【49歳未経験から海技士への挑戦】海技士への道と、覚悟の先行投資

4月23日、木曜日
雨が降り続く熊本県は、冬に逆戻りしたような肌寒さに包まれています。
冷え込む空気の中でも、学校の門をくぐれば学びの時間が始まります。
49歳、未経験からの海技士資格への挑戦。
今日は、講師の先生が作成したオリジナル過去問題集との格闘でした。
記憶力と睡魔との戦い。それでも「学び」が楽しい理由
机に向かい、淡々と問題を解き進める時間は、静かな自分との戦いです。
正直に言えば、歯がゆさの連続です。
歳を重ねるごとに脳も衰えていくのか、ひとつのことを覚えるのにも時間がかかり、記憶が指の間からこぼれ落ちていくような感覚になることがあります。
それでも、やらねば合格は掴み取れない。
その事実は自分が一番よく分かっています。
学校で必死に頭を使い、帰宅してからも下宿先でノートを広げる。
学生時代を含めても、これほどまでに勉強に没頭した日々はなかったかもしれません。
体力の衰えには抗えず、目は極度に疲れ、たびたび猛烈な眠気が襲ってきます。
けれど、不思議なことに、今の私は「学び」が楽しくて仕方がないのです。
新しい知識が自分の中に積み重なっていく感覚は、何物にも代えがたい喜びです。
14万円の決断。小型船舶免許1級への挑戦
そんな折、学校からひとつの案内がありました。
現在受講している「6級海技士養成講座」とは別に、小型船舶免許1級取得の募集。
受講料は140,000円。
決して安くない、むしろ今の私にとっては大きな金額です。
最初は「これ以上の出費は無理だ」と、取らない決断をしていました。
しかし、立ち止まって考えました。
1級を学ぶことで、航海、気象、法規、そして安全についてより深く知ることができる。
それは単なる免許証以上の価値、つまり「船長としての視点」や「機関トラブルが航海に与える影響」を理解するための、大きな武器になるのではないか。
船という世界の全体像を掴みたい。
その思いが、迷いを上回りました。
明日は船の工場見学。学びの歩みは止まらない
想定していた予算の上限を超え、これからの生活はさらに厳しくなるでしょう。
けれど、これは「未来の自分」への先行投資です。
なんとかお金を工面し、このチャンスを掴み取ることに決めました。
覚えることはまたひとつ増えますが、苦労すらも楽しみながら、前を向いて歩んでいこうと思います。
明日は教室を飛び出し、船の工場見学へ行ってきます。
現場の空気に触れることで、また新しい発見があるはずです。
結びに代えて
ここまで読んでくださったあなたに、心から感謝いたします。
これは「完璧な誰か」の物語ではなく、試行錯誤を繰り返す一人の人間の、現在進行形の記録です。
第1話から順に読み進めていただくことで、単なるエピソード以上の「物語としての重み」を感じていただけるかもしれません。
あなたの「スキ」や「フォロー」が、暗い夜道を照らす灯火のように、この連載を続ける勇気をくれます。
その温かな反応のひとつひとつが、私がこの連載を書き続けていくための、何よりの原動力になります。
