【3分で読めるコラム】「前向きな転職」の対義語は「あとがない異動」
転職しようが、会社に残ろうが、食いぶちが一つなら危険だ。
どちらにしたって、他人に人生の手綱を握られてしまっている。
専業主婦や専業主夫の場合は、その危険度が更に上がってしまう。
相手に見捨てられたら、明日から立派なニートの出来上がりだ。
罪を犯してニュースになれば、その方の職業欄は無職になる。
まあ、そもそも犯罪者になったら無職かどうかどころではないのだが…
そういう意味では、FIREしているボクも無職で表記されてしまうだろう。
何が言いたいかといえば、“他人に人生の全てを委ねるな“ということだ。
未成年や学生で、保護者に面倒を見てもらっている身分なら問題ない。
しかし、20歳を超えた大人になったら、働かないで良いくらいの資産を蓄えるか、自分でお金を稼ぐルートは持っておいた方が良い。
少し前に、ある男性の友人から相談を受けた。
内容としては、彼が奥様に対し、気に入らない部分があるとのこと。
あくまでも彼の言い分だが、奥様は謝ることをしない人だと言う。
その日は、彼に意見を求められてしまったので、ボクなりの考えを答える必要があった。
結婚したからといって、元々は他人だし、合う人もいれば、合わない人もいるのは当たり前だ。
なんなら結婚前と後で多かれ少なかれ性格が変化する場合もあるので、合わなくなることも仕方がない。
そんな彼に対しボクは、「じゃあ、離婚すればいいじゃん」と、答えた。
彼は大学生と高校生の子供に父親がいなくなることが良いとは思えないと言う。
だとすれば、下のお子様が大人になるまで離婚を待つしかない。
シンプルにそれだけのことだろう。
さて、ここで困るのは恐らく奥様だ。
彼の稼ぎで過ごしている専業主婦である。
パートをやっている訳でもなければ、自分で何か収入を得ている訳でもないらしい。
冒頭で述べたように、彼の奥様が離婚した場合は、間違いなく無職になる。
なんなら結婚後の職歴もない人なので、社会に放たれても、すぐに働ける仕事を探したところで選択肢はごくわずかだろう。
そして、彼にボクは加えて言った。
下のお子様が巣立ったら、“離婚するつもりでいること“を、奥様に早く言った方が良いよと。
で、「その時に何が不満で離婚したいのか、ちゃんと伝えなよ」と、つけ加えた。
恐らく察しの良い人は、もうこの話の結果が分かるだろう。
後日、彼から電話がかかって来て、以前よりは奥様が謝るようになったそうだ。
社会に放り出される恐怖が、奥様を謝る人に変えてしまった。
彼は奥様が謝らないと言っていたが、本当に彼が正しいかは分からない。
もしかしたら、そもそも奥様が謝らないといけない内容かすら定かではない。
しかし、奥様は自分で稼ぐ術がないため、離婚後に自分1人で過ごす自信がなかったんだと思う。
つまり、何が言いたいかっていうと、お金がないというだけで、“その人の尊厳まで奪ってしまう“という怖い側面があるということだ。
ちなみに、これは専業主婦や専業主夫に限った話ではない。
サラリーマンや定職に就かれていたって、1つしか収入源がなかったら、不満を持っても辞めることが難しい。
少々の無茶を言われたって、自分が納得する内容でなくとも、その会社に残らせていただかないといけない。
しかし、自分に食いぶちがあったり、資産を築けていれば、尊厳を崩すことなくいられる。
別の食いぶちが持てると、ゆとりだったり、醸し出す余裕が生まれ、与える印象も異なるだろう。
こんな話を聞いたって、食いぶちを一つにする人が居ても、それはその人の自由だ。
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