【49歳未経験からの海技士挑戦】フェリー機関室の迫力と、天草の海で深まった仲間との絆
4月16日 木曜日
49歳、未経験からの海技士資格への挑戦。
今日は教室を飛び出し、熊本県天草の牛深(うしぶか)での課外授業です。
支給された制服に身を包み、現役で活躍するフェリーの裏側を体験してきました。
普段は決して見ることのできない操舵室や、想像を絶する機関室の熱量。
そして、共に学ぶ仲間たちと過ごした充実のひとときを記録します。
天草・牛深でのフェリー見学 49歳で初めて足を踏み入れる「船の心臓部」
学校から車を走らせること約2時間。
天草本島の南端に位置する牛深の街に到着しました。
支給されたばかりの真っさらな制服に袖を通すと、身が引き締まるような思いと、49歳にして新しい世界へ飛び込む気恥ずかしさが入り混じります。
今回の目的は、島から島を繋ぐ生活の足である「フェリー」の内部見学。
それも、乗客としてではなく、将来の職場となるかもしれない「機関部」を肌で感じることです。片道30分ほどの航程を利用し、少人数のグループに分かれて、いよいよ未知の領域へと足を踏み入れました。
操舵室と機関室の衝撃 計器の羅列と「自室より綺麗な」エンジンルーム



快晴の海を見渡す操舵室の絶景
まずは操舵室(ブリッジ)を見学させていただきました。
扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは整然と並ぶレーダーや複雑な計器類の数々。
正直なところ、今の私にはどのスイッチが何を意味するのか全く見当もつきませんが、その機能美に圧倒され、思わずテンションが跳ね上がりました。
何より素晴らしかったのは、そこから見える景色です。この日は雲ひとつない快晴。
操舵室の窓越しに見るエメラルドグリーンの海は、客席のデッキから眺めるものとは比べものにならないほど美しく、これからこの景色を背負って仕事をするかもしれない未来に、胸の高鳴りを抑えられませんでした。
迫力の機関室で見つけた意外な「清潔感」





続いて、私たちの本分となる機関室へ。
階下へ降りると、そこには圧倒的なスケールのエンジンが鎮座していました。
最も驚いたのは、その「綺麗さ」です。
油にまみれた薄暗い場所を想像していましたが、実際にはチリひとつなく、私の部屋よりもずっと整理整頓が行き届いていました。
一方で、環境は過酷です。
唸りを上げるエンジンの音は凄まじく、隣にいる仲間の声さえかき消されるほど。
しかし、その轟音の中で力強く動く巨大な機械の姿は、理屈抜きに「カッコいい」と呼べる迫力に満ちていました。
約1時間の探索は、学びというより、プロの現場への畏敬の念を深める時間となりました。
仲間と過ごした至福のひととき 海鮮丼と露天風呂での「裸の付き合い」

海の街ならではの新鮮な海鮮ランチ
下船して授業が終了した後は、共に学ぶ仲間たちとのプライベートな時間です。
今回は、同じ志を持つ仲間の車に同乗させてもらい、4人での道中となりました。
立ち寄ったのは、地元でも評判の海鮮料理店。
運ばれてきた海鮮丼は、海の街・牛深ならではの鮮度で、一切れごとに磯の香りと旨みが広がります。
厳しい勉強の日々を忘れるような、幸せなランチタイムとなりました。
360度パノラマの絶景温泉で語り合う

食後、さらに親睦を深めようと地元の温泉へ向かいました。
ここで経験したのは、今回初めて本格的に交流する仲間との「裸の付き合い」です。
360度、ぐるりと海に囲まれた絶景の露天風呂。湯船に浸かりながら、これまでのキャリアのこと、これからの勉強の不安、そして海技士を目指した理由。
気づけば2時間、熱く語り合っていました。
一人で机に向かっているだけでは得られない、強い連帯感。
下宿先に着く頃には夜になっていましたが、心は驚くほど軽く、新たな活力が湧いてくるのを感じました。
リフレッシュを糧に、再び試験勉強の日常へ
息抜きができ、心身ともにリフレッシュできただけでなく、同じ目標を持つ仲間との絆が深まった、最高に有意義な一日となりました。
明日はまた、通常の学校生活に戻ります。
このリフレッシュを無駄にしないよう、この後は机に向かい、試験勉強に励むつもりです。
今日見たあの誇り高い機関室の風景に、いつか自分もプロとして立ち会える日を信じて。
【結びに代えて】
ここまで読んでくださったあなたに、心から感謝いたします。
これは「完璧な誰か」の物語ではなく、試行錯誤を繰り返す一人の人間の、現在進行形の記録です。
第1話から順に読み進めていただくことで、単なるエピソード以上の「物語としての重み」を感じていただけるかもしれません。
あなたの「スキ」や「フォロー」が、暗い夜道を照らす灯火のように、この連載を続ける勇気をくれます。
その温かな反応のひとつひとつが、私がこの連載を書き続けていくための、何よりの原動力になります。
