分子生物学者による、トリチウムの体内被爆と有機結合型トリチウム(OBT)の崩壊についての解説
この動画では、H3(トリチウム)が半減期に He(ヘリウム)に変化することによるトリチウム固有の害について解説されています。
トリチウムの有害性については、放射線量だけで判断されているのが実情ですが、このOBTのリスクは無視されています。
特に子宮中の胎児への影響が強いという研究結果も紹介されています。
解説者の 河田昌東先生の経歴です。
河田 昌東(かわた まさはる) 分子生物学者
1940年秋田県生まれ。63年東京教育大学(現筑波大学)理学部卒業。68年名古屋大学理学部分子生物学研究施設大学院博士課程修了(分子生物学)。69年同研究施設助手、名古屋大学理学部大学院生命理学科助手を経て、2004年定年退職。1990年よりNPO法人チェルノブイリ救援・中部理事。遺伝子組換え情報室代表を兼務。著書に『チェルノブイリと福島』、共著に『チェルノブイリの菜の花畑からー放射能汚染下の地域復興』。
トリチウムのリスクについて、外部から計測した放射線(ベータ線)の放射線量だけから安全基準が作られています。
しかし、トリチウムは水と同じであるため人間が食べたり飲んだりするものに含まれています。
体内に入ったトリチウムの多くは尿として排出されますが、一部は人間の細胞を形成する際に水素として使われます。
このトリチウムを含む体組織のことをOBT(Organically Bound Tritium)有機結合型トリチウムといいます。
下の図は、通常 Hが有るところへH3(トリチウム)が結合したグリシンの例です。

トリチウムは、半減期が来ると中性子1つを放出(β線)し ヘリウムに変化します。ヘリウムは、全ての元素の中で最も不活性な性質を持ち、化合物を作りません。
もし、DNAを構成する有機物中のトリチウムがヘリウムに変化すると、そのDNAは破壊されることになります。
上の図のグリシン(DNAやRNAを構成する材料)のH3が Heに変化するとグリシンは破壊されることになります。もし、このグリシンがDNAやRNAに含まれていた場合は染色体(遺伝子)を傷つけることになります。
カナダの研究では、原発のトリチウムの放出と周辺地域における胎児の先天性異常に関連が確認されているということです。
報道ではトリチウムは天然に存在するもので、低濃度なら安全としています。
確かに非常に低濃度ならばリスクは低くなりますが、放出海域の魚介類は、生息期間に応じてOBTが蓄積されることになります。
魚介の摂取により濃縮されたOBTを体内へ入れることになります。
政府もメディアも、なぜOBTに関する安全性の説明をしないのでしょうか?
トリチウムの安全性を、他の核種と同じように外部からの放射線量測定値だけで判断することは科学的ではありません。
参考情報
以上
