誰でも簡単:AI初級者🔰脱出方法
要約:AIを使った自己分析でスキルアップもできて一石二鳥!
はじめに
世間ではAIのニュースが溢れ、今後の必須スキルとして習得を目指している人も多いと思う。しかし実際にAI生成をやってみると70点のものが出来上がり、どうすれば100点になるか途方に暮れて現行AIや無料版の限界だろうと様子見に戻った方もいるだろう。かくいう筆者も数か月前まではAIに懐疑的な様子見派だった。それがひょんなことがきっかけで、まるで仙人に出会って能力を解放されたかの如く、AIをアイディアの研ぎ石として活用するようになって今日に至る。
ここで紹介するのはそのきっかけを作った実用的な遊びで、無料で誰でもできるのが強みだ。
AIに自己分析をさせる
とりかかり
好きな人物、苦手な人物の名前を各10人くらいリストアップする。
汎用LLMに接続する。生成用ではなく汎用を選ぶこと。無料版でOK。
筆者のお勧めはGemini、Grok 3、ClaudeAIに「好きな人物、苦手な人物のリストを送るので、それを基に人物像を分析せよ」と指示する。
返ってきた結果を確認する。以降、分析して煮詰めていく人物像のことを「人物像モデル」と呼ぶ。

反復問答でモデルを煮詰める
初期分析内容に明らかな誤解、人物間違い、矛盾があれば指摘し、AIに修正させる。
修正が済んだら初期分析内容として確定させる。AIはファイル保存の概念はないが、会話中に目印となるものがあれば後から参照できるので、「今の結果を初期分析とする」「バージョン1.0とする」などと宣言すればOK。
曖昧な分析に対して、自分で「観点」を考えてAIに与え、人物像が明確になるか検証する。
【例】筆者の場合、好きな人物:
- バットマン
- 中村主水(必殺仕事人)
- アラビアのロレンス
- シャア・アズナブルのクワトロ時代(Ζガンダム)
が「複雑な人間性」と大雑把に括られていたが、並びから「二面性」がテーマと気づいた。AIにその観点で人物リストをもう一度みよと指示したところ、好きな人物に二面性が多い一方で苦手には見られず、好き・苦手の主要因子と確認された。「複雑な人間性を好む」が「二面性に惹かれる」に深化することで、人物像モデルがより鮮明になり、精度が上がったのだ。

4. モデルが煮詰まってきたらリストにない人名をAIに投げかけ、好きか苦手かモデルを使って予測させてみよう。予測結果が9割以上的中していればモデルの有効性が確認できたと言えよう。
5. 予測結果が外れた場合、原因分析がモデルの改善につながることがある。要因としては、
①AIが人物の要素を見落としていた。
②例外的な要因が決め手になった。(本来なら苦手なタイプだが、同郷なので好き、など)
③モデルが何かを見落としていた。
①②の場合はモデルの補正は不要。③は補正を検討する価値ありだが、補正によって改悪にならないか見極める必要がある。
練習中に気を付けたいこと(順不同)

抽出された人物像は確定ではなく、会話内容によって逐次アップデートされていくので、バージョンアップを明確に管理しよう。問答が改善につながらなかった場合、「今の分析は破棄し、人物像に反映するな」と明確に伝える必要がある。
AIの誤解や矛盾については指摘して修正させる。また、原因を問い詰めることがAIの機能理解へのヒントとなることもある。
ある観点で見ろというと、こじ付け的に当てはめた上ですべて該当すると言い出す。知見が得られるような「ある・なし」の閾値設定をAIにやらせる必要がある。
改善を目指すあまり不毛なループに陥っているようなら早々に切り上げて一旦理解をリセットする。AIは基本的にユーザーに追従するので、ユーザーもまたそれに触発されて袋小路の奥へ奥へと迷い込んでしまうことがある点に注意しよう。
AIは直近の会話の重みを付ける点
AIに例え話をするのはその場での理解を促進しうるが、後々でノイズとなって残ってきたりおかしな方向へ拡張されるリスクをはらむ、諸刃の剣である。
質問や雑談など話が脱線するのは問題ないが、後で本筋に戻れるよう、会話の意図を明確にすること。例:「一旦人物像の話は止めて、AIについての質問に答えてほしい」「今ので脱線は終わり人物像の話に戻る」
会話の小さな違和感を探知し、原因を考え、対処する。
無関係な会話内容や終わった話が紛れ込んでくるパターン。前項の7が不十分だったことを疑い、「○○から××までは△△というテーマの話であり、本筋とは分けて理解せよ」と指示を出せば回復できる。さらに強力な手段として、概要(アウトライン)を表示させ、その上で会話の分岐点、話題の親子構造の変更や重みづけをすることも可能だ。
別のパターンとして、AIの作業理解がおかしな場合もある。筆者があるAIで試した際に、やたら「貴方は人間に興味がある」というテーマが人物評に紛れ混んでいた。好きな人間は一匹狼が多いにも拘らずである。原因はAIが方法論とデータを区別できておらず、それが私が人間が全般的に好きという下駄として紛れ込んできたのだ。
前々項の6の例として、「赤」を説明するのにリンゴを例に出したとする。すると、AIは「わかりました。イチゴやサクランボのようなのですね」と返答したとする。赤い色の例としては間違ってはいないのだが、あえてその二つを選んだところに勘違いが垣間見える。この感覚を大切にしよう。
人間がAIをリードして「観点」を与え、反復を通じてレンズのピントが合うかの如く徐々にモデルの精度が高まっていくという感覚とプロセスを覚えること。
分析結果の応用
ある程度納得がいったら人物像モデルの確定版をテキストファイルなどに保存しよう。
保存した人物像モデルを新たなAIとの会話の冒頭で提示し、
- 対人関係や面接のアドバイス
- 進路相談
- 映画などのメディアコンテンツの推薦
- 他の診断結果を推測させる(私の人物像モデルはこれだけど、MBTIは何だと思う?)
などに活用しよう。
解説
AI自己分析のメリット
MBTIなど、予め準備された性格パターンに割り振られるタイプの診断と違い、この手順で抽出した人物像モデルはユーザー自身がAIとの対話で生み出した自分だけのものであり、汎用的な分析とは一線を画す。それに基づいたAIとの相談もまた、自身にカスタムされたものになるのが実用上の大きなメリットだ。
AI上達の練習法として
LLMには大きく分けて生成的な使い方と分析的な使い方がある。生成してみたいものは誰にでも思い浮かぶため、大概の初心者は生成から入るのだが、思い通りにいかずそこで躓きやすいのもまた事実だ。
これは生成的な使い方は発散的なプロセスであるが故に、必然的に制御が難しいからである。対して、分析的な使い方は収束的であり、期待しているものと近い回答が返ってきやすい。
しかし、初心者や私的利用でハードルになるのは雑多なデータが必要な点で、練習しようにもネタがないのが足かせになる。
ここで紹介したAI自己分析は、練習の題材としてユーザー自身を用い、収束的な分析プロセスを用いることでこの問題を回避している。また、好きな人物・苦手な人物という誰にでも簡単に揃えられるリストを基にしているため、老若男女やITスキルに関わらず幅広く活用できるはずだ。
テクニックよりも実践を
AIは、飼い犬が博識になったようなもので、躾や扱いに慣れるのは、触れ合うのが近道だと思う。巷で流行りのプロンプトテクニックなどはその中で自然に身につくものだ。自己分析ができたら、類似のテーマで世界を広げていこう。徐々に生成的な使い方を織り交ぜていけば、スムーズにスキルアップできるはずだ。
例 次のステップ
好きな映画や料理のリストから傾向を同じ手順で抽出してみる(分析)
お住いの都道府県と、周辺都道府県の相違点をAIと一緒に考えてみる。(分析)得られた知見を最後に文章にまとめさせる。(生成)
貴方自身が各所で挙げた成果をAIに送り付け(書き留めたような形式でOK)、リストとして体系化して整理する。(分析/生成)
→就活や転職で自己アピールするための、「個人成果原本」として活用する。
おわりに
本稿執筆時点ではAI利用は発展期であり、関心は表層的なテクニックに偏っている。しかし私は、AIにどんな質問をして、会話をどう展開するか、そして人間-AI共同作業で知力を増幅させていくプロセスを覚えることが、AI達人になるためのポイントだと感じている。
ここで紹介した練習法で読者のAIの世界が広がって、AI仙人に能力が解放されれば幸いだ。

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