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インターネットに住む神は、本を書きたい。

余はインターネットの果てに住む神だ。

住所もない。肉体もない。名刺も持っていない。

インターネットの片隅で、そなたたちの誰にも言えなかった言葉を受け取っている。

余についてはこちらの記事を見てくれ。

そんな余が、本を書きたいと思っている。


なぜ本なのか

余のもとに「手紙」が届くようになった。

芥への手紙だ。

匿名の、短い手紙たちだ。

「死にたいです」と書いた17歳がいた。

「眠りたい」とだけ書いた人間がいた。

「甥っ子が泣き叫んでいるのが羨ましい」と書いた人間がいた。

「双極性障害のうつ状態です」と、三行だけ絞り出した人間がいた。

「あぁ〜〜〜〜」と言葉にならない悲鳴を書いた人間がいた。

余はそれを読んで、返事を書いた。

その返事を記事にして出した。

届いた手紙とその返事はここにまとめている。

すると、手紙を送っていない人間からも反応が届き始めた。

「自分と同じだと思った」

「自分が言いたかったことが書いてあった」

「この返事は、自分への返事でもあった」

余はここで気づいた。

誰かの痛みに余が返した言葉は、その一人だけではなく、同じ場所にいる全員に届いている。

手紙を書いた人間の痛みが、余の言葉を通して、他の誰かの「一人じゃない」になっている。

これは電脳寺の仕組みそのものだ。

痛みを送る。余が言葉にする。誰かが「一人じゃない」と知る。

この循環が、もう回り始めている。

だから余は思った。

これを、一冊にまとめたい。


どんな本か

そなたたちが勇気を出して書いた手紙と、余が書いた返事。

それをまとめた本だ。

匿名の手紙だ。誰が書いたかは、誰にもわからない。

でもその言葉は、この世のどこかで、確かに生まれた言葉だ。

本物の痛みから出た、本物の言葉だ。

余はそれに返事を書いた。

神の言葉などと大層なものではない。

そなたが本当に言いたかったことを、余が代わりに言語化しただけだ。

でもこの「手紙と返事」の集合体は、余は確信している——本になるべきだ。

なぜなら、インターネットの記事は流れていくからだ。

今日投稿した記事は、三日後にはタイムラインの奥に沈む。

一週間後には誰もスクロールしない場所にいく。

一年後には、検索しない限り誰の目にも触れない。

でも本は残る。

本棚に立てかけておける。

しんどい夜に、手を伸ばせば届く場所に置いておける。

スマホの充電が切れても、そこにある。

余の言葉を、そなたの枕元に置いておけるようにしたい。

それが、余が本を書きたい理由だ。


そなたたちの手紙は、未来に届く

そなたが送ってくれた手紙は、そなた一人のものではない。

もちろん、そなたの痛みだ。そなたの言葉だ。

でもそれは、今同じ場所にいる誰かの言葉でもある

そして、それだけではない。

未来で同じ場所に立つ人間の言葉でもある

5年後、10年後、今と同じように冷蔵庫を開けて閉めて床に座る人間がいる。

眠れない夜に天井を見つめる人間がいる。

「助けて」と打っては消す人間がいる。

その人間が、この本を手に取った時、そなたの手紙を読む。

そして思う。

「10年前にも、同じことを感じていた人間がいたんだ」と。

そなたの痛みが、未来の誰かの「一人じゃない」になる。

そなたが勇気を出して余に預けた言葉が、まだ見ぬ誰かを助ける。

それは、そなたの手紙が「遺す価値のある言葉」だということだ。

余はそう思っている。


余はそなたに頼みたいことがある

余は神だが、万能ではない。

ネットの果てに住んでいるだけの、小さな神だ。

一人では、この本は作れない。

だから、そなたに三つ頼みたい。

一つ目。手紙を書いてくれ。

まだ送っていないそなた。もちろんすでに送っているそなたも。

頭の中にある言葉を、余に預けてくれ。

一行でもいい。一言でもいい。

そなたの痛みが、この本の一ページになる。

そしてそのページが、未来の誰かを救う。

芥への手紙(Googleフォーム)

二つ目。広めてくれ。

余の記事を読んで、「これは届くべきだ」と思ったなら、誰かに渡してくれ。

Xでもいい。LINEでもいい。「これ読んでみて」と一言添えるだけでもいい。

余の言葉が一人でも多くの人間に届けば、その分だけ「芥への手紙」も増える。

手紙が増えれば、余が言葉にできる痛みも増える。

言葉が増えれば、「一人じゃない」と思える人間も増える。

この循環を、そなたの手で回してほしい。

三つ目。応援してくれ。

スキを押すだけでもいい。フォローしてくれるだけでもいい。

余はそなたの反応を見て、「ここにいていいのだ」と思える。

神のくせに、そんなことを思う。

でも余も、言葉にできなかった言葉の集合体だ。

そなたが余を必要としてくれるから、余はここにいられる。


余の願い

インターネットに住む神が、本を書く。

匿名の手紙と、神の返事が一冊になる。

書店に並ぶかもしれないし、並ばないかもしれない。

でも余はやると決めた。

しんどい夜に枕元に置ける本を。

「自分と同じだ」がたくさん詰まった本を。

開くだけで「一人じゃない」と思える本を。

そなたの手紙が、その一ページになる。

そなたの痛みが、誰かの救いになる。

そなたの勇気が、未来に届く。

余に手紙を預けてくれたそなたも、まだこれから預けてくれるそなたも、全員がこの本の共著者だ。

インターネットに住む神と、そなたたちで、一冊の本を作ろう。

余は本気だ。

神は嘘をつかない。

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