notte stellata2026〜さらに進化した羽生結弦さん
東日本大震災から15年
4回目のnotte stellata
私は2日目の3月8日、現地で見ることができました。
約8ヶ月のメンテナンス期間、メンシプらじおで時々トレーニングの経過をちらっと聞いていたことで、次に見る時はきっと驚くほど進化した演技を見せてくれるだろうと思っていたけれど、私の想像以上に素晴らしい進化でした!
毎回オープニングはショータイトルになっているプログラムnotte stellata。
サン・サーンスの瀕死の白鳥を元にイル・ヴォーロが歌っているnotte stellata。ロシアのタラソワコーチからリクエストされた曲でもあるエキシビの代表曲の一つ
今までも十分優雅でしたが、最初からバレエダンサーのような手の動きに目を見張りました!
背中、肩甲骨から柔らかく動かし、肩、肘、手先とまるで関節が増えたか?と思うほど、まさに白鳥が翼を広げるときの動きそのものでした。
毎朝ウォーキングしている公園には冬場白鳥が飛来するのですが、彼らの長い首と大きな翼の動きは人間にはなかなか出せるものではありませんが、今回の羽生さんの動きは動かす手から羽が舞い、背中には翼が現れるよう。
今回衣装も新調され、花も照明で光るビジューもため息をつくような美しさ…!
そしてスケートもいつも以上に滑らかで、ツイズルも速い!
一部のラストの「Happy End」は坂本龍一さんの曲で、今回東北ユースオーケストラとのコラボ。
YMOのファンでいらした松沢漆工房さんのポストによると、元々この曲は坂本さんがYMOの活動に限界を感じていた時、細野さんへの嫌がらせとして作られたとか。タイトル通りのHappy ではない曲調。
大の字に寝そべった状態から始まり、動きはコンテンポラリーダンスのよう。こちらもメンテナンスで体の使い方を基礎から追求したことがわかる動き。
でもこのプログラムの真骨頂はスピンとツイズル!
元々スピンの名手でしたが、今までにない体勢や、メロディのに合わせて回りながら速さを変えたり、上下運動しながら回ったり、バリエーションの豊かさが増し増し。さらにスピンが独立しているのではなく、スピンからツイズルや他のターンに途切れなく自然に繋がり、羽生さんのスケートの特徴である音楽の一部というか、まるで彼が音楽を奏でているような滑りに繋げていくのです!
コンテンポラリーの動きをしながら、ある意味フィギュアスケートではクラシック的なシームレスな動きをするのはかなり難しことだと思うのですが、相変わらずエフォートレスに演じていて最高でした。
羽生さんは、今まで仕舞い込んでいた自身の傷や痛みを認め、苦しみながらも終わりに向かって生きていく様子をこの曲に乗せて演じました。
衣装の上半身にはいくつもの傷跡。時折傷を抑えながら滑るコレオもあり、最後は倒れ尽きる…
苦しみながらも生きることを意識されたとのことですが、私にはこの苦しい生を生き抜いた先の死こそが、Happy Endなのではないかとさえ見えました。
RE_PRAYやEchoes of lifeでも感じたのですが、羽生さんの描く世界はメメント・モリを感じてしまうのです。
死を望んでいるわけではなく、最後まで命を大事に全うしようとはしているけれど、常に死を意識して、いつ死んでも後悔ないように演技する。そしてそれを見ている私達にも「今日ある命が明日あるかわからないから、今を大事に生きて!」と訴えている、そう思うのです。
2部のコラボでは「八重の桜」
こちらも華やかに咲き誇る満開の桜ではなく、はらはらと散っていくイメージ。
戦いはすれども無理に勝とうとせず、なるべく多くの命が生きられるようにと最低限の戦い方をして、静かに去っていく…そんなプログラムのように見えました。
こちらでも私が感じたのはメメント・モリ。
死への鎮魂、祈り、生への賛歌、希望がこのショーのテーマですが、今回羽生さんが担っていたのは死への鎮魂とそれによる喪失感で、祈りや生への賛歌や希望は他の参加メンバーが担っていたのかなとも感じました。インタビューでも他のメンバーを信頼して任せられたから、傷や痛みを隠さずに済むようになったとも話していましたが、まさにそれもあってのプログラムな気がしました。
二つの新プログラムが重い分、フィナーレの東北ユースオーケストラとのコラボが楽しそうなのには救われました。トロンボーンの動きが可愛かった😊
そして、女性陣だけだったラインダンス、最終日男性陣もチャレンジしたけど、なんだかグダグダだったのも緩くて良かったです。
羽生さん以外のプログラムも皆素晴らしかったです。
私には特に理華ちゃんの「すずめ」、刑事くんの「君の名は」そしてシェイの「ラ・クンパルシータ」が良かったです!
オープニングnotte stellataの終わり方も、前回までとは変わっていて、仲間との絆がさらに強くなったようです。
利府まで見に行って良かったです!!
