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【パートナー研究者インタビュー】女性研究者の新しいロールモデル〜ライフイベントとキャリアの両立〜

今回は「女性研究者としてのキャリア形成とライフイベントの両立」がテーマです。

A-Co-Laboのパートナー研究者であり、看護学研究者から起業家へとキャリアを広げた田原さんに、研究活動と育児の両立、そして新たなビジネスへの挑戦についてお話しいただきました。
看護と工学の融合という独自の研究分野で活躍しながら、看護研究支援事業を立ち上げるまでの経緯や、研究者としての視点を活かしたビジネス展開において何を大切にしているのか? A-Co-Labo代表の原田が深掘りしていきます。




田原さんの自己紹介と専門分野

田原 裕希恵


大学の看護学部を卒業後、病院で看護師として5年間勤務。やりがいを感じる一方で、多忙な現場を経験し、人の力だけでは日本の医療を支え続けることが難しいと実感。その思いから、看護×工学をテーマに大学院へ進学。工学機器を活用した可視化研究や、看護師の機器活用に関する研究に従事。卒業後は大学教員(常勤・非常勤)を経て、現在は大学に所属しながら個人で看護研究支援事業を展開。初心者でも取り組みやすい環境を整え、看護師の研究活動を支援している。



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田原さんのご専門や、実際にどんな研究をされていたのか、お伺いしてもいいですか?

田原さん:私の研究分野は看護学です。ずっと一貫して工学と看護の融合のような領域の研究をしています。
修士の時に取り組んだのは、高齢者が病棟で転倒してしまう問題に対する転倒防止センサーの研究です。病院でよく使われている、立ち上がるとアラームが鳴るシステムがあり、そのシステムを看護師がどのように活用しているのか、またそのシステムによって患者さんにどのようなケアを提供しているのかを調査しました。
その研究を進める中で、工学への興味がますます湧いてきて、大学を移って工学機器を使った研究にシフトしました。
博士課程では、歩行に関する研究を行い、抗がん剤の副作用で足の裏に潰瘍ができる問題に取り組みました。潰瘍の原因となる力が垂直方向なのか水平方向なのかを解明するため、足の裏にセンサーを取り付けて調査しました。

面白いですね。私も靴擦れに悩んだりするので、興味深いです。

田原さん:研究結果としては、水平方向のズレが潰瘍を引き起こす原因になりそうだという結果が出ました。
例えば、足に優しい靴を選ぶときにふかふかのクッション入りの靴を選びがちですが、それは垂直方向の力を軽減するための工夫です。一方で、ぴったりとした靴を選ぶことは、足が靴の中でずれないようにするために重要です。
今も「歩行」をテーマにした研究を続けており、歩行時の関節角度や筋肉量を測り、関節可動域から早老症の方々の生活パターンや、関節可動域が狭くなるスピードを研究しています。

看護と工学の融合に興味を持ったきっかけ


看護と工学の融合に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
看護師としてのご経験などから課題を感じたのでしょうか?

田原さん:ぜひ聞いていただきたいです。
病院での勤務は楽しかったのですが、本当に大変で、体力的にクタクタでした。一生懸命働き、やりがいもありましたが、仕事が全然楽にならず、むしろどんどん仕事が増えていく一方だったんです。
そのときにふと思ったのは、「少子高齢化が進む中で、このままのスタイルでは私も含め、みんな看護師を続けられないかもしれない」と感じたことです。
「マンパワーだけでは足りない。マンパワーに代わるものは何か?」と考えたとき、それが工学的な仕組みではないかと思ったんです。工学的な仕組みがあれば、もっと簡単に体を移動させたり、作業が効率化できるかもしれませんし、看護と工学が融合すれば、看護師の働き方が変わるんだろうなと感じました。それが研究の道に進むきっかけでした。


研究者としてのキャリアとライフイベントの両立、起業まで


看護の現場も研究の現場も忙しい部分では変わらないと思いますが、出産や育児との両立において迷いや不安はありましたか?

田原さん:もちろん、「こうありたい」という理想はありました。
バリバリ働いて活躍している先生方の後ろを追いかけて、「私もああなりたい」と思ってやっていましたが、体力が追いつかず…。最初はその自分の状態を受け入れられず、体調を崩して自己嫌悪に陥ることもありました。
今は少し割り切れるようになり、体力の限界を認め、最優先は子どもとの時間だと、自分の中で優先順位をつけられるようになりました。

研究に割く時間を減らしているのでしょうか?

田原さん:私は常勤職を辞めて、特任助教にシフト、現在は柔軟な働き方をしています。研究を完全に止めることなく、助成金の継続的な取得や研究フィールドとの接点を保ち続けることを心がけています。子育て期間中は物理的に100%の力を出せませんが、それでも続けることが大事だと思っています。

起業を決意したきっかけは?

田原さん:通勤時間の長さや業務負担から体調を崩し、子育てとの両立を考える中で在宅勤務ができる環境を求めて起業を決意しました。自分の知見を活かせるフィールドで働きたいと思い、個人事業として起業しました。
実は保育園の入園要件として、起業した方が有利に働くかもしれないと思ったのも一つの理由です(笑)。

田原さんが立ち上げた事業について教えてください。

田原さん:看護現場の研究活動支援に注力しています。臨床研究を行う看護師に対し、研究に取り組む際のハードルを下げ、研究を通じて現場を改善できる成功体験を積み重ねてもらうことを目指しています。

研究者の多様な生き方と未来のキャリア


研究者のキャリア形成について、ライフイベントを控える人に向けた視点をお願いします。

田原さん:上を見上げればキリがなく、焦ることもありますが、キラキラした世界に届かない自分を責めるのではなく、無形の価値を実感できることに幸せを感じるようになりました。臨床調査では、患者さんから「ありがとう、待っていたよ!」と言われることが、何よりの幸せです。
この「待っていたよ」という言葉は、より良い医療に向けて私の研究に対する期待を示してくださっていると同時に、身の引き締まる思いを感じさせてくれます。
事業もスタートしたばかりでまだ成り立っているとは言えませんが、「私が研究をしているとき、こういうサービスがあったらよかった」と言ってもらえることが、私にとっては大きな励みになっています。

もしキャリアリセットできたとしても研究者を選びますか?

田原さん:選ぶと思います。研究には時間と労力がかかりますが、理解が深まったときの喜びは私だけが感じることができる特権だと思っています。

最後に、研究者に向けたメッセージをお願いします

田原さん:「自分の強みを棚卸しする時間を設けて、その上でできる範囲で研究を続けてほしい」と伝えたいですね。研究は苦しさもありますが楽しいですし、続けることで見えてくるものがあります。

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編集後記
インタビューを通じて感じた「自分の棚卸し」の重要性と「研究を続けるための手段」。
田原さんのお話から、研究活動とライフイベントの両立に向けた新しい可能性が見えてきました。自身の専門性を活かしながら柔軟なキャリア形成を進める姿勢は、同じような課題に直面している研究者にとって、大いに参考になると感じました。
田原さん、次回は女性研究者の育児のお話もぜひお聞かせください!
田原さんの事業はこちら。

Medi.Ns.Lab.


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弊社では研究者が持つ、研究経験・知識・スキルを活かして企業の課題を解決することを目的としています。研究者のキャリア問題に課題を感じている研究者3名で立ち上げました。

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また、A-Co-Laboは企業でのビジネス経験を持つ研究者で運営しています。自身の研究者としての経験を活かしたキャリア形成について、いつでも無料で相談が可能です。

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