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k_jack_norio
毎週ショートショートお題 「キャトルイルミネーション」
クリスマスのシーズンになるとロバートは家畜の牛や馬に電飾をつけ、夜の牧場をキラキラと彩ってみせた。
「キャトルイルミネーション」と名付けられたそのイベントは人気を博し、牧場に訪れた客は売店に用意されたホットワインやチーズなどのつまみに、物珍しいイルミネーションを楽しんでいた。
牧場の近くに住むサムは、その日深夜3時頃に牧場の方で円錐状の光を目撃していた。仕事で帰りが遅くなったサムは今年はツリーまで設置するのかと、車から見えるイルミネーションの光とイベントの盛況ぶりに感心していた。
しかし、その年のイベントが開かれることはなかった。
サムが円錐状の光を目撃した翌朝、争った様子も血痕も残すことなく、まるで初めから存在しなかったように牧場から姿を消してしまったのだ。無論サムが目撃したツリーなど牧場のどこにも設置されてはいなかった。
誰もいなくなってしまった牧場からは、残された家畜達の鳴き声だけが物憂げに響いていた。
