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3枚で100円

〔エッセイ/ 940文字〕


「お母さんおはよう。今日は凄く天気がいいよ。」

毎朝カーテンを開けながら私が語りかけるのは、御仏壇から私を見守る母の遺影です。三年ほど前に他界しました。

母は母子家庭で女手一つ、四人の子を一人で育て上げました。 

母は看護師。日勤夜勤で生計を立てていました。
「お小遣いはあげられない」と母は謝りました。
夜勤明けに、私の小さな掌に福沢諭吉の千円札を握らせて「好きなもの買っておいで。」
母は同時に「寝かせてね」と布団に入りました。

遊園地や動植物園は決まって夜勤明けに遊びに行きました。スーパーの帰りは大判焼とソフトクリーム。母なりの方法で私たちを愛し、同時に母の息抜きでもありました。

成長とともに私は反発が増え
「パンツ一枚すら買えずに生活を支えることがどれほど大変か、あんたにはわからんだろう」母は私を諭しました。
生計のために母が自分の欲しい物を後回しにしていたことを知りました。子供には見せてこなかったのです。

お互いに一人暮らしを始め、盆と正月に帰省し、母はいつもガーゼハンカチを持ち歩き「百均で、3枚で100円」と嬉しそうに私に教えました。肌触りが相当お気に入りのようです。
その後、母に綿100%のパンツを贈りました。

「縫い合わせが痒い。」母は気まずそうに言いました。擦り減った薄いパンツを使い古した母には新品が合わなかったようです。素直な母が愛らしくて私は微笑みました。

まもなくして母は末期癌に罹ります。
大掛かりな胆管手術の末、腹膜転移を起こし見込みが消え緩和ケア病棟へ移りました。

嘔吐が激しかった母にお気に入りのガーゼハンカチを濡らし口周りを丁寧に綺麗に拭きました。
「これ、お母さんのお気に入りなんだよね」
痩せ細って喋れなくなっていく母。乾いた口を懸命に動かし私に何か伝えようとします。

口元に耳を傾けるとおぼつかない声を振り絞り
「さーんまいで、ひゃーくえーん」と言い、弱々しくにこりと微笑みました。

全身の痛みに悶え苦しむ状況下、最期まで私に以前と変わらぬ笑顔を見せる母は愛おしく、嬉しくて笑ってしまいました。既に仏そのものでした。今もなお愛の炎を揺らし続ける母、永遠に消したくない大切な思い出です。

お母さん、今までありがとうね。
毎日が最高に幸せだったよ。


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馬場 百合子 首をながくして私の記事をお待ちくださる方♡私をお呼びくださいませ╰(*´︶`*)╯♡“何かしら”の記事を作成したいと思います🌟金額により内容は考慮させていただく予定です(╹◡╹)♡ (内容は不問でのご理解とご了承をご承諾頂いたものとみなします)2026.02.06