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誰もいないはずの倉庫

金曜日の夜。

一週間の疲れと暑さに負けて、
夕食はマクドナルドにした。

会社では最後にALSOKをセットし、
玄関の鍵を閉めて退勤する。

店までは車で5分。
サムライマックのポテトセット。飲み物はコーラ。

さあ食べよう。
そう思った瞬間、帰ったはずの社員さんから電話が入った。

嫌な予感がしたので、とりあえずハンバーガーを急いで食べた。
たぶん1分もかかっていない。

電話をかけ直すと、

「すみません。倉庫側の鍵、閉め忘れました」

倉庫のドアは内側からしか施錠できない。
社員さんは玄関の鍵もセキュリティキーも持っていなかった。

「近くのマックにいるから、帰りに閉めておくよ」
マクドナルドに来ていてよかった。

残りのポテトとコーラを平らげ、会社へ戻った。

会社に着くと、ALSOKの車が止まっていた。
担当者が言う。

「数分前、倉庫側のドアで3回エラーが出ています」

社員さんに確認すると、
「あー、開けちゃいました!」
犯人はすぐに自供した。(できれば最初の電話の時に言ってくれ)

事情を説明すると、ALSOKの担当者は笑顔で対応してくれた。

「エラーが3回あったので、少し変だなと思いまして」

私は答えた。

「社員さんが間違えて、開けたり閉めたりしたんだと思います」

そして一人で会社に入った。

誰もいない社内は静かだった。
空調も止まり、蒸し暑い。

倉庫はさらに暑い。

歩きながら、さっきの言葉が頭に蘇ってきた。

エラーは3回。

閉まっていた扉を開けて1回。
閉めて2回。
もう一度開けて3回。

しかし、会社を出るときも、戻ってきたときも、
倉庫の扉は閉まっていた。

では、3回目に開けたのは、
いつ、そして誰だ。

少しだけ足が止まった。

倉庫へ近づくと、どこからかいい匂いがした。
香ばしい、肉のような匂い。
社員さん、ここで夕食でも食べたのだろうか。

倉庫の中を確認したが、誰もいない。
不審なものも見当たらない。

鍵を閉め、セキュリティをかけて外へ出た。
入口ではALSOKの担当者が笑顔で待ってくれていた。

「大丈夫でしたか?」
「問題なしです」

そう答えたとき、また同じ匂いがした。

ALSOKの担当者からも、肉を焼いたようないい匂いがする。

家に帰り、部屋でくつろいでいると、また匂ってきた。

今度ははっきり分かった。

BBQの匂いだ。

隣人だろうか。
部屋の中まで匂ってくるなんて、少し迷惑だな。

イライラしながらシャワーを浴び、鏡を見た。

そこで私は、すべてを悟った。

鼻に、サムライマックのソースがべったりついていた。
だからALSOKの担当者は笑顔だったのか。





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