ヶ月前までの私には想像もできない、新鮮でどこか気恥ずかしくも楽しい時間です。
港には37名のクラスメイトが無事に全員集結。ここから島原行きの高速フェリーに乗り込みます。
いざ出航すると、そのスピードに驚かされました。
白波を立てて進むフェリーの勢いに乗っていると、わずか30分ほどの航海は、文字通り「あっという間」に過ぎ去っていきました。
操舵室と機関室の視察。教科書が「現実」に変わる瞬間


短い乗船時間でしたが、その中身は濃密でした。特別に許可をいただき、操舵室と機関室を見学させてもらったのです。
まず足を踏み入れた操舵室。
そこには、見渡す限りの蒼い海と空が広がっていました。
遮るもののないパノラマの景色は、まさに爽快の一言。
プロの航海士が握る舵の重み、そしてそこから見える景色の美しさに、自分が目指している世界の素晴らしさを改めて肌で感じることができました。



続いて向かったのは、船の底、機関室です。
先ほどの爽快な景色とは一転、そこは重厚な機械音と熱気に包まれた「鉄の迷宮」でした。
学校の教科書で図解として見ていたエンジンや配管が、巨大な実体となって目の前で鼓動している。
その迫力に圧倒されながら、学んだ知識を必死に目の前の構造と照らし合わせました。
やはり、現場の体験は教科書の何倍もの情報量があります。
目で見て、音を聞き、熱を感じる。
そのすべてが、学びの血肉になっていく感覚がありました。
造船所の圧倒的迫力。陸に上がった巨大船の真実

島原に到着後、向かったのは造船所です。
そこには、さらなる驚きが待っていました。
普段、私たちが目にしている船は、水面に浮いている「上半身」に過ぎません。
しかし、メンテナンスのために陸に上げられた大型船は、その巨大な全貌をさらけ出していました。
見上げるほど高い船底。
普段は水の底に隠れているスクリューや舵。
「こんなに大きなものが、あんなスピードで海を走るのか」
その圧倒的なスケール感に、ただただ息を呑みました。
学校で学んだ浮力や構造の理論が、この巨大な鉄の塊を支えている。
その事実に感動を覚えずにはいられませんでした。





大人の社会科見学の後は、仲間と温泉で語る「これからの20年」
3時間弱の濃密な視察を終え、現地で解散となりました。
その後、乗り合わせの仲間たちと近くの温泉へ。
湯船に浸かりながら、自然と話題はこれまでの2週間、そしてこれからの未来のことになりました。
「まだ2週間しか経っていないけれど、もう何ヶ月もここにいるような気がするな」
誰かがポツリと言いました。
慣れない勉強、共同生活、そして将来への不安と期待。
それらが凝縮された毎日は、大人の私たちにとってそれほどまでに濃いものだったのです。
話題は、徐々にそれぞれの「就職先」の話へ。
49歳。
決して若くはない挑戦。
それでも、今日見た現場の迫力、そして温泉で語り合える仲間の存在が、「この業界でやっていくんだ」という決意を静かに、しかし強く後押ししてくれました。
次回は、まだ就職が決まっていない方々や、この4.5ヶ月の養成講座中にどのように就職先を見つけるかといった、私たちの「リアルな就活事情」についてお話しできればと思います。
【結びに代えて】
ここまで読んでくださったあなたに、心から感謝いたします。
これは「完璧な誰か」の物語ではなく、試行錯誤を繰り返す一人の人間の、現在進行形の記録です。
第1話から順に読み進めていただくことで、単なるエピソード以上の「物語としての重み」を感じていただけるかもしれません。
あなたの「スキ」や「フォロー」が、暗い夜道を照らす灯火のように、この連載を続ける勇気をくれます。
その温かな反応のひとつひとつが、私がこの連載を書き続けていくための、何よりの原動力になります。
