Fiber Market Intelligence Weekly Report 【2026/06/20-26】
こんにちは!今週もグローバル繊維市場の最新動向をお届けします🌍✨
今週は、中国市場における先物取引の対外開放といった大きな制度変更や、炭素繊維分野での相次ぐ国産量産化のニュースが市場を賑わせました。一方で、中東の地政学リスクの緩和期待から主要原料価格が急落するなど、ダイナミックな値動きも見られます。
ビジネスや投資のヒントとなる情報が満載ですので、ぜひ最後までチェックしてください!
1. 🌐 化学繊維業界の全体動向
今週の化学繊維市場は、金融市場の制度変更と、地政学リスクの変動に伴う価格の下押し圧力が大きなテーマとなりました。
📈 先物市場の対外開放と国際化:中国の鄭州商品取引所において、7つのポリエステル先物品種が同時に対外開放されました[1]。これは、ポリエステル産業チェーンにおける市場の透明性と流動性を高め、中国が国際的な価格形成への影響力を強化するための戦略的な動きと見られています[1]。また、同取引所ではPTAや短繊維などの取引証拠金比率と値幅制限の調整も行われ、取引リスク管理の最適化が進められています[2]。
📉 原料市場の急落と構造調整:中東情勢の緩和期待により地政学的プレミアムが後退したことで、PTA(ポリエステル原料)先物市場は主力契約が日中に6%下落するなど大幅な下押し圧力を受けました[3][4]。夜間取引でもPTA、PX、ボトルチップがいずれも4%超の下落を記録し、広範な川上原料市場で価格圧力が強まっています[4]。
🏭 業界の構造再編:欧州の化学大手Evonikが、2029年までに3,200人の人員削減とポリエステル事業からの撤退を発表しました[5]。グローバルな化学産業における競争環境の厳しさを反映しており、中長期的な供給構造への影響が注目されます[5]。
2. 🚢 国際貿易やサプライチェーンの動向
国際貿易では、各国で保護主義的な動きが引き続き観測されています。
🛡️ 貿易障壁の強化と影響:欧州連合(EU)が、中国原産のPET紡粘(スパンボンド)不織布に対して反ダンピングの仮決定を下しました[2]。また、インドも中国原産のPET樹脂に対する反ダンピング税を継続しています[6]。バングラデシュでは、ポリエステル繊維生産者を保護するための関税措置が、川下のプラスチックおよび繊維製品メーカーのコスト上昇懸念を引き起こしており、国内産業保護と国際競争力のバランスが課題となっています[5]。
🚢 輸出動向の明暗:中国のポリエステル長繊維輸出は5月に急減したものの、後期には需要回復により改善が見込まれるとの分析が発表されました[4]。
3. 🧵 特定繊維毎の動向
⬛ 炭素繊維:モビリティから航空宇宙まで採用が爆発的に進んでいます。フェラーリの「SF90 XX」や新型ベンツ「AMG CLE 63」、さらに広汽(GAC)の飛行タクシー「AirCab」の機体に炭素繊維が採用されました[7]。供給面では、中国石化(Sinopec)が「黒黄金」とも称されるT1000級小絲束炭素繊維の量産化に初成功し、上海石化も湿式12K-T1000炭素繊維の量産化に成功するなど、中国国内での技術自給率が飛躍的に向上しています[7][8]。また、ミライ化成によるCFRP端材の回収・再資源化事業など、サステナビリティへの取り組みも加速しています[6]。
👕 ポリエステル:帝人フロンティアが、優れた保温性と高い通気性を独自に兼ね備えたポリエステル繊維ベースの多機能テキスタイルを開発しました[9]。また、恒逸生物が生分解性ポリエステル繊維の国家特許を取得し、スポーツブランドの安踏(Anta)と連携してグリーン転換を推進しています[9]。一方で、ポリエステルが人体内のマイクロプラスチックと関連している可能性が提起され、環境・健康への影響に対する関心も高まっています[10]。
✨ スパンデックス:暁星TNC(Hyosung TNC)が、サトウキビ由来のバイオベーススパンデックスの量産を開始し、持続可能な繊維の普及を後押ししています[8]。
4. 🏢 注目の企業ニュース
🇨🇳 奇徳新材 (Qide New Material):2.75億元の非公開増資が完了し、炭素繊維の生産能力拡張を加速させています[3]。
🇨🇳 信徳新材 (Shinde New Material):同社のピッチ基炭素繊維製品が、光ファイバー、太陽光発電、半導体などの複数分野で顧客検証を通過し、小ロット供給を開始しました[11]。
🇨🇳 東華能源 (Donghua Energy):高性能炭素繊維プロジェクトにおいて、材料投入による試運転を順調に完了し、本格稼働へ向けて前進しています[11]。
🇨🇳 光威複材 (Guangwei Composites):商用航空機用炭素繊維の検証が計画通り進行していると報告する一方で、民生用炭素繊維市場ではすでに激しい価格競争が顕在化していると指摘しました[12]。
5. ⚙️ 繊維機械や助剤・サプライヤー関連情報
🧪 紡糸油剤の自動化:泰和新材など3社が共同で、スパンデックス(氨綸)油剤の自動制御に関する特許を申請しました[13]。スパンデックス紡糸油剤生産における自動化を進め、生産効率と品質安定性の向上を図ります[13]。
🤖 設備と部材の特許:威海博達自動化設備が、梳理(カーディング)機能を備えた炭素繊維プリプレグ展紗構造の特許を取得し、品質向上に貢献しています[2]。また、太倉市金錨新材料科技は、粘着剤の塗布厚や面積を制御して引張接着強度を検出する装置の特許を取得しました[14]。
6. 📊 繊維価格動向一週間ダイジェスト
今週(6/20-26)の主要な繊維および原料の価格動向(主に中国市場基準)です。ご要望のポリエステル長繊維の価格情報も追加しています。
🔹 PTA (ポリエステル原料)
価格・指標:約 5,396 元/トン(先物主力契約)[3]
動向・要因:中東情勢の緩和期待や加工費の高止まり、原油価格の軟調な推移が複合的に影響し、先物市場で日中6%下落するなど、大幅な下押し圧力に晒されました[3][4]。
🔹 PX (パラキシレン)
動向・要因:地政学リスクの緩和が進む一方で、需給の逼迫が価格を下支えしており、外部と内部の要因が入り混じる複雑な相場となっています[4]。
🔹 ポリエステル短繊維
価格・指標:約 7,520 元/トン(基準価格)[10]
動向・要因:均差がマイナス(-98.85元/トン)に拡大しており、コストサポートの不足と需要の低迷が継続しています[10]。
🔹 ポリエステル長繊維 (FDY / POY)
価格・指標:FDY基準価格は約 8,745 元/トン[10]。POY均差は 2.19 元/トン[10]。
動向・要因:FDYの均差は-45.00元/トンと引き続き負の方向に拡大しており、短期的な下落トレンドが継続しています[10]。一方、POYの均差は正の方向に縮小し2.19元/トンとなっており、市場の需給バランスに変化の兆しが見られます[10]。
🔹 ナイロン長繊維 (POY)
価格・指標:13,500 〜 13,800 元/トン[7]
動向・要因:基準価格は13,800元/トンですが、企業間(兄弟合繊や嘉禾化繊など)で13,500〜13,600元/トンと価格差が見られます[7]。
🔹 レーヨン短繊維 (1.2D)
価格・指標:約 14,200 元/トン[15]
動向・要因:濰坊欣龍などのメーカーが価格を引き上げており、市場の需給バランスが引き締まりつつあることを示唆しています[7][15]。
今週のレポートは以上です!
先物市場の開放や次世代素材の量産化など、長期的な視野で市場構造が変化しつつある一週間でした。次回の更新もお楽しみに!
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