あの人の苗字になる自分の名前がお気に入りだった
”特別”ってなんであんなに尊いのだろうか。
人はみな、ユニークな存在になりたいと願う。
その他大勢の中で、自分の居場所を作らなければならないからだろうか。
でも、それは、果たして誰から見た居場所なのだろうか。
かく言う私もユニークな存在になりたくて、なれないと感じて、もがいた。
”あの人”と出会った時、私は一目見て心を奪われた。
”特別”だと感じた。
”あの人”は、また、私を”特別”だと言ってくれた。
“特別”な苗字になりたい。
小さい時から、結婚に憧れがあるのと同様に、私はユニークな苗字に憧れをもっていた。
”あの人”に会って2日目で、苗字を聞いた。
どんなユニークになれるのかな?
”あの人”の苗字は、平凡すぎるものであった。クラスに絶対2人はいる苗字。
でも、私はあの人の苗字になる自分の名前がお気に入りだった。
その名前でこれからの人生を生きていけるなんて、ゼイタクすぎる。そう思った。
自分の居場所はここ。ここにいていい。
いつしかそう思えた。
でも、私が”あの人”の苗字になる自分の名前で生きる未来は、私の虚構であった。
私の人生での”あの人”の役割はここまでだったのだろうか。
そう、自分を納得させ、今日も私は自分を生きる。
”特別”への焦りはもうない。
みも
