ゴールでも墓場でもなくて ①

最高気温は、プラス5度超え☀️☀️🫠
昨日から、ついに寒冷地にもやってきました。
早春の兆しを段飛ばしにして、三寒四温の荒波が…!
春が来ること、生活の節目が来ることへの期待と入り混じって、不安定になりやすい季節ともいえそうですね。
思い通りにいかなくて焦りそうな時は、
抱え込んだタスクを数分でも横に置き、静かに息を吐いてみましょう😌
かつて思春期を過ぎた頃、とても印象に残った言葉があります。
「何より大切なことは、情緒が安定していること」
当時、母が時々買っていた既婚女性向けの雑誌や小冊子を、
一人になった時にコソっと読むことがありました。
困難な人生の話とかが日常的に載っていたりするわけですが、
読み進めていくとたまに、ものすごく核心つく言葉が出てきたり
するんですよね。
ある部分では、耳年増になっていたはずでした。
でも、どちらかといえば依頼心が強く、野心家になろうとしつつも、
なりきれない部分がありました。
いつか安らぎに満ちたオアシスに辿り着きたい願望を抱え、
半ば計画的に、その裏で半ば行き合ったりばったりしながら、
正当な道だと信じ込んで…
詰んでもおかしくないような、ギャンブルじみた “ 迷宮 ” へ
当時29歳の私は、足を踏み入れていきました。

ーあの頃の話 【1】ー
雪解けも進んできた初春の休日、
少し見慣れてきた新居のメゾネット2階で一足早く目覚め、
階下へ降りてからゆっくり体を伸ばし、一つ深呼吸をする。
初めての一人暮らしでは、大分病んでしまった。
知り合いもいない中、一方的にあっという間に顔を知られる狭い地域で、
どうストレスを発散したらいいかもわからずに、
疲れは積み重なり、全身アトピー様の肌荒れに陥ってしまった。
気が遠くなりながらボロボロの状態で仕事にしがみつき、
ただ一日一日をやり過ごして数年…。
それでも潮目が変わる時というのは、やってくるものらしく、
鬱々して住み続けたあの町から引っ越すことができた。
同居から約2週間後、役所の夜間窓口へ出向いて婚姻届を提出し、
更に2週間が経とうとしていた。
長距離通勤に難色を示すスタッフもいたけれど、
専門資格を持つ社員として耐え抜いた年月はどうにか実績として認められ、結婚相手の都合に合わせる為にと…
ここぞというタイミングで申し出た。
しかし、そもそも希少種。
職種といい勤務地といい、代わりを見つけるのは簡単ではない。
それほど時間もかからず「町に住み込む」という勤務条件は緩和された。
信号の少ない田舎道で、
ほぼ走りっぱなしの約50分という通勤の道中は緩くないけれど、
町外で暮らす許可を得られたのは、
当時の自分にとって至上の成功体験だった。
この仕事に就くまでは、身分証明書代わりでしかなかった運転免許証は、
一応のゴールドから生活の実態が反映されたブルーに変わり、
必要に迫られて仕方なくとはいえ、
2年半のローンを組んで買った車は、乗り心地よく感じられた。
震えながらハンドルを握ったあの時の自分が…
赴任した矢先、ガードレールにぶつかり泣く泣く修理費用を払った日々が、
遠く感じられるようになるなんて…。
あとはそう、彼が再起してくれれば、何も問題はない。
付き合い始めて3年を過ぎてから遠距離恋愛に移行し、およそ2年、
夢破れて帰ってきて、しばらくの間は慰めようがなくて…
こっちはこっちで全身がかゆくて辛くて、夜も眠れなくて…
疲れきっていたものだから、
夜デートでお店に入ったはいいけれど、食べながらうたた寝してしまい、
店員さんに「お疲れなんですね…」と心配されたりもしたっけ。
力なく微笑みながら、私を見つめる彼の眼差しは、
頼り甲斐があるとはいえなかったけれど、
地元を離れて、身近に遊べる友人がいない私には、
月1回会えるようになった彼がますます不可欠な存在になっていった。
そういえば最近、体のかゆみが少し軽くなってきたかもしれない。
ステロイド薬が効いて楽になったのは、せいぜい最初のひと月くらい。
薬って実は、症状を抑えるだけで、肌そのものを治すわけではないことを
自分の体で知って、一時期は失望の海に沈んだ。
けれど、
同居し始めて楽になったこの経験で「病は気から」ということも学んだ。
この新居でお互いに羽を休めながら、ゆっくり積み上げていけばいい。
フローリングの床に吸い込まれそうな心地の中、玄関でコトリと音がした。
郵便物かな?
身をかがめて取り上げた1枚の…
ハガキを裏返した瞬間、私は思考が止まった。
真ん中あたりに数字が並んでいた。
それ自体は、読めないような桁ではない。頭の数字もごくシンプルだ。
もし、私が同じことを経験していたなら…
「もう、ダメじゃん。他にはない?ほら片付けちゃおう。」って、
サクッと終わらせることができたのだろうか?
その程度の金額ではあった。
でも、本当の問題はそこじゃない。
そこじゃないのだ。
崩れていく…音を立てて
まさかそんな…
私の選んだ人が、結婚相手が…?!
脳内にリフレインするのは、何年も前に聞いた彼の声、言葉。
「消費者金融で金借りるなんて、正気の沙汰じゃねえよ。」
付き合い始める前の若かりし頃、彼の友人が準備不足のまま社会に出て、
大変な目に遭った時、落胆の色を浮かべて話していた彼の横顔を
私は、はっきり覚えている。
ねえ、もう一度言って?
自信たっぷりに …… もう一度言ってみてよ!!
心の表層に引っ張り出された導火線の、
端っこに差し出された火種を引っ込めることは到底できなかった。
ー【1】end ー
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