二つの詩集
オリジナル詩集|『砂の詩集』『マチ子の欠けら』
本記事には青い鳥書店の二枚看板、重吉陽一郎のオリジナル詩集『砂の詩集』『マチ子の欠けら』が収録されています。
単品での購入よりもお得なセットでの販売です!
青い鳥書店の〈看板鳥アオ🐦〉がPOPを作ってくれました♪♪
「世界はそれぞれ閉じられておる」
デパートで迷子になる混沌。
洞窟で祈る動物たち。
砂浜で亀を待つ人々。
どこか夢のようで、
どこか現実。
読んでいると、
自分の中の静かな場所が
少しだけ揺れる。
21篇の詩がつくる
小さな宇宙。
詩集『砂の詩集』
この詩集、
街になっています。
地下の扉を開けると
ちゃぷん。
温泉街、風鈴、夜のバー、
くじら先生、詩人S氏、
そして月。
詩を読んでいるはずなのに、
いつのまにか
ひとつの街を歩いている。
🌙
詩集『マチ子の欠けら』
読む詩集ではなく、
迷い込む詩集。
こんな声も届いています。
『砂の詩集』に
世の中は速く走る者ばかりを称賛します。けれど、この詩集は教えてくれます。必死に走る先頭集団にキラキラと大地の汗のような砂を掛ける勇気を。
それは、誰かの決めたレースを降り、自分自身の足音を取り戻すための儀式です。
たとえ社会から周回遅れだと指をさされても、あなたの歩みには、走っている者には決して見えない「砂の城」の美しさが宿っています。
「止まったって遅れたっていいんだ、生きよう」。
この一言に救われる夜が、きっとあなたにもあるはずです。
「脳内に映し出される、美しくも不穏な21の短編映画。」
逆さまの闇に浮かぶ植木鉢、砂嵐が吹き荒れる玩具のTV、深海の魚が口を開く瞬間。
本書は、文字で綴られた「シュールレアリスムの画集」です。
ダリやマグリットの絵画を彷彿とさせる奇妙なイメージと、デパートや洗濯機といった生活の匂いが混ざり合い、読者の脳内に強烈なヴィジュアルを焼き付けます。
「世界さん」と「鈴木さん」が縁側で繰り広げる、とぼけた、けれど真理を突いた対話。
あなたの感性をアップデートする、知的で刺激的な読書体験へ招待します。
『マチ子の欠けら』に
幻想的な街を巡る、言葉の旅。
「わたしはわたしの形の水を自覚した」
地下へ続く階段を降り、黒い扉に触れた瞬間、あふれ出したその音。
「もふぁもふぁとした羊の雲」から始まり、「月行きの切符」を手にするまで。
本書は、現実と夢の境界線が溶け出す不思議な街を歩くような連作詩集です。
あなたはいつから、自分の形を忘れてしまいましたか?
誰かの期待に応えるたび、心にぽっかりと空いた穴。その穴を埋めるのは、正論でも成功でもなく、マチ子が拾い集めた「あまりにも美しく、奇妙な欠けら」たちです。
くじら先生の不思議な授業、折れた角を持つ青鬼、夜中の車道に光るエモい矢印。
一見バラバラな言葉の断片が、あなたの心の穴にぴたりとはまり、体温を宿していく。
読み終えたとき、鏡に映る自分を、少しだけ愛おしく思えるはずです。
「これは、わたしの欠けら。そして、あなたの物語。」
詩集を読んでGeminiちゃんが書いてくれました🤖
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『砂の詩集』
吃水
ツ
ツツツと波頭に遊ぶ
吃水って言葉が好き
砂浜の
まぶしい風景
デパートでママを呼ぶ
子供みたいに
亀を待ってた
振返ると
同じように
待つ人々が座っていた
希望のように
やって来るのか
深海の
名もなき魚の口が
ぬっ
と開いた
混沌観察
(ママ)
呼ばれた気がして
行かなければ
なのだけれど
デパートを抜け
地下街にいた
誘惑の激しい
花屋の前を何度も通る
きっと
花屋しかないのだろう
きっと
それを観るしかないのだろう
(枯れてしまうのです)
白状すると
(では)と指差す
カクタスの横の
混沌
と書かれた花
中心は
悪夢の種のように渦巻いていた
そこに
わたしの混沌があった
植木鉢が逆さの闇です
小さなひとかたまりの土を
ずらずら並べ
そのひとつひとつに
悪夢の種が蒔かれました
じんじんと
お昼まで残るような悪夢です。
灰色の蛙です
真暗でありました
植木鉢が
逆さの闇です
助けが必要なのです
針が迫る
風船のようでした
ワレはふくらみます
夢はふくらむものなのです
闇いっぱいに
もう
跳ぶことなんて出来ません
大きな手が迫ります
きらり
カラフルなお菓子みたいだ
ぼくはうれしくて
ぴょんぴょん跳ねた
天井が低くて
頭から星が出た
次々と生まれて
星々となった
地球がきらりと輝いた
〈時間は頭の中にあります〉
ぼくは何かを忘れた気がした
空洞問題
〈空洞〉
には何があって
彼を苦しめるのか?
置きざりにされた過去
「そのような事実は
認められませんでした」
ならば
球体に閉じ込められ
一体どこなのか
わからなくなったのです
玩具です
カラフルな
はい
さっきまで
ありました、では
どこへ
母は、一体どこへ
球体から見える
燃えあがる恒星を
空洞に
焼き付ける
極小のワレワレの球体
許されよ
混沌!
玩具TV
真っ暗な真昼の部屋で
カーテンがゆれている
さっぱりとしたテーブルの上に
置かれたコップは
硬い水に満ちている
つけっぱなしのTV
〈砂嵐が来る〉
少年の影
猛烈な風に
チカチカあらわれる
玩具
チューインガムの味
三角の
棘の風が
うすくやわらかい
画面を超える
ゆうらりゆらり
枯れていた
コップも
詩人
目をひらくと
目の前の机の上に
二冊の本がありました
一冊は閉じられており
きらきらと輝くその本を
開いて目次をみてみると
「映る世界」
「絡まる世界」
「変わる世界」
「降る世界」
「溶ける世界」
と続く世界がありました
もう一冊は開かれていて
その上に
パーカーの万年筆が置いてありました
最初からページをめくると
白紙の海に
ブルーのインクで
「吃水…」
という言葉だけが
滲んでいます
すっかり夜でした
わたくしは詩を書く人
そう心に刻みました
世界の縁側・桃
世界さんは云いました
「世界はそれぞれ閉じられておる」
続けて
「隣の世界を覗くことは出来ない」
鈴木さんはふんふん
と云いながら
お茶を啜ります
(急須で世界さんが淹れました)
「たとえば、この羊羹
わしは漱石の羊羹として食べる
するとうまいうまい
世界さんが食べる羊羹とは
同じなようで全く違うんじゃ」
「それな」
ずず、ずと
お茶を啜り啜り
羊羹を堪能しました
庭の、
桃の花が
きれいです
くとうてん
過ちを
涙で洗い流す
夢のようなことを
思いながら今日も
洗濯機のスイッチを押す
夜中の女の
悲鳴のような音がする
壊れそうだ今日も
ぐるぐるん回る
ちっぽけな自分
地球は歪んでいる
地球は美しい
世界は寂しい
世界はそうぞうしい、
宇宙は。
中十七
「ひさしぶり」
雲ゆるゆると
月に添ふ
青空が邪魔をした
青天の霹靂、青空が、青空が邪魔をしたんです私達の、あれも、これも、それもどれも駄目になって、別に、月へ行きたいわけじゃないのよ、ハワイでもハノイでもないし、って話、なのに、あの紙も、この紙も白く破れて、愚痴のひとつやふたつ、みっつやよっつ言ったって罰は当たらないでしょう、だから、全部、この、この青空のせい、青空のせいにしました、はい、お気の毒さま、けれど、大声で叫んだって全部全部全部、ずうずう吸い込んでくれるでしょう、許してね、そんな私を、許してね、そんな日々を、ああ千言がようやく空に溶けて、あした
砂の城
ラクダのこぶに
さらさらと
砂が降り積もる
その光景は
僕をなぐさめてくれる
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