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失業率と株の関係をやさしく整理



だれでも理解できる、3つの過去から見える本当の関係

「失業率が上がってきたら、そろそろ株が危ないのではないか。」

こんなふうに考えたことはありませんか。
仕事を失う人が増え始めるということは、景気が弱ってきているという意味でもあります。景気が弱れば、株も下がりそうだと感じるのは自然です。

しかし、実際の歴史を見ると、考えていたよりもずっと複雑です。
「失業率が上がり始めたら、その後に株が暴落する」という流れは、過去の有名な下落を調べてもきれいには当てはまりません。

ここでは、三つの大きな下落の時期を取り上げて、失業率と株価の動きをひとつずつ丁寧に見ていきます。むずかしい言葉はできるだけ使わず、だれでも理解できるように話を進めます。


ITバブルが崩れたとき

二〇〇〇年前後、インターネット関連の会社の株が急に上がりすぎて、あとから大きく落ちた時期がありました。このときの失業率を確認すると、二〇〇〇年の秋まではほとんど変わらず、とても低いままでした。それが二〇〇一年に入ってから、ようやく少し上がり始めたという流れです。

「では、そのあと株が大きく落ちたのか」と思うかもしれません。しかし、実際にはこの頃にはすでに株は下がり始めていました。つまり、株価が先に動き、失業率はそれを後から追いかけるように悪化していった形です。


リーマンショックの前後

二〇〇七年の秋に株価が高いところに達し、その後ゆるやかに下がり始めました。しかしそのときの失業率は、まだ低い状態でした。年が変わるころに失業率が少し上がり始めた程度で、大きな変化ではありません。

その後、二〇〇八年の秋にかけて株価は急に下がります。この頃になってようやく失業率が一気に悪化しました。ここでも、株価の下落が先に起きていて、失業率は後からついてきた形です。


コロナショック

二〇二〇年の春に起きた急落は、さらにわかりやすい例です。失業率は、二〇二〇年の二月までずっと低いままでした。しかしコロナの影響が広がると、四月に失業率が急に跳ね上がりました。

一方で株価は、二月末から三月にかけて急速に下がり、その後四月には落ち着きを取り戻し始めていました。つまり、失業率が上がったときには、すでに株価の下落はひと区切りついていたのです。


3つの過去をまとめるとどうなるか

三つの出来事を並べてみると、次のことが見えてきます。

株価は、景気が悪くなる気配をいち早く感じ取って先に動き始め、
失業率は、景気が実際に悪化した「結果」として、後から数字に表れます。

このため「失業率が上がってきたから、もうすぐ株が暴落する」という考え方は、過去を調べる限りでは当てはまりません。むしろ、株価が先に下がり、その後で失業率が悪くなるという流れのほうが一般的です。


では、失業率は意味がないのか

失業率は、景気の状態を知るうえでとても大切な数字です。ただし、「これだけを見て株の未来を決める」という使い方は向いていません。
失業率は景気の変化をゆっくり反映するため、株価よりも動きが遅いからです。

一方で、失業率が高くなりきった後、ゆっくり下がり始める場面は、景気が回復に向かうサインになります。そのタイミングでは株価が上がりやすいことがあり、むしろこの場面で役立つことがあります。

大切なのは、失業率だけに頼らず、金利、企業の利益の変化、人々の買い物の動きなど、いくつかの情報を合わせて見ることです。その方が、景気や市場の流れを落ち着いて判断しやすくなります。


最後に

米国の失業率は、株価暴落のきれいな前ぶれにはなりません。株価の方が先に動き、失業率は後からその影響を反映します。この時間のずれを理解しておくと、ニュースで目にする数字をより正しく読み取れるようになります。

そして、株価がどうなるかを考えるときには、一つの数字に頼らず、全体の流れを合わせて見ることが大切です。そうすることで、過去の下落の理由や、景気の変化をより正しく理解できるようになります。

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