リモートワークに必須、「伝わる文章」を書くための言語化マインドセット
カンムではリモートワーク中心のため、やり取りの多くがテキストです。そのため文章の書き方を間違えると誤解や修正が増え、仕事のスピードが落ちてしまいます。そこでこの1年「スパルタン言語化」という、様々なアプローチで言語化するための研修を作ってきました(社内では研修名に “スパルタン〜” を付ける習慣があります)(ver.5まであります)。
研修を作るうちに分かったのは、求められるのは高度な国語力よりも、「どう書けば相手に伝わりやすいか」を意識する姿勢でした。その“心がけ”だけで、大きな改善が期待できます。以下にそのポイントをまとめます。
曖昧な文章は、読み手が解釈に多くの時間を費やしたり、意図がずれて手戻りが発生し、プロジェクトの遅延につながることもあります。さらには、人間関係にまで影響を及ぼす可能性もあります。口頭での即時フォローが難しいリモート環境だからこそ、書かれた文章だけで意図が正確に伝わるようにする技術が求められています。
今回は、文章作成における「マインド」に焦点を当て、伝わる文章を書くための重要な3つのポイントと、具体的な改善例をご紹介します。
言語化の肝となる3つの「マインド」
文章の品質を高めるには、スキルセットだけでなく、書く人のマインド、つまり「意識」が非常に重要です。以下の3点を意識するだけで、社内の文章の質が50%向上する気がしています。

1. 自分のメモをそのまま見せない
何らかの文章を書く時、最初は箇条書きで考えを列挙することがよくあると思います。しかし、それはあくまでメモで、「自分にとって」意味をなすものです。他者にとっては意味不明なことが多いです。
メモと人に見せる文章は明確に分けるべきです。
メモは、思いついた順に羅列されがちで、構成がバラバラなため、読む人にとっては分かりにくい情報となりやすいです。
他者に見せる文章は、読み手があなたの脳内を見ることができないため、「完成されたもの」として意識することが重要です。
2. 書き終えたら見直す
初稿は、考えながら書くため、内容の順序がバラバラになったり、分かりにくくなりがちです。
「何を伝えたいか」、つまり結論を先に提示するなど、順序を整えることで分かりやすくなります。
誤字脱字が多い文章は、見直しがされていないと判断され、「この人は、人に伝えるということに慣れていない、マインドがない人だ」という印象を与えてしまう可能性があります。
誤字脱字をなくすこと自体も大切ですが、それよりも「人が読んで分かりやすいか」という視点で見直す過程で、自然と誤字脱字も発見されるものです。分かりやすい文章を書く習慣がある人は、結果的に誤字脱字が少ない傾向にあります。
3. 書く前に読者と期待行動を定義する
文章を書く前に、「誰に向けての文章なのか」、そして「この文章を読んだ人に、何をしてもらいたいのか」を明確に定義することが非常に重要です。
自分の考えをまとめるだけの文章では、読み手は何をすれば良いのか分からず、行動につながりません。
誰宛ての文章か、何を期待するのかを言葉として定義し、可能であれば文章にも明記することで、読み手は内容を理解しやすくなります。
この定義を徹底することで、不要な情報をそぎ落とすことができます。文章は短ければ短いほど読みやすくなるので、読者と目的を定めることで、本当に必要な情報だけを選別するプロセスが生まれます。
悪い箇条書きの例
上記のマインドが具体的にどのように役立つか、講義の目的を説明する箇条書きの例を挙げて説明します。

【悪い例】(メモそのままのような箇条書き)
これは、書き手の頭の中にある考えが、思いついた順に羅列されている状態です。
「この講義では、皆の言語化能力を引き上げたい。」
「前回、不特定多数を対象として、単発で完了するように意識したがやはり足りなかった。」
「複数回連続した時間を抑えて、ある程度の時間を取られていく。」
...といった形で、情報が並列に並んでいます。
問題点:
構成がバラバラで、前後関係や情報の重要度が分かりにくい。
読者(特に初見の人)にとって不要な情報(前回の反省点など)が含まれている。
結果として、全体を読まないと内容が理解しにくい。
【良い例】(読み手と目的を意識した改善案)
まず結論や概要を提示し、読み手が何を期待されているのかを明確にします。
情報を構造化し、目的と改善点のように、伝えたい内容ごとに段落分けすることで、理解を促進します。
「誰に読んでもらいたいか」(この場合は広く色々な人)を意識することで、不要な過去の経緯などの情報を削除し、本当に必要な3行程度にまで短縮されています。
この改善により、同じ内容でも理解にかかる時間は劇的に短縮され、全体のスピード向上に繋がります。
その他の文書作成ルール
上記の3つのマインドに加え、以下の点も意識すると、さらに伝わる文章が書けるようになります。
全体像から詳細へ: 文章は、抽象的な話(結論や結果)から具体的な話(具体例、前提、原因)へと流れるように書くと良いでしょう。
構造を示す: 平坦な箇条書きではなく、構造を意識し、太字などを使って強調すべき部分を目立たせる工夫も有効です。
具体例を用いる: 抽象的な話をする際には、具体的な例を挙げることで理解が深まります。
言葉の定義: 初めて読む人でも理解できるように、専門用語などは適宜定義しましょう。
まとめ
リモートワークが主流となる現代において、「伝わる文章」を書く言語化スキルは、個人の生産性だけでなく、チームや会社全体の生産性とスピードを向上させるために不可欠です。
今回ご紹介した3つのマインド、すなわち、
自分のメモをそのまま見せない
書き終えたら見直す
書く前に読者と期待行動を定義する
これらを日々のSlackやesa、Notionでのコミュニケーションで意識するだけでも、劇的に文章の質が向上し、円滑なコミュニケーションが実現するでしょう。ぜひ、今日から意識して実践してみてください。
[追記 2025.07.08] 続編を書きました
カンムでは色々なポジションを鋭意募集中です。
